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oblivion
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私は、ギアン大陸南部に位置する、通称「サウス軍事同盟連合」の領地へと、やってきた。
ちなみに、この地域では、「南連なんれん」と、いう略語で呼ぶのが、一般的であるらしい。
ここ南連は、小国が八ヶ国、集まって成り立つ連合国である。
この連合国の主な目的は防衛であるが、近頃は経済の面でも助け合い、その絆は一層深まっているのだという。
今回、私が向かうのは、その八ヶ国の一つ、コルテという国だ。
この国は、住みたい国ランキングで八ヶ国中、毎年上位に名を連ねている。
治安がよく、人々が親切な、お国柄である。
実をいうと私も昔、コルテに住んでいたことがある。
私にとって思い出の地でもあるのだ。
そんな私は、ある街に立ち寄った。
「おかしいな?もうコルテに入っても良さそうなものだが……というより、此処はどこ?」
私が現在居る、この小規模な街には、全く見たこともなければ、心当たりもない。
道行く人はまばらで、どこか寂れた雰囲気があった。
特に特徴のない街……いや!特徴は、ある。
さっきから、すれ違う人々が、何やら物珍しそうに私を見ていた。
何故か?
私が他所から来たことが、わかるのだろうか?
すると、私に一人の少年が近寄ってきた。
「おい、お前。余所者だな。何をしにきた、このマッシュに。」
突然、喧嘩を売られているような気がして、腹が立った。
「このガキめ!」と、私は低級魔法を唱えそうになったが、
「いかん。相手は子供ではないか。」と、なんとか堪えた。
「大人の余裕を持たねばな。しかし、ここはマッシュという所なのか……聞いたことがないな。」
恐らくは地図にも載っていない、土地だ。
そしてようやく、この時に私は、気づいた。
この何ともいえない、違和感。
――この街の人間は大人から子供、果ては老人までもが、
「キノコ頭……いや、マッシュルームヘアー」なのだ!
道理で私が余所者だと、ばれるわけだ。
「しかし、この街はいったい?」
私が頭を悩ませていると、先ほどの子供が、
「うわっ!プルンだ!やーい金色キノコ。」と、騒ぎだした。
見てみると、本当に金色のキノコ――金髪のマッシュルームヘアーが、あちらから歩いてくる。
その顔は、どこからどう見ても、怒っている様子だ。
「おのれ、ガキんちょ!俺は、この国の王子だぞ!」
「こっこまで、おいで!」と、子供は挑発を繰り返す。
「よし!そこで待ってろ。今、行くから――。」
プルンと呼ばれる金色のキノコは、躓いて、こけた。
子供は、その姿に大爆笑して、走り去った。
「いったい、なんなのだ。」と、私は倒れたプルンに手を差し伸べた。
「す、すまんな。――お前、余所者だな。」
私は一言、こう言いたい、「面倒くさい」と。
その後、私とプルンは近くのオープンテラスで優雅に、午後のお茶会を、楽しんだ。
プルンに聞いた話しでは、このマッシュという街は、一つの国であるということらしい。
そして、このマッシュも南連の一つである、という。
「八ヶ国ではなく、九ヶ国だったのか!」と、私は驚いたが、
「まあ、どうでもよいが。」と、思った。
それで、このプルンは、この国の王子で、あるらしい。
それには、さすがに私も疑いの目で、プルンを見た。
「いやいや。マジだって!な、なんだよ、疑惑の目は?」
……怪しい。
しかし、街の人間からは愛されているらしく、
「よう、王子。フラフラしてんじゃねえよ。働け。」
「これは、プルン王子。散歩ですかな?」
「おや、プルン様。ちょっと寄っていきなされ、お茶でも飲んでいきんさい。」
街の人々は、気安く声をかけていた。
「やはり……怪しい。」
私の疑念が、プルンに伝わったのか、
「ほ、ほんとうだって。俺、王子。分かる?俺、王子。」
私たちは、お茶会を終えて、別れようとしていた。
「まあ、なんもないとこだけど。ゆっくりしていきな。えっと……名前――。」
その時で、あった。
「いやあ、これはプルン王子様では、ございませんか。」
そこには十人ほどの男達がいた。
その先頭の中年の男は、馬に跨がっている。
ずいぶんと、太っているので馬が苦しそうにみえた。
「コルテのベンザ殿か。軍勢を率いて我が国を攻め落とす気か?」
「いや、軍勢って、十人しかおらんだろ。」と、私は突っ込みたかった。
「ガハハハ!いくら弱小国とはいはえ、さすがに十人では無理ですぞ、王子。」
「で、では一体、何の用だ?」
「うーん、でもあながち間違いでもないかもしれませんな。今日は提案に参ったのです。」
「提案?コルテに吸収されろ、というこの間の提案か?まったく馬鹿らしい。」
「しかし王子。我らが本気で攻めこめば、この国は半日ともちませんぞ。だったら我らと合併したほうが、そちらにとって良い話ではありませんかな?」
「白々しい。お前らの目的は、マッシュの金山だろうが。それに南連加盟国、同士の戦は固く禁じられておるだろうが。」
「たしかに。ですが、南連は八ヶ国によるもの――というのが世間一般の常識ですぞ。今更、この超小国マッシュが、我がコルテに吸収されたからといって、誰も文句は言わんだろう。それにマッシュと領土が接しているのは、コルテだけですからな。ここは、もはや忘却の国ですぞ、プルン王子。」
「くっ!」と、なにも言い返せない、プルン。
どうやら、雲行きが怪しい模様。
「しかし、私も鬼ではない。マッシュが、無条件で我らに吸収されるので、あれば歓迎しますぞ。しかし!もし、従うつもりがないのであれば、どうだろう?剣士を一人ずつ戦わせて、決めるというのは?」
「な、なに?それならば、望みもあるやもしれん。」
「決まりですな王子。では、我らは、このバーキルがお相手を務めます。そちらは?」
「バーキル!?南連の中でも五本の指に入る男ではないか!……だ、駄目かもしれん。我が国にバーキルと互角に戦える者など、いない。」
「では不戦勝でよろしいか?プルン王子さま?」
「くそ!……親父、すまない。」
「さぞや国王様も天国で、お喜びになっておられるでしょう。ばか息子に国を潰されるより、コルテに支配してもらった方が安泰だ、とね。」
「おのれ、貴様!親父は、まだ生きておる!」
ふと人の気配を感じ、振り向いた。
すると、そこには沢山のキノコ……いや、街の人々が鍬や鋤を持って並んでいた。
「プルン王子、情けない顔するんじゃないよ。」
「そうだ!俺らがついてる!」
「あんたが戦え、というならコルテだろうがレガリアだろうが、俺たちはやるぜ!」
「み、みんな……そうだな。この歴史あるマッシュを、お前らにくれてやるわけにはいかん。その勝負、俺がやる!」
「ほう。バーキル相手に勝てますかな?」
プルンの足は震えていた。
「好かれているな。善い王になる器だ。それに、こういう男は、嫌いじゃない。」
私はプルンを押し退け、前に出た。
「ん?なんだ、やはり王子は怖じけづいたか。そっちの兄さんがやるのか?まあ、どちらでも構わんがな。おい、バーキル!」
バーキルは大剣を持ち、重鎧に身を包んでいた。
「お、おい。あんた、本気なのか?あいつは、凄腕の剣士だぞ。余所者のあんたが、どうして?」
私はカップを手に取り、プルンに見せた。
「まさか、お茶のお礼とでも?やめとけ、死ぬぞ!」
私には、そのお茶一杯でも、嬉しかった。
「さあ、始めるぞ!いけバーキルよ!」
バーキルは重い鎧を着けたままだが、素早い動きを見せた。
私は、まだ剣すら抜いていない。
二人の間合いは、一気に詰まった。
「鎧粉砕アーマーデモーリッシュ」
私の剣技がバーキルより先に炸裂した。
ガギン!と、鈍い音が鳴り響く。
気づけばバーキルの纏った鎧は、打ち壊されていた。
「なに!」と、その場にいた、全員が声を上げた。
「なにをやっている、バーキル!立て!立って戦え!」
ベンザの声に、バーキルは、
「こ、これ以上は無理でございます。やれば私は殺されてしまいます。」と、半泣き状態で、あった。
「くそ!覚えておけ。貴様も貴様も貴様らも!」
ベンザは捨て台詞を吐いて、その場を逃げ出した。
こうしてキノコの王国……いや、マッシュは平和を取り戻した。
プルン王子が国民たちから、説教を受けている間に私は、
「こうしては、おれん。コルテへ急がねば。」と、その場を、そっと離れた。
山間に沈み始めた太陽は、その輪郭を、はっきりと見せていた。
「なぜ昼間は直視できないのに、夕陽はこうも鮮やかに、見れるのだろうか?」と、疑問を抱きながら歩いた。
「もう、無茶しやがって。」
「そうだよ。王子は弱いんだから……あれ?あの人は?」
「あっ!あそこだ。」
「いつの間に、あんな所まで。」
私の後ろ姿に気づいた王子と人々は、私に叫んだ。
「おーい!あんた、また遊びに来てくれよ!絶対だぞ!――ありがとう。」
私は振り向かずに、右手を高く挙げて応えたのであった。
ちなみに、この地域では、「南連なんれん」と、いう略語で呼ぶのが、一般的であるらしい。
ここ南連は、小国が八ヶ国、集まって成り立つ連合国である。
この連合国の主な目的は防衛であるが、近頃は経済の面でも助け合い、その絆は一層深まっているのだという。
今回、私が向かうのは、その八ヶ国の一つ、コルテという国だ。
この国は、住みたい国ランキングで八ヶ国中、毎年上位に名を連ねている。
治安がよく、人々が親切な、お国柄である。
実をいうと私も昔、コルテに住んでいたことがある。
私にとって思い出の地でもあるのだ。
そんな私は、ある街に立ち寄った。
「おかしいな?もうコルテに入っても良さそうなものだが……というより、此処はどこ?」
私が現在居る、この小規模な街には、全く見たこともなければ、心当たりもない。
道行く人はまばらで、どこか寂れた雰囲気があった。
特に特徴のない街……いや!特徴は、ある。
さっきから、すれ違う人々が、何やら物珍しそうに私を見ていた。
何故か?
私が他所から来たことが、わかるのだろうか?
すると、私に一人の少年が近寄ってきた。
「おい、お前。余所者だな。何をしにきた、このマッシュに。」
突然、喧嘩を売られているような気がして、腹が立った。
「このガキめ!」と、私は低級魔法を唱えそうになったが、
「いかん。相手は子供ではないか。」と、なんとか堪えた。
「大人の余裕を持たねばな。しかし、ここはマッシュという所なのか……聞いたことがないな。」
恐らくは地図にも載っていない、土地だ。
そしてようやく、この時に私は、気づいた。
この何ともいえない、違和感。
――この街の人間は大人から子供、果ては老人までもが、
「キノコ頭……いや、マッシュルームヘアー」なのだ!
道理で私が余所者だと、ばれるわけだ。
「しかし、この街はいったい?」
私が頭を悩ませていると、先ほどの子供が、
「うわっ!プルンだ!やーい金色キノコ。」と、騒ぎだした。
見てみると、本当に金色のキノコ――金髪のマッシュルームヘアーが、あちらから歩いてくる。
その顔は、どこからどう見ても、怒っている様子だ。
「おのれ、ガキんちょ!俺は、この国の王子だぞ!」
「こっこまで、おいで!」と、子供は挑発を繰り返す。
「よし!そこで待ってろ。今、行くから――。」
プルンと呼ばれる金色のキノコは、躓いて、こけた。
子供は、その姿に大爆笑して、走り去った。
「いったい、なんなのだ。」と、私は倒れたプルンに手を差し伸べた。
「す、すまんな。――お前、余所者だな。」
私は一言、こう言いたい、「面倒くさい」と。
その後、私とプルンは近くのオープンテラスで優雅に、午後のお茶会を、楽しんだ。
プルンに聞いた話しでは、このマッシュという街は、一つの国であるということらしい。
そして、このマッシュも南連の一つである、という。
「八ヶ国ではなく、九ヶ国だったのか!」と、私は驚いたが、
「まあ、どうでもよいが。」と、思った。
それで、このプルンは、この国の王子で、あるらしい。
それには、さすがに私も疑いの目で、プルンを見た。
「いやいや。マジだって!な、なんだよ、疑惑の目は?」
……怪しい。
しかし、街の人間からは愛されているらしく、
「よう、王子。フラフラしてんじゃねえよ。働け。」
「これは、プルン王子。散歩ですかな?」
「おや、プルン様。ちょっと寄っていきなされ、お茶でも飲んでいきんさい。」
街の人々は、気安く声をかけていた。
「やはり……怪しい。」
私の疑念が、プルンに伝わったのか、
「ほ、ほんとうだって。俺、王子。分かる?俺、王子。」
私たちは、お茶会を終えて、別れようとしていた。
「まあ、なんもないとこだけど。ゆっくりしていきな。えっと……名前――。」
その時で、あった。
「いやあ、これはプルン王子様では、ございませんか。」
そこには十人ほどの男達がいた。
その先頭の中年の男は、馬に跨がっている。
ずいぶんと、太っているので馬が苦しそうにみえた。
「コルテのベンザ殿か。軍勢を率いて我が国を攻め落とす気か?」
「いや、軍勢って、十人しかおらんだろ。」と、私は突っ込みたかった。
「ガハハハ!いくら弱小国とはいはえ、さすがに十人では無理ですぞ、王子。」
「で、では一体、何の用だ?」
「うーん、でもあながち間違いでもないかもしれませんな。今日は提案に参ったのです。」
「提案?コルテに吸収されろ、というこの間の提案か?まったく馬鹿らしい。」
「しかし王子。我らが本気で攻めこめば、この国は半日ともちませんぞ。だったら我らと合併したほうが、そちらにとって良い話ではありませんかな?」
「白々しい。お前らの目的は、マッシュの金山だろうが。それに南連加盟国、同士の戦は固く禁じられておるだろうが。」
「たしかに。ですが、南連は八ヶ国によるもの――というのが世間一般の常識ですぞ。今更、この超小国マッシュが、我がコルテに吸収されたからといって、誰も文句は言わんだろう。それにマッシュと領土が接しているのは、コルテだけですからな。ここは、もはや忘却の国ですぞ、プルン王子。」
「くっ!」と、なにも言い返せない、プルン。
どうやら、雲行きが怪しい模様。
「しかし、私も鬼ではない。マッシュが、無条件で我らに吸収されるので、あれば歓迎しますぞ。しかし!もし、従うつもりがないのであれば、どうだろう?剣士を一人ずつ戦わせて、決めるというのは?」
「な、なに?それならば、望みもあるやもしれん。」
「決まりですな王子。では、我らは、このバーキルがお相手を務めます。そちらは?」
「バーキル!?南連の中でも五本の指に入る男ではないか!……だ、駄目かもしれん。我が国にバーキルと互角に戦える者など、いない。」
「では不戦勝でよろしいか?プルン王子さま?」
「くそ!……親父、すまない。」
「さぞや国王様も天国で、お喜びになっておられるでしょう。ばか息子に国を潰されるより、コルテに支配してもらった方が安泰だ、とね。」
「おのれ、貴様!親父は、まだ生きておる!」
ふと人の気配を感じ、振り向いた。
すると、そこには沢山のキノコ……いや、街の人々が鍬や鋤を持って並んでいた。
「プルン王子、情けない顔するんじゃないよ。」
「そうだ!俺らがついてる!」
「あんたが戦え、というならコルテだろうがレガリアだろうが、俺たちはやるぜ!」
「み、みんな……そうだな。この歴史あるマッシュを、お前らにくれてやるわけにはいかん。その勝負、俺がやる!」
「ほう。バーキル相手に勝てますかな?」
プルンの足は震えていた。
「好かれているな。善い王になる器だ。それに、こういう男は、嫌いじゃない。」
私はプルンを押し退け、前に出た。
「ん?なんだ、やはり王子は怖じけづいたか。そっちの兄さんがやるのか?まあ、どちらでも構わんがな。おい、バーキル!」
バーキルは大剣を持ち、重鎧に身を包んでいた。
「お、おい。あんた、本気なのか?あいつは、凄腕の剣士だぞ。余所者のあんたが、どうして?」
私はカップを手に取り、プルンに見せた。
「まさか、お茶のお礼とでも?やめとけ、死ぬぞ!」
私には、そのお茶一杯でも、嬉しかった。
「さあ、始めるぞ!いけバーキルよ!」
バーキルは重い鎧を着けたままだが、素早い動きを見せた。
私は、まだ剣すら抜いていない。
二人の間合いは、一気に詰まった。
「鎧粉砕アーマーデモーリッシュ」
私の剣技がバーキルより先に炸裂した。
ガギン!と、鈍い音が鳴り響く。
気づけばバーキルの纏った鎧は、打ち壊されていた。
「なに!」と、その場にいた、全員が声を上げた。
「なにをやっている、バーキル!立て!立って戦え!」
ベンザの声に、バーキルは、
「こ、これ以上は無理でございます。やれば私は殺されてしまいます。」と、半泣き状態で、あった。
「くそ!覚えておけ。貴様も貴様も貴様らも!」
ベンザは捨て台詞を吐いて、その場を逃げ出した。
こうしてキノコの王国……いや、マッシュは平和を取り戻した。
プルン王子が国民たちから、説教を受けている間に私は、
「こうしては、おれん。コルテへ急がねば。」と、その場を、そっと離れた。
山間に沈み始めた太陽は、その輪郭を、はっきりと見せていた。
「なぜ昼間は直視できないのに、夕陽はこうも鮮やかに、見れるのだろうか?」と、疑問を抱きながら歩いた。
「もう、無茶しやがって。」
「そうだよ。王子は弱いんだから……あれ?あの人は?」
「あっ!あそこだ。」
「いつの間に、あんな所まで。」
私の後ろ姿に気づいた王子と人々は、私に叫んだ。
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