受験期だけどお姉ちゃんが気になる。

はじまり

「よっ！」

後ろから元気な声が聞こえてきた。

「おはよ、竹井。」

竹井。竹井恭介きょうすけは俺の小学校の時からの友達で、数少ない友達だ。

「月曜日から学校なんてだりーな。」

「月曜日だから学校なんだろ。」

「そうだった笑」

そんなマヌケな会話に親しみを覚えている。俺の学校生活はそこそこ楽しい。友達もちょっといて、部活もやって、恋愛はまだ分からないけど、俺はこの生活に満足していた。




母　「実は私たち、仕事で海外に行くことになったの。」

父　「そこでだ。彩ももうこの春から高校生なったんだ。二人暮しをしてもらうことにした。」

「え。」

俺は驚いた。

「最初は私もびっくりしたけどそうするしかないみたいだから。」

姉は澄ました顔をしてそう言った。

「だからって～」

「仕方ないことなんだ。功貴と彩には迷惑かけると思うがどうか本当によろしく頼む。」

そう父に頭を下げられ、吉田功貴こうきこと俺はしぶしぶ了解した。

俺はそれから二人暮しを始めることになった。それまで以外と好きだった生活ももう終わってしまうかもしれない。そんなことは嫌だ。

「これからもまたよろしくね。てか、親がいなくなるからって変なことしないでよね！」

「しねえよ。誰が実の姉に変なことするんだよ。」

「こんな美人で可愛いお姉さんがいるのに？」

「自分で言うなよお姉ちゃん……」