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第2章・第3騎士団と魔道師団
22,正式決闘
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雷なら地面に流せればいいけど、必ず電流の攻撃を受ける。
回避仕切る事は無理がある。
「羽衣の守り」
白く花の模様がある防御結界で、自分の身を守る。
見事、アビトさんの攻撃を防いだ。やばかった……。
土属性を持っていなかったら、確実に終わってたな。
何故、雷の攻撃が効かなかったかと、聞かれたら化学である。
電気を通さない性質……。ゴムやガラスなどを、絶縁体に分類されている。
絶縁体は、電子が束縛されて自由電子が殆どない状態を言う。
余程、高い電圧を印加しなければ、自由電子は発生しない。
その為にはゴム性やガラス性を、使用した魔法でないとだめだ。
つまり、ガラス性に近づけられる土属性を持っていて良かったと言う訳だ。
「……驚いた。君なら、もう1つの魔法を使っても良さそうだ。」
えっ?まだ、使えるの?今より凄い攻撃があるの?
まさか、私死ぬとかないよね……。アビトさんって、手加減知らないの!?
この時、レイラは知らない。周りの人間達は、アビトの言葉に危機感を抱いていない事に。
先程、レイラが無表情で防いだ瞬間は、全くの余裕がある様に見られていた事に……。
知らぬは本人だけである。だが、そんな事を知らないレイラは焦っていた。
「俺の名は、アビト・ソードリオ。」
あの人、騎士の正式決闘言っちゃったよ。
騎士の正式決闘ーー 試合や勝負の場で、自分の名を告げる事。
この行為は、自分がライバルと認めた者や、敬意を表する時にするもの。
この場でそれ言ったら、前者だと思うよね。目立っちゃったよ!
絶対明日から、女性達の嫌がらせが待ってるよ。
「私の名は、レイラ・エバーガーデンと申します。」
終わったー。名乗らなかったらいいと思うでしょ?
でも、名乗らなかったら名乗らなかったで、失礼な行為になる。
だってさ、ライバルではないと言っている様なものだしね。
最後の足掻きとして、名乗る声は小さくしたよ。相手に聞こえたらいいよね。
私は、深呼吸する。剣を肩の位置まで上げて、身体を剣の方へ向ける。
左手に剣の柄を持ち、右手の掌で柄頭を支えて真っ直ぐ見る。
向こうも構えた。魔力を高め、剣に込める。精密に素早く。
「炎帝の獅子」
炎が獅子の形に変化する。
風属性と土属性のどちらも相性が悪い。でも、やるしかない。
「月光の風鳥」
剣を纏う白い風は、鳥の形に変化する。
風を極限まで冷やす。本来、風魔法が火魔法に不利と言われるのは、酸素の問題だ。
火は酸素があると強くなる。風は火を助け、火を強化する。
だからこそ、風を冷やし結界魔法で留める魔法だ。
炎の獅子と白き風鳥がぶつかり合う。炎の獅子が今の所おしている。
風鳥は空へ飛ぶ。炎の獅子も一緒に。そう、私は魔法でアビトさんの攻撃を逸らした。
流石にやばい……魔力消費が。私とアビトさんはまだ戦える。
衝突し合う剣の攻防。どちらが先に限界を迎えるかだ。
強い一撃、避けきれない。私は突きの構えから、身体強化で4回の連撃をぶつける。
一気に距離を取るが、相手は付いてくる。身体を捻り、剣を避ける。
着地の瞬間、足が滑り上体を崩した私。その隙を相手が見過ごす筈がなく……。
剣を弾き飛ばされ、剣を向けられた。
「勝者アビト・ソードリオ!」
会場が大きな歓声を上げた。めちゃくちゃ疲れた……。
「ありがとうございました。」
さて、負けた私はさっさと退散しますか。
挨拶はしたし、義理は果たしたよね。怒られる事はないよね。
順位結果は、6位まで発表される。
1位 魔導師団 ルイ・エルネスティー
2位 第1騎士団 アビト・ソードリオ
3位 第2騎士団 アレン・ディンフォード
4位 第2騎士団 レイラ・エバーガーデン
5位 第1騎士団 ガノス・フルーベル
6位 第3騎士団 クリス・ルードルフ
もう身体はボロボロである。ゆっくりしようにも、明日書類整理なんだよね。
「お前ら!よくやったな!」
カイト先輩が、アレンさんの背中を叩く。
「そうだね。アビト君をあそこまで、追い詰めたのは良かったよ。」
先輩達が次から次へと褒めてくる。
「よく頑張りましたね。」
シオン団長やシン副団長にも、お褒めの言葉を貰えたが、休暇が欲しい。
休息は必要だと思う。翌朝、私は筋肉痛と疲労により、書類整理はキツかった。
大会から数日が経ち、平和な書類整理の日々が続いた。
こんな平穏な時間が、続けばいいと思う時こそ壊される。
事件は2つ起きた。1つは父からの手紙である。これは、大会の次の日に届いた。
最初は体調を気遣う言葉、続いては試合を褒める言葉である。
そして、本題はここからである。長文な為、一部抜粋するとこうである。
[ウルベール伯爵家とセレオレイン侯爵家から、婚約者候補の手紙が送られて来た。
内容から、婚約者の選択はレイラが決めて欲しいそうだ。]
婚約者候補の手紙が届いたの文は、絶望感を感じたが、こちらが決めて欲しい。
その言葉で不安は吹き飛んだ。私は子爵家の娘だから、上位貴族には逆らえない。
とは言え、この手紙はナイトスティア祭の1日目の日に届いたそうだ。
つまり、早馬で届けたも同じ事である。父は気を遣って、手紙を送るのを遅めたみたい。
家では悲鳴を上げただろうな。返事を書かなくてはならないし、憂鬱である。
そして、もう1つが第2・第3騎士団と魔導師団の合同魔物討伐である。
同盟の隣国に魔物が多く出現し、増援要請があった為である。
魔物の活動が、徐々に増え続けている。天変地異の前触れではないか。
そう周りは噂している程だ。現在は移動中である。
新人の私は、他の人達と一緒に留守番が良かったな。
そんな事を思いながら、荷馬車に揺られ外を見る。
前線メンバーは皆馬で先に向かった。私とアレンさんとセレス君は物資の援護。
到着したら、前線メンバーと合流する手筈となっている。
物資援護は、ライクス隊長が指揮を取っている。今の所、順調だ。
魔物もここまでは来ていない。しばらくして、到着した。
思ったより怪我人が多いのか、慌しく動き回る人が多い。
「怪我人の手当てが追いつかねぇ。まだ、治療部隊は到着しねぇのか!」
「はい。治療に必要な器具や包帯、薬もありますから……。」
あの人は誰だろう。水色の髪に、桃色の瞳をした白衣を着た美形だ。
「アーサー・ルアイナースか。」
「ライクス隊長のお知り合いですか?」
「違う、医師やってる人。すっごい天才って噂だな。」
「到着していましたか。ご苦労様です。」
シオン団長達だ。
「怪我人が多く、治療が廻りきらなくて騎士が治療している状況だ。」
「出来るんですか?」
「無理に決まってるだろ。」
「医師に判断を仰いでやってるから、効率が悪いんです。」
「判断に追われているって事だな。」
「医師と回復係が足りてないんだ。」
「おい、あんたらの中で回復魔法と、医学に詳しい奴はいないか?」
先程のアーサー先生だ。問われた言葉に、周りは私を見る。
「あんたが回復魔法を使えるのか?」
アーサー先生が聞いて来た。
しかし、アーサー先生の問いに、答えたのは私ではなく何故かシオン団長だった。
「彼女は回復魔法も使えますが、医学にも詳しいですよ。」
「本当か!?助かる。悪いが人手不足なんだ。借りてくぞ!」
「どうぞ。」
「存分に使って下さい。」
何で貴方達が答えるのだろう。私は引きずられて行った。
回避仕切る事は無理がある。
「羽衣の守り」
白く花の模様がある防御結界で、自分の身を守る。
見事、アビトさんの攻撃を防いだ。やばかった……。
土属性を持っていなかったら、確実に終わってたな。
何故、雷の攻撃が効かなかったかと、聞かれたら化学である。
電気を通さない性質……。ゴムやガラスなどを、絶縁体に分類されている。
絶縁体は、電子が束縛されて自由電子が殆どない状態を言う。
余程、高い電圧を印加しなければ、自由電子は発生しない。
その為にはゴム性やガラス性を、使用した魔法でないとだめだ。
つまり、ガラス性に近づけられる土属性を持っていて良かったと言う訳だ。
「……驚いた。君なら、もう1つの魔法を使っても良さそうだ。」
えっ?まだ、使えるの?今より凄い攻撃があるの?
まさか、私死ぬとかないよね……。アビトさんって、手加減知らないの!?
この時、レイラは知らない。周りの人間達は、アビトの言葉に危機感を抱いていない事に。
先程、レイラが無表情で防いだ瞬間は、全くの余裕がある様に見られていた事に……。
知らぬは本人だけである。だが、そんな事を知らないレイラは焦っていた。
「俺の名は、アビト・ソードリオ。」
あの人、騎士の正式決闘言っちゃったよ。
騎士の正式決闘ーー 試合や勝負の場で、自分の名を告げる事。
この行為は、自分がライバルと認めた者や、敬意を表する時にするもの。
この場でそれ言ったら、前者だと思うよね。目立っちゃったよ!
絶対明日から、女性達の嫌がらせが待ってるよ。
「私の名は、レイラ・エバーガーデンと申します。」
終わったー。名乗らなかったらいいと思うでしょ?
でも、名乗らなかったら名乗らなかったで、失礼な行為になる。
だってさ、ライバルではないと言っている様なものだしね。
最後の足掻きとして、名乗る声は小さくしたよ。相手に聞こえたらいいよね。
私は、深呼吸する。剣を肩の位置まで上げて、身体を剣の方へ向ける。
左手に剣の柄を持ち、右手の掌で柄頭を支えて真っ直ぐ見る。
向こうも構えた。魔力を高め、剣に込める。精密に素早く。
「炎帝の獅子」
炎が獅子の形に変化する。
風属性と土属性のどちらも相性が悪い。でも、やるしかない。
「月光の風鳥」
剣を纏う白い風は、鳥の形に変化する。
風を極限まで冷やす。本来、風魔法が火魔法に不利と言われるのは、酸素の問題だ。
火は酸素があると強くなる。風は火を助け、火を強化する。
だからこそ、風を冷やし結界魔法で留める魔法だ。
炎の獅子と白き風鳥がぶつかり合う。炎の獅子が今の所おしている。
風鳥は空へ飛ぶ。炎の獅子も一緒に。そう、私は魔法でアビトさんの攻撃を逸らした。
流石にやばい……魔力消費が。私とアビトさんはまだ戦える。
衝突し合う剣の攻防。どちらが先に限界を迎えるかだ。
強い一撃、避けきれない。私は突きの構えから、身体強化で4回の連撃をぶつける。
一気に距離を取るが、相手は付いてくる。身体を捻り、剣を避ける。
着地の瞬間、足が滑り上体を崩した私。その隙を相手が見過ごす筈がなく……。
剣を弾き飛ばされ、剣を向けられた。
「勝者アビト・ソードリオ!」
会場が大きな歓声を上げた。めちゃくちゃ疲れた……。
「ありがとうございました。」
さて、負けた私はさっさと退散しますか。
挨拶はしたし、義理は果たしたよね。怒られる事はないよね。
順位結果は、6位まで発表される。
1位 魔導師団 ルイ・エルネスティー
2位 第1騎士団 アビト・ソードリオ
3位 第2騎士団 アレン・ディンフォード
4位 第2騎士団 レイラ・エバーガーデン
5位 第1騎士団 ガノス・フルーベル
6位 第3騎士団 クリス・ルードルフ
もう身体はボロボロである。ゆっくりしようにも、明日書類整理なんだよね。
「お前ら!よくやったな!」
カイト先輩が、アレンさんの背中を叩く。
「そうだね。アビト君をあそこまで、追い詰めたのは良かったよ。」
先輩達が次から次へと褒めてくる。
「よく頑張りましたね。」
シオン団長やシン副団長にも、お褒めの言葉を貰えたが、休暇が欲しい。
休息は必要だと思う。翌朝、私は筋肉痛と疲労により、書類整理はキツかった。
大会から数日が経ち、平和な書類整理の日々が続いた。
こんな平穏な時間が、続けばいいと思う時こそ壊される。
事件は2つ起きた。1つは父からの手紙である。これは、大会の次の日に届いた。
最初は体調を気遣う言葉、続いては試合を褒める言葉である。
そして、本題はここからである。長文な為、一部抜粋するとこうである。
[ウルベール伯爵家とセレオレイン侯爵家から、婚約者候補の手紙が送られて来た。
内容から、婚約者の選択はレイラが決めて欲しいそうだ。]
婚約者候補の手紙が届いたの文は、絶望感を感じたが、こちらが決めて欲しい。
その言葉で不安は吹き飛んだ。私は子爵家の娘だから、上位貴族には逆らえない。
とは言え、この手紙はナイトスティア祭の1日目の日に届いたそうだ。
つまり、早馬で届けたも同じ事である。父は気を遣って、手紙を送るのを遅めたみたい。
家では悲鳴を上げただろうな。返事を書かなくてはならないし、憂鬱である。
そして、もう1つが第2・第3騎士団と魔導師団の合同魔物討伐である。
同盟の隣国に魔物が多く出現し、増援要請があった為である。
魔物の活動が、徐々に増え続けている。天変地異の前触れではないか。
そう周りは噂している程だ。現在は移動中である。
新人の私は、他の人達と一緒に留守番が良かったな。
そんな事を思いながら、荷馬車に揺られ外を見る。
前線メンバーは皆馬で先に向かった。私とアレンさんとセレス君は物資の援護。
到着したら、前線メンバーと合流する手筈となっている。
物資援護は、ライクス隊長が指揮を取っている。今の所、順調だ。
魔物もここまでは来ていない。しばらくして、到着した。
思ったより怪我人が多いのか、慌しく動き回る人が多い。
「怪我人の手当てが追いつかねぇ。まだ、治療部隊は到着しねぇのか!」
「はい。治療に必要な器具や包帯、薬もありますから……。」
あの人は誰だろう。水色の髪に、桃色の瞳をした白衣を着た美形だ。
「アーサー・ルアイナースか。」
「ライクス隊長のお知り合いですか?」
「違う、医師やってる人。すっごい天才って噂だな。」
「到着していましたか。ご苦労様です。」
シオン団長達だ。
「怪我人が多く、治療が廻りきらなくて騎士が治療している状況だ。」
「出来るんですか?」
「無理に決まってるだろ。」
「医師に判断を仰いでやってるから、効率が悪いんです。」
「判断に追われているって事だな。」
「医師と回復係が足りてないんだ。」
「おい、あんたらの中で回復魔法と、医学に詳しい奴はいないか?」
先程のアーサー先生だ。問われた言葉に、周りは私を見る。
「あんたが回復魔法を使えるのか?」
アーサー先生が聞いて来た。
しかし、アーサー先生の問いに、答えたのは私ではなく何故かシオン団長だった。
「彼女は回復魔法も使えますが、医学にも詳しいですよ。」
「本当か!?助かる。悪いが人手不足なんだ。借りてくぞ!」
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