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第3章・レイフィス獣王国
41,悪の種とは?
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シオン団長の命令で、納得してないものの新たな任務を任された。
私はルネス団長に連れられて、一度、本国へと帰還した。
本国の王宮の書庫室に来ていた。どこもかしこも本だらけである。
ルネス団長は迷いなく奥へ進む。私も勿論、ついて行く。
出入口から手前の本達は、様々な色の本があった。
しかし、奥には焦茶色や深緑色などの分厚い本が沢山並んでいる場所だ。
驚くべきは、本の分厚さであろう。辞書よりも分厚いね。
本のタイトルは全て、見た事のない文字ばかりだ。
我が国の古い文字なのか、他国の文字なのか分からない。
だが、転生者だからなのか、問題なく読めるのはどう言う原理なのだろう。
「ルネス君、遅かったですね。」
「嫌味かな?」
奥には机の上に、大量の本を積み上げられていた。
椅子に座り、本を読んでいる男性。紙に文字を書いている。
恐らく、訳しているのだろう事が伺える。解読してるのか……。
ルネス団長に話しかけて来た男性は、黄緑色の瞳に薄茶色の髪をした美形さん。
メガネがとても似合っている。しかし、シオン団長と同類な気が……。
「そちらの方が、私達と共に調査に参加するレイラさんですね。」
「そう僕の……。」
「レイラと申します。」
ルネス団長の言葉を遮り、名を名乗り騎士の礼をとる。
「これはご丁寧に。僕はアトラ・ヒューバスと言います。では、説明をしますね。」
ルネス団長の事は、完全に無視である。それでもめげない鋼の心。
笑顔で、アトラさんの説明を聞いているルネス団長。
アトラさんの説明は、古い書物の古代文字解読であった。
古い書物には、昔の事が書き記されているが、ほぼ神話とされている。
その中でも、最悪の闇については詳しい書物は分からないそうだ。
なので、1つ1つ解読し、見つけなければならないらしい。
何故、古文書解読に私が呼ばれたのか。一体、シオン団長は何が目的なのか。
分かりたくもないし、考えたくもない。考え答えを導き出したら最後、後悔する。
それに、この文字であれば問題なく読めるのだ。理由は分からないが。
解読しているふりをして、素早く終わらせるか。そうしよう。
ルネス団長とアトラさんは、1文字ずつ調べなくても、時間は少しかかるが読めるそう。
イケメンで頭脳明晰優秀何て、同じ人として理不尽さを感じるね。
これだけ優秀だと、人生大変なんだろうな。まあ、私には関係ない話だけど。
レイラは気づいていない。自分もその部類に入っているなど……。
私達は、昼まで古文書解読をしたのである。そして、ついに見つけた。
積み上げられた本の中の、一番下にあったのだ。不運だと思う。
一番下になかったら、全ての本を解読せずに済んだのだから……。
「ありましたね。」
古い古文書には絵も描かれている。
[一説の書にはこうある。
地の母たる大樹、心に宿し闇にて悪を落とす。
混乱にて黒い霧が現れ、悪の種が出現せん。
悪の種が現れし時、大樹から生まれた悪も出現せん。
悪しき者が現れし時、人々が祈りて渡人が出現せん。
祈り尊ぶ者導き、闇に包まれた大地に光を落とす。]
これが書物に書かれて、解読できた所だ。詳しい事は分からない。
何故、と聞かれたら、虫に食われた後や紙が古くて読みにくかったり。
そうした理由で、途中しか解読出来ていないのである。
ただ、私の前に現れた男は、悪の種と言っていた。
この書物通りなら、黒い霧が現れた後に、あの悪の種が出現したと言う事だ。
なら、黒い霧とはなんだろう。人類は、見過ごしてはならない者を見過ごしている?
いや、師匠が何か言っていたな。私の前から姿を消す前の事だ。
黒い霧が出始めたか、そろそろ動かないと。そう言っていた気がする。
じゃあ、私から姿を消したのは、これと何か関係があるの?
確か、師匠の家には、時期が来るまで入ってはいけないと言われた部屋があった。
魔法結界で守られていたので、私も入る事が出来なかった場所だ。
もう一度、調べた方がいいかもしれない。私は何か重大な事を見落としているかもだし。
次の休みに調べてみるか……。
「少し、待っていて下さい。」
そう言って、アトラさんが出て行った。私は必要ない本を片付けて行く。
ルネス団長も手伝ってくれる。
「レイラさん。」
真剣な声に呼び止められ振り向く。
「何ですか?」
ルネス団長は私に近づき、私の右手を掴み手の甲にキスをする。
「貴女を僕は、本気で口説かせて頂きますね。」
などと、宣言して来たではないか。第1ここをどこだと思っているのか。
ここは公共の場であり、人がいなくても言っていい事では断じてない。
「ルネス団長、今は仕事中ですよ。仕事中に口説こうとするのは、不謹慎だと思います。」
「なら、休日に会って下さいますか?」
「謹んでお断りします。」
私はルネス団長の手を解き、本の片付けに戻る。遊びに付き合う程、暇ではない。
「中々僕の気持ちが、伝わりませんね。どうしたら、分かってくれるんですかね。」
などと、背後で何やら言っているが無視である。人には知らない方がいい事は沢山ある。
届かない本棚に本を仕舞おうとするも、届かないので踏み台に乗る。
これで届く、そう思ったその時である。
「危ない!」
私の身体が大きく傾いた。私は本を抱えたままだ。
魔法も間に合わないので、せめて受け身を取ろう。
そう思って、身体を大きく逸らす。この時、ルネス団長が受け止めようと動いていた。
しかし、レイラが身体を逸らし、受け身を取ろうとした事により、ルネス団長にぶつがる。
ルネス団長は、レイラが怪我をしない様に、頭に右手を回し左手で腕を掴む。
自分の方へ引き寄せ、右足に重心を向け衝撃を減らす。
私は何が起こったのか、分からぬまま地面に倒れている。
衝撃は全くなかった。言い換えれば、寝転んでいる状態なのだ。
恐らく、ルネス団長が怪我をしない様に、配慮してくれたのだろう。
「危なかったですね。気をつけて下さい。」
甘い微笑みを向けて来る。
ここで頬を染めるのが、乙女なのだろう。私は表情筋が死んだ様に動かない。
「助けて頂き、ありがとうございます。……離れてくれませんか?」
「お断りします。ここまで、意識されていないのは悲しいですね。」
「遅くなって、すいませ……。」
運悪くアトラさんが来た。
こんな漫画の様な展開が本当にあるとはね。
「……何してるんですか?」
「口説いてるんだよ。」
「事故です。」
私達は、アトラさんに詳しい説明をしたのだった。
アトラさんは、私が押し倒されただ事ではないと思ったらしい。
まあ、状況から見れば押し倒されている様に見えるよね。
踏み台は壊れかけていて、修理に出そうとしていた物らしい。
アトラさんは、私の説明に納得してくれたのであった。
私はルネス団長に連れられて、一度、本国へと帰還した。
本国の王宮の書庫室に来ていた。どこもかしこも本だらけである。
ルネス団長は迷いなく奥へ進む。私も勿論、ついて行く。
出入口から手前の本達は、様々な色の本があった。
しかし、奥には焦茶色や深緑色などの分厚い本が沢山並んでいる場所だ。
驚くべきは、本の分厚さであろう。辞書よりも分厚いね。
本のタイトルは全て、見た事のない文字ばかりだ。
我が国の古い文字なのか、他国の文字なのか分からない。
だが、転生者だからなのか、問題なく読めるのはどう言う原理なのだろう。
「ルネス君、遅かったですね。」
「嫌味かな?」
奥には机の上に、大量の本を積み上げられていた。
椅子に座り、本を読んでいる男性。紙に文字を書いている。
恐らく、訳しているのだろう事が伺える。解読してるのか……。
ルネス団長に話しかけて来た男性は、黄緑色の瞳に薄茶色の髪をした美形さん。
メガネがとても似合っている。しかし、シオン団長と同類な気が……。
「そちらの方が、私達と共に調査に参加するレイラさんですね。」
「そう僕の……。」
「レイラと申します。」
ルネス団長の言葉を遮り、名を名乗り騎士の礼をとる。
「これはご丁寧に。僕はアトラ・ヒューバスと言います。では、説明をしますね。」
ルネス団長の事は、完全に無視である。それでもめげない鋼の心。
笑顔で、アトラさんの説明を聞いているルネス団長。
アトラさんの説明は、古い書物の古代文字解読であった。
古い書物には、昔の事が書き記されているが、ほぼ神話とされている。
その中でも、最悪の闇については詳しい書物は分からないそうだ。
なので、1つ1つ解読し、見つけなければならないらしい。
何故、古文書解読に私が呼ばれたのか。一体、シオン団長は何が目的なのか。
分かりたくもないし、考えたくもない。考え答えを導き出したら最後、後悔する。
それに、この文字であれば問題なく読めるのだ。理由は分からないが。
解読しているふりをして、素早く終わらせるか。そうしよう。
ルネス団長とアトラさんは、1文字ずつ調べなくても、時間は少しかかるが読めるそう。
イケメンで頭脳明晰優秀何て、同じ人として理不尽さを感じるね。
これだけ優秀だと、人生大変なんだろうな。まあ、私には関係ない話だけど。
レイラは気づいていない。自分もその部類に入っているなど……。
私達は、昼まで古文書解読をしたのである。そして、ついに見つけた。
積み上げられた本の中の、一番下にあったのだ。不運だと思う。
一番下になかったら、全ての本を解読せずに済んだのだから……。
「ありましたね。」
古い古文書には絵も描かれている。
[一説の書にはこうある。
地の母たる大樹、心に宿し闇にて悪を落とす。
混乱にて黒い霧が現れ、悪の種が出現せん。
悪の種が現れし時、大樹から生まれた悪も出現せん。
悪しき者が現れし時、人々が祈りて渡人が出現せん。
祈り尊ぶ者導き、闇に包まれた大地に光を落とす。]
これが書物に書かれて、解読できた所だ。詳しい事は分からない。
何故、と聞かれたら、虫に食われた後や紙が古くて読みにくかったり。
そうした理由で、途中しか解読出来ていないのである。
ただ、私の前に現れた男は、悪の種と言っていた。
この書物通りなら、黒い霧が現れた後に、あの悪の種が出現したと言う事だ。
なら、黒い霧とはなんだろう。人類は、見過ごしてはならない者を見過ごしている?
いや、師匠が何か言っていたな。私の前から姿を消す前の事だ。
黒い霧が出始めたか、そろそろ動かないと。そう言っていた気がする。
じゃあ、私から姿を消したのは、これと何か関係があるの?
確か、師匠の家には、時期が来るまで入ってはいけないと言われた部屋があった。
魔法結界で守られていたので、私も入る事が出来なかった場所だ。
もう一度、調べた方がいいかもしれない。私は何か重大な事を見落としているかもだし。
次の休みに調べてみるか……。
「少し、待っていて下さい。」
そう言って、アトラさんが出て行った。私は必要ない本を片付けて行く。
ルネス団長も手伝ってくれる。
「レイラさん。」
真剣な声に呼び止められ振り向く。
「何ですか?」
ルネス団長は私に近づき、私の右手を掴み手の甲にキスをする。
「貴女を僕は、本気で口説かせて頂きますね。」
などと、宣言して来たではないか。第1ここをどこだと思っているのか。
ここは公共の場であり、人がいなくても言っていい事では断じてない。
「ルネス団長、今は仕事中ですよ。仕事中に口説こうとするのは、不謹慎だと思います。」
「なら、休日に会って下さいますか?」
「謹んでお断りします。」
私はルネス団長の手を解き、本の片付けに戻る。遊びに付き合う程、暇ではない。
「中々僕の気持ちが、伝わりませんね。どうしたら、分かってくれるんですかね。」
などと、背後で何やら言っているが無視である。人には知らない方がいい事は沢山ある。
届かない本棚に本を仕舞おうとするも、届かないので踏み台に乗る。
これで届く、そう思ったその時である。
「危ない!」
私の身体が大きく傾いた。私は本を抱えたままだ。
魔法も間に合わないので、せめて受け身を取ろう。
そう思って、身体を大きく逸らす。この時、ルネス団長が受け止めようと動いていた。
しかし、レイラが身体を逸らし、受け身を取ろうとした事により、ルネス団長にぶつがる。
ルネス団長は、レイラが怪我をしない様に、頭に右手を回し左手で腕を掴む。
自分の方へ引き寄せ、右足に重心を向け衝撃を減らす。
私は何が起こったのか、分からぬまま地面に倒れている。
衝撃は全くなかった。言い換えれば、寝転んでいる状態なのだ。
恐らく、ルネス団長が怪我をしない様に、配慮してくれたのだろう。
「危なかったですね。気をつけて下さい。」
甘い微笑みを向けて来る。
ここで頬を染めるのが、乙女なのだろう。私は表情筋が死んだ様に動かない。
「助けて頂き、ありがとうございます。……離れてくれませんか?」
「お断りします。ここまで、意識されていないのは悲しいですね。」
「遅くなって、すいませ……。」
運悪くアトラさんが来た。
こんな漫画の様な展開が本当にあるとはね。
「……何してるんですか?」
「口説いてるんだよ。」
「事故です。」
私達は、アトラさんに詳しい説明をしたのだった。
アトラさんは、私が押し倒されただ事ではないと思ったらしい。
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