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第68話 まさかの無茶振り?
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9人いたファンメンバーのうち残るは4人となったが、その4人の中にラスボス最終形態毒舌の天使メアリーがいる。ここでビビってしまったら逆襲されてしまう。迂闊な行動をしたら速攻で首を刈られることになるだろう。ここは慎重に行動する。
「メ、メアリーはどうする?」
ビクビクしながらメアリーに聞いてみた。
「べ、別に要らないわよ」
――!? ツンデレさん? デレが無いのでツンしか残っていない……
「じゃあ、要らないのね? わかったよ」
僕は手に持っていた天使の羽根と小悪魔の羽根を机の上に置いた。
ツンさんに、これ以上は込み入った話をしてはこっちが殺られてしまう未来しか見えてこない……
「はぁ!? チョ、チョットと待ってよ!」
メアリーは慌てて僕を引き止めた。
「ん!? どうしたの?」
「……………………」
メアリーからの返事は無かったのでモブ女性生徒に声を掛けた。
「エリモーブ、モブリーナ、モブランシーヌはどっちにするかな?」
「私は天使の羽根が良い!」
「私は~小悪魔の羽根かな?」
「わ、天使の羽根でいいじゃ」
エリモーブには天使の羽根を、モブリーナには小悪魔の羽根、モブランシーヌには天使の羽根を渡そうとしたが、
「あれ? 私達には直接、着けてくれないのですか?」
モブ女子三人衆のセンターを張るモブリーナが僕に嘆願してきた。
「ああ、そうだね。ごめんね。今、着けてあげるよ」
天使の羽根と小悪魔の羽根をモブ女子三人衆に着けてあげると喜んで教室を出て行った。
「……………………」
――なんか凄いなぁ。考えてみたら即行で出て行った連中の素早さは天使の羽根と小悪魔の羽根の効力なのだろうか。イメージ的には3倍の強化だと感じていたが、実際に3倍を見てみると、その素早い動きが凄すぎる……
「メアリー。この天使の羽根と小悪魔の羽根を、みんなの分を渡して置くからあとでルナールの収納魔法に入れてもらえたら良いと思うよ。でも、身体強化の付与って凄いんだね」
「そうね。折角の魔導具がもったいないわね」
メアリーは呆れながら答えた。
「そうか? 機動性とファンシーさを重視したからね」
僕はドヤ顔で答えた。
「ファンシーって何よ。どうせならジャージに付与したら良かったじゃない!」
メアリーはちょっとイラッとした表情を浮かべながら、至極真っ当な意見を言い放つ。
「まあ、お遊び感覚だったから」
「ホントに勿体無いわ。希少価値のある魔法なのに、こんなくだらない事に使うなんて」
メアリーは疲れた顔で呟いた。
「そ、それじゃ。僕は帰るからあとはよろしく」
そう言って、僕は全てのシン・ジャージと羽根シリーズを置いて逃げるように帰ってきた。
◇
「どうだったアイツの様子は?」
僕を心配したサンペータが聞いてきた。
「とりあえず、シン・ジャージを渡してきたよ。あとな天使の羽根と小悪魔の羽根も最初は怪訝そうな顔をされたけど、最終的には喜んでくれたよ」
『ふぅ~』
「そうか…… それなら良かった……」
サンペータはため息をついて
「またアイツらに無茶振りされてないか心配だったんだよな」
「ああ、最初は汚物でも見てる目で見られたけど、やっぱり最後は魔導具だよな」
「ん~。あれは勿体無い魔導具だもんな」
コイツもアイツら同様に僕の魔導具をもったいないとほざきやがった。どうして魔導具にファンシーさを求めてはいけないのか? どうして、みんな僕のセンスをわかってくれない?
◇
――ついにファンクラブの秋の陣が始まる。
早朝、早く起きた僕は身体強化の魔法を付与した自分専用のジャージを着込み出発準備をした。
王宮から集合場所である学園に向かおうとした時、アリシアが珍しく僕のあとをついてくる。
「どうしたアリシア? 何で僕についてくる?」
「私もファンクラブの会員ですので当然、今日の集いに参加します。気にしないで下さい」
他のメイド達とは別行動。一人ボッチで、僕のあとをついて来る…… さすがプロボッチ…… 何故だか目に涙が溢れる。
「そ、そうか……(グスン) 同じ方向だから一緒に行こうか?」
「いいえ、結構です。私は孤独が好きなので」
「……………………」
――コイツ…… 何も言うまい……
◇
孤独が大好きな人間アリシアと距離を取りながら学園に着いた。すでに最強防具であるシン・ジャージを纏ったルナール達が待っていた。
「おはよう」
「「「おはようございます。アレク様」」」
ファンメンバーと挨拶を交わし、僕らは参加者を待つことにした。
しばらくするとファンクラブの会員とサンペータ達が学園に集まって来た。
集合時間となり、ファンクラブ会長でもあるルナールが集いの挨拶をする。
「皆さま、おはようございます。ファンクラブ会長のルナール・ミラ・フォクストです」
『パチパチ パチパチ』
ルナールは公爵令嬢らしく、品のある挨拶だった。
「本日、アレク様のご厚意でファンイベントを開催できましたこと。心より感謝申し上げます」
――僕のご厚意かぁ。ちょっとテレてしまうなぁ~
ちょっと長いルナールの終わりを告げようとした時、
「ここでアレク様から一言いただきたいと思いますが、アレク様よろしいでしょうか? それではアレク様よろしくお願い致します」
「ハァ!?」
――打ち合わせの時、そんな話してなかったじゃないか? まさかの無茶振り?
「メ、メアリーはどうする?」
ビクビクしながらメアリーに聞いてみた。
「べ、別に要らないわよ」
――!? ツンデレさん? デレが無いのでツンしか残っていない……
「じゃあ、要らないのね? わかったよ」
僕は手に持っていた天使の羽根と小悪魔の羽根を机の上に置いた。
ツンさんに、これ以上は込み入った話をしてはこっちが殺られてしまう未来しか見えてこない……
「はぁ!? チョ、チョットと待ってよ!」
メアリーは慌てて僕を引き止めた。
「ん!? どうしたの?」
「……………………」
メアリーからの返事は無かったのでモブ女性生徒に声を掛けた。
「エリモーブ、モブリーナ、モブランシーヌはどっちにするかな?」
「私は天使の羽根が良い!」
「私は~小悪魔の羽根かな?」
「わ、天使の羽根でいいじゃ」
エリモーブには天使の羽根を、モブリーナには小悪魔の羽根、モブランシーヌには天使の羽根を渡そうとしたが、
「あれ? 私達には直接、着けてくれないのですか?」
モブ女子三人衆のセンターを張るモブリーナが僕に嘆願してきた。
「ああ、そうだね。ごめんね。今、着けてあげるよ」
天使の羽根と小悪魔の羽根をモブ女子三人衆に着けてあげると喜んで教室を出て行った。
「……………………」
――なんか凄いなぁ。考えてみたら即行で出て行った連中の素早さは天使の羽根と小悪魔の羽根の効力なのだろうか。イメージ的には3倍の強化だと感じていたが、実際に3倍を見てみると、その素早い動きが凄すぎる……
「メアリー。この天使の羽根と小悪魔の羽根を、みんなの分を渡して置くからあとでルナールの収納魔法に入れてもらえたら良いと思うよ。でも、身体強化の付与って凄いんだね」
「そうね。折角の魔導具がもったいないわね」
メアリーは呆れながら答えた。
「そうか? 機動性とファンシーさを重視したからね」
僕はドヤ顔で答えた。
「ファンシーって何よ。どうせならジャージに付与したら良かったじゃない!」
メアリーはちょっとイラッとした表情を浮かべながら、至極真っ当な意見を言い放つ。
「まあ、お遊び感覚だったから」
「ホントに勿体無いわ。希少価値のある魔法なのに、こんなくだらない事に使うなんて」
メアリーは疲れた顔で呟いた。
「そ、それじゃ。僕は帰るからあとはよろしく」
そう言って、僕は全てのシン・ジャージと羽根シリーズを置いて逃げるように帰ってきた。
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「どうだったアイツの様子は?」
僕を心配したサンペータが聞いてきた。
「とりあえず、シン・ジャージを渡してきたよ。あとな天使の羽根と小悪魔の羽根も最初は怪訝そうな顔をされたけど、最終的には喜んでくれたよ」
『ふぅ~』
「そうか…… それなら良かった……」
サンペータはため息をついて
「またアイツらに無茶振りされてないか心配だったんだよな」
「ああ、最初は汚物でも見てる目で見られたけど、やっぱり最後は魔導具だよな」
「ん~。あれは勿体無い魔導具だもんな」
コイツもアイツら同様に僕の魔導具をもったいないとほざきやがった。どうして魔導具にファンシーさを求めてはいけないのか? どうして、みんな僕のセンスをわかってくれない?
◇
――ついにファンクラブの秋の陣が始まる。
早朝、早く起きた僕は身体強化の魔法を付与した自分専用のジャージを着込み出発準備をした。
王宮から集合場所である学園に向かおうとした時、アリシアが珍しく僕のあとをついてくる。
「どうしたアリシア? 何で僕についてくる?」
「私もファンクラブの会員ですので当然、今日の集いに参加します。気にしないで下さい」
他のメイド達とは別行動。一人ボッチで、僕のあとをついて来る…… さすがプロボッチ…… 何故だか目に涙が溢れる。
「そ、そうか……(グスン) 同じ方向だから一緒に行こうか?」
「いいえ、結構です。私は孤独が好きなので」
「……………………」
――コイツ…… 何も言うまい……
◇
孤独が大好きな人間アリシアと距離を取りながら学園に着いた。すでに最強防具であるシン・ジャージを纏ったルナール達が待っていた。
「おはよう」
「「「おはようございます。アレク様」」」
ファンメンバーと挨拶を交わし、僕らは参加者を待つことにした。
しばらくするとファンクラブの会員とサンペータ達が学園に集まって来た。
集合時間となり、ファンクラブ会長でもあるルナールが集いの挨拶をする。
「皆さま、おはようございます。ファンクラブ会長のルナール・ミラ・フォクストです」
『パチパチ パチパチ』
ルナールは公爵令嬢らしく、品のある挨拶だった。
「本日、アレク様のご厚意でファンイベントを開催できましたこと。心より感謝申し上げます」
――僕のご厚意かぁ。ちょっとテレてしまうなぁ~
ちょっと長いルナールの終わりを告げようとした時、
「ここでアレク様から一言いただきたいと思いますが、アレク様よろしいでしょうか? それではアレク様よろしくお願い致します」
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