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第86話 ユーモアセンスに溢れる優しいイケメン王子
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ファンクラブの連中に釘を刺すべく、アリシアを自室に呼びつけた。
『コン コン』
「アリシアです」
ドアのノックと共にアリシアの声が聞こえた。
「アリシアかぁ、とりあえず中に入ってくれ」
部屋に入って来たアリシアはユリアラ王女から婚約破棄された男として憐れみの目で僕を見ていた。 ――解せぬ
「アリシア大事な話がある。座ってくれ」
アリシアにソファに座るように促すと、
「はい、アレク様。私に大事な話とはなんでしょうか?」
ソファに座るアリシアに近年、稀に見る真剣な顔つきで話す。
「今から話すことはファンクラブへの警告だと考えてもらってかまわない。これから僕の行動に対しての監視、盗聴、情報漏洩は禁止となる。王宮のみならず学園もこれに当てはまる。万が一、違反行為があった場合は誰であっても、スパイ行為として処分の対象となる。アリシア、僕の言っている意味はわかるかい?」
僕はアリシアが話を理解出来たか確認する為にあえて聞いてみた。そして、アリシアは僕の表情を見て、僕がどれ程真剣なのか分かったようで、アリシアにしては珍しく僕の話を素直に聞いていた。
「アレク様に関する全ての情報を外部に漏らすなと言うことですね?」
さすがアリシア! 僕の専属メイドだけあって話が早い。
「そう言うことだ。アリシアには是非やってもらいたいことがある」
「はい、なんでしょうか?」
アリシアは真剣な眼差で答えた。
「ルナール達にここ数ヵ月間、僕は学園に行けなくなるだろう。超極秘事項の為、詳しい話は出来ないがファンクラブの会員の行動と憶測での噂話は極力謹んで欲しい。でも、出来たら婚約破棄をされて自棄になって自宅警備員へ就職した。と言う噂は流してもらいたい。ただし僕の情報を集めようとするのはしないでくれ。これだけは約束して欲しいと考えている。これらに違反があれば、確実にスパイの疑いをかけられ、処分の対象になるからね。くれぐれも誰一人として、僕の情報を集めたり、接触するようなバカな真似はしないようにファンクラブの会員には徹底してもらいたい。と伝えて欲しい」
王都の中にケーリンネガー王国の間者が潜んでいる可能性も考えられる。僕のヘタレとして情報が流れるのは良いが、実際にはその通りなんだけど…… 軍事関係の情報が漏れたら戦略的に裏をかかれたり、それこそフロンガスター王国の滅亡に関わってくる。それだけは絶対に避けなければならない。
「もし、その約束にそむいた場合はどうなりますか?」
アリシアはそむいた場合の処分はどうなるのか心配らしい。
「あっ、処分ね。国家機密漏洩罪で三等親まで連帯責任でサクッと火炙りかな? ちゃんとゲンタレもかけてあげるから安心して良いよ。僕自ら真心込めて、骨が無くなるまでこんがり焼き上げてあげるから楽しみにしてね」
僕は神妙な顔から急にイケメンスマイルでにこやかに話しかける。
「――!?」
アリシアは僕のあっけらかんとした言葉に絶句していた。
――優しいイケメンはユーモアも忘れない。なぜなら、それがイケメンの嗜みだから……
「アリシア。君も国家機密漏洩罪の対象者になるから気を付けてね」
「……………………」
アリシアは無言のまま部屋を出て行った。
――ユーモア溢れる優しいイケメンは誰に対しても気遣いの心を忘れない。なぜなら、それがイケメンの嗜みだから……
「さて、ファンクラブのヤツらには情報漏洩の釘を刺したし、次は武器の開発だな。いきなり頭上に長距離弾道ミサイルをブチ込んだらどうなるかな? さすがにみんなビックリしちゃうよね。どんな顔で反応するか見てみたい気もするけど……」
僕はいつもの独り言を呟き。物騒な事を考えてみたが、火縄銃すら無い世界にいきなり現代兵器である長距離弾道ミサイルはやりすぎだと自重した。
ここでも、どうしても心の底から滲み溢れる優しさに自分は根っからの善人だということを自覚させられた。
――どこまでも善人でユーモアセンスに溢れる優しいイケメン王子! 理不尽に婚約破棄されたけど……
『コン コン』
「アリシアです」
ドアのノックと共にアリシアの声が聞こえた。
「アリシアかぁ、とりあえず中に入ってくれ」
部屋に入って来たアリシアはユリアラ王女から婚約破棄された男として憐れみの目で僕を見ていた。 ――解せぬ
「アリシア大事な話がある。座ってくれ」
アリシアにソファに座るように促すと、
「はい、アレク様。私に大事な話とはなんでしょうか?」
ソファに座るアリシアに近年、稀に見る真剣な顔つきで話す。
「今から話すことはファンクラブへの警告だと考えてもらってかまわない。これから僕の行動に対しての監視、盗聴、情報漏洩は禁止となる。王宮のみならず学園もこれに当てはまる。万が一、違反行為があった場合は誰であっても、スパイ行為として処分の対象となる。アリシア、僕の言っている意味はわかるかい?」
僕はアリシアが話を理解出来たか確認する為にあえて聞いてみた。そして、アリシアは僕の表情を見て、僕がどれ程真剣なのか分かったようで、アリシアにしては珍しく僕の話を素直に聞いていた。
「アレク様に関する全ての情報を外部に漏らすなと言うことですね?」
さすがアリシア! 僕の専属メイドだけあって話が早い。
「そう言うことだ。アリシアには是非やってもらいたいことがある」
「はい、なんでしょうか?」
アリシアは真剣な眼差で答えた。
「ルナール達にここ数ヵ月間、僕は学園に行けなくなるだろう。超極秘事項の為、詳しい話は出来ないがファンクラブの会員の行動と憶測での噂話は極力謹んで欲しい。でも、出来たら婚約破棄をされて自棄になって自宅警備員へ就職した。と言う噂は流してもらいたい。ただし僕の情報を集めようとするのはしないでくれ。これだけは約束して欲しいと考えている。これらに違反があれば、確実にスパイの疑いをかけられ、処分の対象になるからね。くれぐれも誰一人として、僕の情報を集めたり、接触するようなバカな真似はしないようにファンクラブの会員には徹底してもらいたい。と伝えて欲しい」
王都の中にケーリンネガー王国の間者が潜んでいる可能性も考えられる。僕のヘタレとして情報が流れるのは良いが、実際にはその通りなんだけど…… 軍事関係の情報が漏れたら戦略的に裏をかかれたり、それこそフロンガスター王国の滅亡に関わってくる。それだけは絶対に避けなければならない。
「もし、その約束にそむいた場合はどうなりますか?」
アリシアはそむいた場合の処分はどうなるのか心配らしい。
「あっ、処分ね。国家機密漏洩罪で三等親まで連帯責任でサクッと火炙りかな? ちゃんとゲンタレもかけてあげるから安心して良いよ。僕自ら真心込めて、骨が無くなるまでこんがり焼き上げてあげるから楽しみにしてね」
僕は神妙な顔から急にイケメンスマイルでにこやかに話しかける。
「――!?」
アリシアは僕のあっけらかんとした言葉に絶句していた。
――優しいイケメンはユーモアも忘れない。なぜなら、それがイケメンの嗜みだから……
「アリシア。君も国家機密漏洩罪の対象者になるから気を付けてね」
「……………………」
アリシアは無言のまま部屋を出て行った。
――ユーモア溢れる優しいイケメンは誰に対しても気遣いの心を忘れない。なぜなら、それがイケメンの嗜みだから……
「さて、ファンクラブのヤツらには情報漏洩の釘を刺したし、次は武器の開発だな。いきなり頭上に長距離弾道ミサイルをブチ込んだらどうなるかな? さすがにみんなビックリしちゃうよね。どんな顔で反応するか見てみたい気もするけど……」
僕はいつもの独り言を呟き。物騒な事を考えてみたが、火縄銃すら無い世界にいきなり現代兵器である長距離弾道ミサイルはやりすぎだと自重した。
ここでも、どうしても心の底から滲み溢れる優しさに自分は根っからの善人だということを自覚させられた。
――どこまでも善人でユーモアセンスに溢れる優しいイケメン王子! 理不尽に婚約破棄されたけど……
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