97 / 148
第97話 この世で一番ヤベェ集団
しおりを挟む
ケーリンネガー軍の意図が読めず、困惑している僕にカルイ副司令官は続けて、
「ピストン輸送などしているんでしょうか?」
「それなら偵察部隊から情報が入っていると思うんだが……」
情報を重視している僕にとって、偵察部隊から上がってくる報告にはしっかりと目を通している。そこにはピストン輸送をして物資が充実しているとかの情報は無かった。
「ま、まさか。損害を度外視でゴリ押ししているのか?」
僕はあれだけの犠牲を出しながらもゴリ押ししてくる神経がわからなかった。
「その線も考えられますぞ。ケーリンネガー軍もこちらの補給を考え、出来る限りのジリ貧にしてしまおう。なんて考えているかも知れませんね」
カルイ副司令官はゴリ押しの線も想定内に入れてるようだ。
「まあ、我が軍の物資は豊富にある。なんて言っても僕には希少なコピー魔法がある。砲弾も使いたい放題、武器の補充もいつでも余裕。もしギヤー将軍が僕のコピー魔法を知ったら愕然とするだろうね」
僕がコピー魔法の事を語ると、カルイ副司令官はしみじみと
「本当に恐ろしい魔法だと今更ながら気付かされます。物資が底を付かないということは敵軍にとっては脅威でしかありませんからなぁ。物資が尽きた軍隊ほど惨めな物はありませんからなぁ~」
「僕もそう思うよ」
太平洋戦争で日本が嫌というほど味わった補給不足。歴史にもしは存在しないが、もし日本に物資が行き渡っていたらと考えると、同じ負けるにしてもあそこまで悲惨な事にはなっていなかっただろう。戦死者より戦病死者のほうが多いってどういうことなんやぁー!
「司令官! 敵軍40000がこちらに向かっているとの情報が入って来ました」
「ハァ!? 40000だって!?」
偵察部隊から持たされた最新情報を参謀が僕とカルイ副司令官に伝える。
「カルイ副司令。今の聞いたか? 40000って、どっからそんな兵数を集めて来たんだ? フロンガスター全軍合わせても65000ほどだぞ」
「ケーリンネガー軍も我が軍と同様に全軍を投了してしてきたのでしょうか。あるいは無理な徴兵で兵士をかき集めたかも知れませんね」
カルイ副司令官は青い顔をして、僕の問いに答える。
「25000に対して40000の兵力と来たかぁ。ウダウダ言っててもしょうがない。ケーリンネガー軍を迎え撃つぞ」
「ハッ! 全軍に戦闘準備を伝えろ」
カルイ副司令官は参謀に命令を出し、僕と共に第1防衛ライン陣地へと向かった。
――島津家久の沖田畷の戦いや戸次川の戦い。島津義弘の木崎原の戦い、耳川の戦いじゃあるまいし、ましてや朝鮮出兵の時の泗川の戦いみたいに大軍に対して小勢で大勝利を収めるなんて無理な話だ。どうみたってムリゲーの類いじゃん。そんなことを出来る薩摩武士団は薩人マシンか何かなの? 頭が狂かれているとしか思えない。
◇
「昨日の戦闘とは違い、ヤツらはゴリ押しでこの第1防衛ライン陣地を取りに来るぞ! ここが正念場だ。頼んだぞ!」
「「「おおっーー!!」」」
兵士を激励し、敵軍が現れるのを待った。
「カルイ副司令。アームストロング砲全門に装填して置くよう伝達してくれ」
「ハッ! 了解いたしました」
カルイ副司令官は全砲兵に命令を出した。
「各部隊ごとに来てくれたら各個撃破出来るんだけど」
僕はマモォール鳥様に願うように呟いた。
「それはあまり期待をされない方がよろしいかと…… 魔法攻撃からの全軍突撃で、ゴリゴリ攻めて来るでしょうなあ」
「カルイ副司令。少しは僕にも希望を抱かせてくれ」
カルイ副司令官は軍人として適切な事を提言してくれたとは思うが、僕にとっては夢も希望も無い一言であった。
「司令官。敵軍が現れました」
ケーリンネガー軍は中央に騎兵、左右には軽装備歩兵、騎兵と軽装備歩兵の後ろには、重装備歩兵が陣取る。さらに、その後ろには魔法兵が待機していた。
僕と魔法兵は防御魔法を展開させ、敵の魔法攻撃を待つ。
『『『グオォォー! グオォォーー!』』』
無数の巨大な火の玉が我が軍に向かって、飛んで来た。
こちらは完璧なまでの防御魔法で対抗する。
時間が進むにつれ、両軍の魔法兵は魔力切れを起こし、徐々に魔法攻撃は減っていった。
そして、ケーリンネガー軍が動き始めた。その陣形は尖った矢印のような陣形で我が軍に突っ込んで来た。超攻撃型の陣形だった。
全てのアームストロング砲が炸裂したが、爆風と黒煙の中を、第1防衛ライン陣地へと一直線に進む。まさに狂気の世界の住人とでも言えば良いのかわからないが、この世の中で一番ヤベェ集団『バーサーカー集団』なのだろう……
「ピストン輸送などしているんでしょうか?」
「それなら偵察部隊から情報が入っていると思うんだが……」
情報を重視している僕にとって、偵察部隊から上がってくる報告にはしっかりと目を通している。そこにはピストン輸送をして物資が充実しているとかの情報は無かった。
「ま、まさか。損害を度外視でゴリ押ししているのか?」
僕はあれだけの犠牲を出しながらもゴリ押ししてくる神経がわからなかった。
「その線も考えられますぞ。ケーリンネガー軍もこちらの補給を考え、出来る限りのジリ貧にしてしまおう。なんて考えているかも知れませんね」
カルイ副司令官はゴリ押しの線も想定内に入れてるようだ。
「まあ、我が軍の物資は豊富にある。なんて言っても僕には希少なコピー魔法がある。砲弾も使いたい放題、武器の補充もいつでも余裕。もしギヤー将軍が僕のコピー魔法を知ったら愕然とするだろうね」
僕がコピー魔法の事を語ると、カルイ副司令官はしみじみと
「本当に恐ろしい魔法だと今更ながら気付かされます。物資が底を付かないということは敵軍にとっては脅威でしかありませんからなぁ。物資が尽きた軍隊ほど惨めな物はありませんからなぁ~」
「僕もそう思うよ」
太平洋戦争で日本が嫌というほど味わった補給不足。歴史にもしは存在しないが、もし日本に物資が行き渡っていたらと考えると、同じ負けるにしてもあそこまで悲惨な事にはなっていなかっただろう。戦死者より戦病死者のほうが多いってどういうことなんやぁー!
「司令官! 敵軍40000がこちらに向かっているとの情報が入って来ました」
「ハァ!? 40000だって!?」
偵察部隊から持たされた最新情報を参謀が僕とカルイ副司令官に伝える。
「カルイ副司令。今の聞いたか? 40000って、どっからそんな兵数を集めて来たんだ? フロンガスター全軍合わせても65000ほどだぞ」
「ケーリンネガー軍も我が軍と同様に全軍を投了してしてきたのでしょうか。あるいは無理な徴兵で兵士をかき集めたかも知れませんね」
カルイ副司令官は青い顔をして、僕の問いに答える。
「25000に対して40000の兵力と来たかぁ。ウダウダ言っててもしょうがない。ケーリンネガー軍を迎え撃つぞ」
「ハッ! 全軍に戦闘準備を伝えろ」
カルイ副司令官は参謀に命令を出し、僕と共に第1防衛ライン陣地へと向かった。
――島津家久の沖田畷の戦いや戸次川の戦い。島津義弘の木崎原の戦い、耳川の戦いじゃあるまいし、ましてや朝鮮出兵の時の泗川の戦いみたいに大軍に対して小勢で大勝利を収めるなんて無理な話だ。どうみたってムリゲーの類いじゃん。そんなことを出来る薩摩武士団は薩人マシンか何かなの? 頭が狂かれているとしか思えない。
◇
「昨日の戦闘とは違い、ヤツらはゴリ押しでこの第1防衛ライン陣地を取りに来るぞ! ここが正念場だ。頼んだぞ!」
「「「おおっーー!!」」」
兵士を激励し、敵軍が現れるのを待った。
「カルイ副司令。アームストロング砲全門に装填して置くよう伝達してくれ」
「ハッ! 了解いたしました」
カルイ副司令官は全砲兵に命令を出した。
「各部隊ごとに来てくれたら各個撃破出来るんだけど」
僕はマモォール鳥様に願うように呟いた。
「それはあまり期待をされない方がよろしいかと…… 魔法攻撃からの全軍突撃で、ゴリゴリ攻めて来るでしょうなあ」
「カルイ副司令。少しは僕にも希望を抱かせてくれ」
カルイ副司令官は軍人として適切な事を提言してくれたとは思うが、僕にとっては夢も希望も無い一言であった。
「司令官。敵軍が現れました」
ケーリンネガー軍は中央に騎兵、左右には軽装備歩兵、騎兵と軽装備歩兵の後ろには、重装備歩兵が陣取る。さらに、その後ろには魔法兵が待機していた。
僕と魔法兵は防御魔法を展開させ、敵の魔法攻撃を待つ。
『『『グオォォー! グオォォーー!』』』
無数の巨大な火の玉が我が軍に向かって、飛んで来た。
こちらは完璧なまでの防御魔法で対抗する。
時間が進むにつれ、両軍の魔法兵は魔力切れを起こし、徐々に魔法攻撃は減っていった。
そして、ケーリンネガー軍が動き始めた。その陣形は尖った矢印のような陣形で我が軍に突っ込んで来た。超攻撃型の陣形だった。
全てのアームストロング砲が炸裂したが、爆風と黒煙の中を、第1防衛ライン陣地へと一直線に進む。まさに狂気の世界の住人とでも言えば良いのかわからないが、この世の中で一番ヤベェ集団『バーサーカー集団』なのだろう……
0
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
【完結】勇者に折られた魔王のツノは、幼児の庇護者になりました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
ファンタジー
旧タイトル:膨大な魔力と知識ありのチートだけど、転生先がツノはないよね?
異世界転生、胸躍らせる夢の展開のはず。しかし目の前で繰り広げられる勇者vs魔王の激戦に、僕は飽きていた。だって王の頭上で、魔力を供給するだけのツノが僕だ。魔王が強いからツノがあるのではなく、ツノである僕がいるから彼が最強だった。
ずっと動けない。声は誰にも聞こえない。膨大な魔力も知識チートも披露できぬまま、魔王の頭上で朽ちるのか。諦めかけていた。
勇者の聖剣が僕を折るまでは……!
動けなかったツノは、折れたことで新たな仲間と出会う。チート無双はできないが、ツノなりに幸せを掴めるのか!? いつか自力で動ける日を夢見て、僕は彼と手を組んだ。
※基本ほのぼの、時々残酷表現あり(予告なし)
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2021/11/17 完結
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる