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第44話 ヤベェ事に気が付いた!
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父上と母上は急遽用意させたシチリーンとお肉の山に、目をドス黒い光でギラギラさせながら、ヨダレを垂れ流していた。
「は、母上。僕はこれで許されるのでしょうか?」
僕は身を震わせながら恐る恐る尋ねた。
「あら? 何を言ってるのかしら? 私の可愛いアレクちゃんを許すとか許さないとか無いでしょ? 最初から私はアレクちゃんを信じていたわ」
「さすが我が息子! 私も信じていたぞ」
「――ありがとうございます」
母上と父上は上機嫌で僕をギラギラとドス黒い瞳で温かく見つめていた。
「アレクよ」
「はい、父上。何か?」
父上の呼び掛けに返事を返すと、
「これから私達二人っきりのディナーだ。もう下がっても良いぞ」
父上の言葉は出す物出したらとっとと消えろと言わんばかりだった。
「そうね。たまには夫婦二人っきりの食事も良いわよね。アレクちゃんは賢い子だから、空気を読んでくれるわよね?」
母上は僕に二人の邪魔をするな! とっとと部屋へ帰れ!と言いたげな表情をしていた。実際に言葉に出ているのだが……
「わ、わかりました。僕はこれで失礼します」
僕は空気を読み部屋から出ようとした。
「待って! アレクちゃん」
母上が僕を呼び止めた。
「はい、何でしょうか?」
「さっきのメイドちゃん達に私達と同じお肉を渡しておいてね。あの娘達は私達の説得で何とか休暇申請を思い留まってもらったから頼むわよ」
「はい、わかりました。あとでお肉を彼女達に届けておきます」
「頼んだわよ」
「はい、失礼します」
僕はそう言い残し、自室に戻った。
『フッハァ~』
自室のベッドに倒れ込んだ。
「マジで疲れたぁ~ とっておきのサーロインステーキ取られちゃったなぁ~」
最近、ジジィになったのか独り言が多くて困る。散々父上と母上に叱られているが、父上と母上には頭が上がらない。それには理由がある。ヒロインどもをいたぶるべく最初に立てた計画に沿って、父上に超極秘で婚約者を探してもらった恩義がある以上、逆らうことが出来ないのだ。
「しかし、メイドさん達が居なくなると王宮の機能がボロボロになるなんて考えもしなかった……」
『ハァ!?』
僕はあるヤベェことに気が付いた!
ファンクラブのヤツらがストライキや暴動を起こしたら、都市機能が麻痺してしまうんじゃないだろうか? 麻痺だけなら良いが、良くないけど。全てのメイドさんや使用人が仕事をボイコットでもしたら貴族はどうなるんだ? ましてや王宮でもこの有り様なのに……
ファンクラブ自体、ヤベェ集団だと思っていたが、反王族派にでもなったら一大事だ。どうする○イフル~ マジでヤツらをどうにかしないと……
僕は早速、脳内会議を開いた。
ファンクラブとは縁を切る…… これは現実的にやりたいことだが、これをしてしまうとヤツらは必ず暴れだすだろう! この先に待っているのは王族族滅という未来しか見えない。ダメだこりゃ~
では、どうする?
ヤツらとの仲間になる…… 僕のラスボス的攻略者としてのアイデンティティが崩壊してしまう。それだけはダメ絶対! マモォール鳥様の意思に反する事にもなる。もしかしたら、僕がファンクラブの傀儡にされて王国そのものがヤベェヤツによるヤベェヤツのためのヤベェ王国になりかねない。これはイカン! 絶対に避けなければならないシナリオだ。これも国亡の未来しか見えない。ダメだこりゃ~
じゃあ。どうする?
近付かず離れずの関係だったらどうだろうか? 今のようにファンクラブのヤツらにはガス抜き程度に愛想を振りまき、あとはヤツらとは関わらない。しかし、それをしていては何も変わらない。現状維持のままだ! 何もかも解決にはならない! 物事には始まりがあるように必ずいつか終わりがある。その時の僕は…… 王族は…… 王国は…… 国民の幸せは…… 不幸の未来しか見えない。
「まさかと思うが、もう詰んでないか? いや、完全に詰んでる! ヤバいくらいに詰んでるじゃんか!」
僕の心の中でドス黒い感情が目覚める。
――悪役令嬢とヒロインどもを殺ってしまおう! そうすればファンクラブは解散して、みんな幸せ! みんなハッピーになれる! よし、サンペータにヤツらの暗殺をお願いしよう。アイツなら王国の為、僕の為に喜び勇んで、ヤツらを殺ってくれるだろう……
「は、母上。僕はこれで許されるのでしょうか?」
僕は身を震わせながら恐る恐る尋ねた。
「あら? 何を言ってるのかしら? 私の可愛いアレクちゃんを許すとか許さないとか無いでしょ? 最初から私はアレクちゃんを信じていたわ」
「さすが我が息子! 私も信じていたぞ」
「――ありがとうございます」
母上と父上は上機嫌で僕をギラギラとドス黒い瞳で温かく見つめていた。
「アレクよ」
「はい、父上。何か?」
父上の呼び掛けに返事を返すと、
「これから私達二人っきりのディナーだ。もう下がっても良いぞ」
父上の言葉は出す物出したらとっとと消えろと言わんばかりだった。
「そうね。たまには夫婦二人っきりの食事も良いわよね。アレクちゃんは賢い子だから、空気を読んでくれるわよね?」
母上は僕に二人の邪魔をするな! とっとと部屋へ帰れ!と言いたげな表情をしていた。実際に言葉に出ているのだが……
「わ、わかりました。僕はこれで失礼します」
僕は空気を読み部屋から出ようとした。
「待って! アレクちゃん」
母上が僕を呼び止めた。
「はい、何でしょうか?」
「さっきのメイドちゃん達に私達と同じお肉を渡しておいてね。あの娘達は私達の説得で何とか休暇申請を思い留まってもらったから頼むわよ」
「はい、わかりました。あとでお肉を彼女達に届けておきます」
「頼んだわよ」
「はい、失礼します」
僕はそう言い残し、自室に戻った。
『フッハァ~』
自室のベッドに倒れ込んだ。
「マジで疲れたぁ~ とっておきのサーロインステーキ取られちゃったなぁ~」
最近、ジジィになったのか独り言が多くて困る。散々父上と母上に叱られているが、父上と母上には頭が上がらない。それには理由がある。ヒロインどもをいたぶるべく最初に立てた計画に沿って、父上に超極秘で婚約者を探してもらった恩義がある以上、逆らうことが出来ないのだ。
「しかし、メイドさん達が居なくなると王宮の機能がボロボロになるなんて考えもしなかった……」
『ハァ!?』
僕はあるヤベェことに気が付いた!
ファンクラブのヤツらがストライキや暴動を起こしたら、都市機能が麻痺してしまうんじゃないだろうか? 麻痺だけなら良いが、良くないけど。全てのメイドさんや使用人が仕事をボイコットでもしたら貴族はどうなるんだ? ましてや王宮でもこの有り様なのに……
ファンクラブ自体、ヤベェ集団だと思っていたが、反王族派にでもなったら一大事だ。どうする○イフル~ マジでヤツらをどうにかしないと……
僕は早速、脳内会議を開いた。
ファンクラブとは縁を切る…… これは現実的にやりたいことだが、これをしてしまうとヤツらは必ず暴れだすだろう! この先に待っているのは王族族滅という未来しか見えない。ダメだこりゃ~
では、どうする?
ヤツらとの仲間になる…… 僕のラスボス的攻略者としてのアイデンティティが崩壊してしまう。それだけはダメ絶対! マモォール鳥様の意思に反する事にもなる。もしかしたら、僕がファンクラブの傀儡にされて王国そのものがヤベェヤツによるヤベェヤツのためのヤベェ王国になりかねない。これはイカン! 絶対に避けなければならないシナリオだ。これも国亡の未来しか見えない。ダメだこりゃ~
じゃあ。どうする?
近付かず離れずの関係だったらどうだろうか? 今のようにファンクラブのヤツらにはガス抜き程度に愛想を振りまき、あとはヤツらとは関わらない。しかし、それをしていては何も変わらない。現状維持のままだ! 何もかも解決にはならない! 物事には始まりがあるように必ずいつか終わりがある。その時の僕は…… 王族は…… 王国は…… 国民の幸せは…… 不幸の未来しか見えない。
「まさかと思うが、もう詰んでないか? いや、完全に詰んでる! ヤバいくらいに詰んでるじゃんか!」
僕の心の中でドス黒い感情が目覚める。
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