『鬼神の救済記』

影狼

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夢のひとと月の女神さまのひみつの。

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『皆様方』、当『劇場』にご来場いただきありがとう存じます。
「ありがとうございます!」
私達は恭しく『皆様方』に、お辞儀をしました。
『劇場』の【案内人】を務めます、『劇場のもの』でございます。

「同じく『劇場』の【案内人】を務めます、『劇場』のものでございます!よろしくお願いいたします!」
こんな所でお話するのもなんですし、席にお座りくださいませ。

「今回も私達が、ご案内いたしますね!
暗いので足元にご注意くださいますよう、よろしくお願い申し上げます!」

席にお座りになられた『皆様方』を見届けて、彼が言いました。

「それではご注意点を申し上げます。」

・全ての小説は二次創作対象になります。
・オリジナルキャラが出演する可能性がございます。
・キャラ崩壊にご注意くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
・今回は趣向を少し変えまして、番外編でありそうでないお話をします。
・話が脱線する可能性がありますので、ご注意くださいませ。
・脱線するのも勿論ですが、少ししたバトルシーンがお嫌な方は『劇場』から速やかにご退場していただければ、全額返却いたします。

それでは一ベルを鳴らさせていただきます。

リィィイイイイイィイイィイィン……。











それでは本ベルを鳴らさせていただきます。

リィィイイイィイイィイイイィン……。





「演目名を申し上げます。」
『夢のひとと月の女神さまのひみつの。』でございます。

之より、演じますは『月の女神さま』と
『夢のひと』が対話する物語になります。

それでは演じ(始め)させていただきます。

「開幕致しますー、開幕致しますー。」
ーーー演目開始。ーーー

ん?
あー、めんどくさい奴が来た。

『……めんどくさい、とは何です?』
や、ごめん。
冗談だから、その弓しまって……。
怖いんですけど……。
手を前に突き出して、このひとを抑える。
「そうですか?」
キレイなのだけれど、腹黒い笑顔が見える……。
このひと恐いね……。
(まあ、【案内人】よりはマシだけれど。
……あの人嫌悪感が凄まじいんだよなぁ……。
…………ああ、『クソガキ』も嫌悪感が凄まじいんだった……。)
そう目の前のひとに震えながら、考えていると音もなく上からゆるりと降りてきていたモノがいた。

『………………………………。』

『…………おや、『かの幽霊の面を被ったお方』。』
『………………………………。』
『なんも喋らないわけー?』
『………………………………。』
『…………ええ、この方は喋りませんよ。』
『………………………………。』
もういいか、と言うふうに『アレ』は蜻蛉のように、ゆらゆらと揺れて消えた。

『………………………………。』
すると手をゆるりと動かして黒いものを纏った雷を、僕の目にわざと落としてきたようだ。

『あっぶな!
わざとだろ、絶対!』
『………………………………。』
躱せたから良かったものの、直撃していたらめちゃくちゃ痛いと思わないわけ?!
「落ち着いてください。
『かの幽霊の面を被ったお方』はもう消えてしまわれましたよ。」
『あーもー!!
夢をこれから別のひとにもあげなきゃいけないのに!!」』
『…………それにしても、『あれ』はいつから此処に居るんだろーねー。
……あっぶな!だーかーらー!やめてって!』
『……まあ、どうでもいいか。
さあ、夢を届けに行こうかな。
またねー、『かの月の女神さま』。」
そう憤った後に笑って、彼が言った途端黒いものを纏った雷が落ちてきて彼は逃げるように、そそくさと消えました。
それから声が残り、ついには消えました。
「ええ、また。
『かの狂った夢の届け手さん』。」

(………………………………あのお方は『かの奥様』を護りたいがために、『あちら』側へと渡ってしまって女人と情事をしておられるとの『言付け』が…………。
…………それにしても、哀しいひとですね。
『かの幽霊の面を被ったお方』。
……さて、考え事は終わりにして仕事に行きますか……。)
後ろ髪を引かれる思いでしたが、如何ともし難いまま私も消えました。

ーーー演目終了いたします。ーーー

「お疲れ様でございました、【案内人】様。」
ええ、お疲れ様です。
『かの幽霊の面を被ったお方』は、『こちら』側に戻ることは不可能のようです。
「そうなのですか……。」
ええ、残念なことです。
さて、『皆様方』当『劇場』にご来場いただきありがとう存じます。
「またおいでくださいませー!」
(【案内人】が淡々と告げて、45度に腰を曲げてお辞儀いたします。
【もう一人の案内人】は対照的に元気に言いまして、【案内人】に倣いまして45度に腰を曲げてお辞儀いたします。)
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