15 / 80
い
しおりを挟む二匹の悪魔が、綺麗なカーテシーをする。
光は差さず、代わりに柔らかい雰囲気が包むが。
此処は、仮にも。
『これらを赦す。』
『自らのために、成すことを成せ。』
謁見の場だ、控えた方がいいだろう。
あの女神とやら、漸く焼きが回ったか。
だが、女狐の別件もある。
『女狐の罪は重くなった、そして。』
『楽にして良い、よく耐えた。』
『しかしうぬらの内心を、各国の王並びに女神へと伝言しておく。』
「王」の影が代弁をしている、灰色のローブの下は見えず。
もう一人の灰色のローブの人物は、杖を僅かに傾け。
ただ、「王」の傍に控えていた。
『罅割れと嘘』
どれもこれも、稚拙なおはなし。
恋慕い、恋い慕われるおはなし。
反転し、愛を乞われ、愛を乞うおはなし。
喜びが膨らみ、喜びを膨らませるおはなし。
反転し、憎悪を膨らませ、憎悪が膨らむおはなし。
創るおはなし。
反転し、破壊するおはなし。
口寄せをするおはなし。
反転し、呪詛を撒き散らすおはなし。
理想郷を手に入れるおはなし。
反転し、地獄郷を手に入れるおはなし。
探訪をするおはなし。
反転し、探訪されるおはなし。
語られるおはなし。
反転し、語られないおはなし。
綴られるおはなし。
反転し、綴られないおはなし。
さあ、アナタはどんなおはなしを手に取るのか。
さあ、あなたはどんなおはなしを聞きたいのか。
あちきらに、聞かせておくんなさい。
わたしに、聞かせてください。
そうすれば。
そうすれば。
かたられることなく、語り聞かせてやりんしょう。
かたらせることなく、綴りますよ。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる