『鬼神の救済記』

影狼

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ー弐拾壱ー

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ーーーどうだったろうか。もっと楽しめただろうに、力不足ですまない。ーーー

ーーーそうか。それならよかった。ーーー
ーーーあなた方が今度は、愉しませてくれるのだろう?ーーー

ーーー…………彼らのかわりに、彼等を愉しませておくれ?ーーー

それもいいが愉しませてくれ。
俺達のために。

ーーー………それから。○○、あの仔らを呼んできてくれるか?ーーー

ーーーそうだ、頼む。ーーー

『始まりは終わりと邂逅する。』

『彼らは人間をなんとも思っちゃいない。』

『俺が愛するのは人の仔らだ、どう思われようと関係ないな。』

『お慕い申しております、姫君。』

『塵芥の魂たちだ、そのうちの一つや二つをどうしても支障はない。』

『それでも私はね、お母さんとお父さんがだ~いすきなの!神様、ごめんなさい………。』

『………………さあ、祭りの開催だ。
……………お前たちが堕とすか、俺達が堕とすかの愉快で美しい祭りを始めよう。』

『唯陰で奉仕する御主人好きな妖だと思ってくれて構わぬ、妾のことは……そうさな。』

『今宵は星が降るぞ~。とても綺麗に見える場所を見つけたんだ!』

『好きです。』

『あなたとお友達になりたいの。いいかしら?可愛らしい妖精さん。』

『王…………………貴方に告げねばなりませんね。賢王の君………我が身より大切な御方へ。』

『滅びる!国が!俺の作った国が!』

『愚か者。』

『手に入れたいと願うか?』

『誰を呪いたい?……………………その口で、何が出来よう?そのか弱い身で。』

『愚王よ、亡ぼすぞ?』

『そちらの御方は?』

『うっ、ぐっ…。そんな………叶わない?嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘…………。』

『これが現実に決まっている。』

『大丈夫ですか?
貴方は倒れていたんです。この城の中でしばらく休養して行ってください………』

『……………………』

『『ーーーーーー』、貴女がよければ……私と共に行かないか?』

『貴女にお会いしとうございます。……そして……哀訴を申し上げたいのです………いえ、身分が違うのは致し方ないですね。……………この声を貴女に届けることをも不敬と思っても構いません。
どうか、どうか。姉を……………。』

『俺を裏切るのか!あの人を!許さない許さない許さない許さない!…………許さないぞぉ!』

『ガキンチョが』

『ぇー、嘘!あいつがやられるなんて!きゃははははっ♩』

『我が主♪』

『…………僕らに敵うと思っているの?………適者生存………だよ。いつまでその名に縋るつもりなのか知りたいね………『かの作者』さん。』

『…………『ーーーー』、『ーーーー』!!弾きたいのだが!』

『……………………………。』

『仕方ないですねえ。』

『恋願う、恋願う、冀求せよ、冀求せよ。』

『恋い慕う二人が訪れる時。』

『シャン、シャン……シャァン。シャン、シャン……シャシャン!』

『恋い慕う、恋い慕う、希う、希う。』

『朽ち果てよ、救済をする価値などなし。』

『話をしよう、これはとある男のちっとも面白くもない話だ。』

『はじめまして、「おうさま」。僕はあなたに会うのを心待ちにしていたのですよ。だって………許せないお方なんですから。それはもう今すぐに……。』

『私は貴方を知りたいのです、どうしても。この布の下にあるかんばせを………私にだけ……そうしたら贈らせてくださいね。』

『……………………………。』

『花達が美しいと思わんか?俺はもうそのような美しいもの達と無縁だがな……………………闘いに身を唆し過ぎたんだろうさ。』

『………そなたからは悲しい匂いがする。だがそれすら頭がクラクラするほど………甘美に香る。それはとてつもなく……理性を崩壊させるのが巧妙だと思わせる…………これは魔性の花よ………げに。』

『どうしてほしい?』

『………それは言いなさんな、主さん。』

『今宵は、今宵は喰いつくしなさい。あなたのためにではなく。あのひとにあいたいなんておっしゃるとは、お前も悪い女になりましたね。……それでこそ私の愛する仔らだ。………たんまりと召し上がれ。それであのひとを失望させてごらん、○×。
いっとう大切な存在なんだろう?大丈夫、怖い事なんてなにも起きやしないよ。お前にとっての怖い事なんてなんも。御眠り。…………そうすれば私が連れて行ってあげるから………恐ろしい事なんて、なにも起きやしないさ。そうさなぁ。クナイをあげよう……お守りだ。こまったときにはそれにお縋り。
名をお呼びなさい、私の。くれぐれも別の名を呼んではいけないよ?できますね?[かわいいーーーーー。]』

『しっていたくせに。』

『むぅー………御主人なんてしらぬわ!』

『しらんかったかの?御主人含め妖は恐ろしいぞよ。無論魔物たちも、だがの。………ゆめ忘れてくれるなよ。それでは頂くとするかの!
「いただきます」じゃ。』

『可愛いーーー。』

『俺に近寄るなぁー!!!!!』

『黙するが良い。その声を聞くのも業腹故に。』

『劫炎に滅されるがお似合いよな、木偶。』

『思考の海に溺れるだろうがナイフを武器を、見逃すな。それがお前の戦う矜恃ぞ。常に考えよ。もし、を頭の隅に置いやれ。
それからこちらに来やれ。
拒否権なんぞやらぬ。』

『上手く喰ろうてやりたかったが、起きたな。ん、何をしておるかじゃと?………[………ふふっ…]…なかなかに美味じゃぞ?』

『……………。』

『うそうそ時にあいたい。』

『ーーーノイズ(膿)に到達致します。ーーー』

『俺ァ、てめぇなんぞに構っておられんのよ。』

『酒持っておいで、ーーーーーー。』

『サーニャちゃん、あいつの事頼むよ。』

『……っち!』
『河屋の旦那ァ!河屋の旦那ァ!やや、こんなところにいたのか!河屋の旦那ァ!聞いてくれよォ、緋と天神がよ……。
ああ、お前の探している百呉とーーーーーーーーーーーーーーーーーが居たんだ。』

『…………詳しく。』


『…………嗚呼、ごめんね。オレはあなたに興味なんてないんだよ。興味があるのはあなた以外だ。
…………だからおねえさん。諦めてくださいっス!』

『僕の残念な魔術師さん。君の御仲間、みんな死んじゃったね。………悲しくはないのかい?』

『………さあ、わからないな。無論ボクにも。』

『シト、なんとも言えない結果になりそうだ。』

『………糾理、私はそろそろ寝るね。娯楽としてはそろそろつまらない結果になりそうだ。
板宿に、よろしく頼むよ。』

『おやおや、それは残念だな?私は君に期待していたのに。ヒューイ。』

『おまえ、恐ろしいな。』

『ん?正義は空恐ろしいものでね?僕はそう言っているだけだよ。    ずっと  』

『………それでもだ、おまえはなんだ?』

『さあ、そんなの知りたいの? 変だね、おにいさん。』

『貴方様が自暴自棄になりましたら、私が命を賭してお止めします。あわよくば私と廻りませんか?独りで廻るのは少しばかり寂しゅう御座います』

ーーー……○○、いいな?その力を存分に利用せよ。余すことなく、齎せ。ーーー

ーーーさて、そこにおわすはどなたかと思ったぞ。ーーー

流石に理解してるか。ーーー

ーーーよくは知らんよ、お前の事など。ーーー

………喰ってやろうか、お前の立派な角ごと。ーーー

ーーー………喰えるか?お前が?ーーー

喰ってやれるのならとうに喰ってるがな。実に惜しい、惜しい。ーーー

……………そこまでにしておくんなんし。
わっちらはそれを望んではおりんせん。

カラッ……カラカラ。

カロッカラン、カロッカラ……コロコロ。
下駄の音、それに紛れて賽子の音。
こりゃあどういうこった。
男の声。それに…。
ここは何処なんです?
“この音”……忌々しい。
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