誰にも理解してもらえないまま生きた令嬢のおはなし。ー幕間にてご勘弁願います。ー

彼等の思惑に踊らされる。－裁定者。－

私の存在意義は何だったのでございましょう、行動もせず、わめいていただけの小娘に存在意義など＿＿＿・・・。

いいえ、こうして考えているだけでも楽しいものですが…それでも何かを遺せていたなら、私は。

彼女は燃えていく自らの身体を想うことなく、亡き兄弟の遺した竜の仔…アルディパレンド、を見やる。

青鱗に、星空のように美しい黄玉の耳飾りが風に揺れる。

そして特徴的なのはハイトの…失礼。

獣人の信奉者、それも狂信者といったところか。

ぼろ布を纏っているその姿は、なるほど。確かに異質といったところ。

しかしながら。

自らにしかその目を見せられないのはどういった料簡なの、と令嬢は散りゆく命を前にしても冷静なまま竜の仔に対し思う。