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第1話
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とある森の奥に立派な小屋が建っていた。そこには、少女が一人で暮らしていた。少女の名前は、アゲハ。髪は白く毛先が少し黒い。色白の肌に琥珀色の瞳がよく映える。歳は十四とまだ幼い。
毎日アゲハは、森の動物たちと仲良く遊び、小屋の側にある畑で野菜を育て、森の木の実や野草・キノコを取って生活していた。
そんなある日、森の木々から木漏れ日がふりそそぐ正午。アゲハは普段のように昼食を作っていた。今日のメニューは、搾りたてミルクのキノコシチューにフワフワのクロワッサン。鍋の前に立ち、器にシチューを盛り付けていると、外からガサガサと言う音がした。
「何?リスさん?それともウサギさんかしら」
アゲハの住む小屋には、よく動物が遊びに来ている。が、何か様子が違うようだ。音のした方の窓を見る。と、そこは畑だ。
「誰かいるの?」
そう声をかけてみる。すると、またガサッという音がした。音の方向に視線を移すと、一つの影が走り去って行くのが一瞬見えた。リスでもウサギでもない、影。一瞬ではあったが、それが馬より小さく鹿より大きい生き物であることが分かった。クマか?いや、クマのように体毛があるようには見えなかった。
「クマさんでもない...じゃあ誰が?」
アゲハは、顎に手を当て首を傾げる。
「ここにいても仕方ないわ、外に出てみましょう。」
ミルクチョコレート色のドアを開け、影を見た畑へ向かった。そこでは、人参やジャガイモなどを育てている。畑に着くと何者かに荒らされた跡があった。
「ど、どうして、こんなことに...一体誰が...」
アゲハは、目の前の現状を見て地べたに座り込んだ。誰かが一生懸命に育てた野菜をダメにした。綺麗に耕した畝は踏まれ、野菜の多くは食べられたか、盗まれたのだろう。一体誰が?止めどなく怒りがこみ上げてくる。ぎゅっとスカートを握る。するとその様子を見ていたのだろう、小鳥が飛んできてアゲハの肩の上に乗り、励ますようにピヨピヨと鳴いた。
「小鳥さん、はぁ...」
一つ大きく息を吐き、落ち着くと小鳥の頭を撫でた。
「ありがとう、小鳥さん。一度戻りましょうか、せっかく作ったシチューが冷めてしまうから。片付けは後でしましょう」
アゲハは小鳥にそう語りかけ、そのまま小屋の中へ戻るのだった。
何処からか自分を見る視線に気づかないまま。
毎日アゲハは、森の動物たちと仲良く遊び、小屋の側にある畑で野菜を育て、森の木の実や野草・キノコを取って生活していた。
そんなある日、森の木々から木漏れ日がふりそそぐ正午。アゲハは普段のように昼食を作っていた。今日のメニューは、搾りたてミルクのキノコシチューにフワフワのクロワッサン。鍋の前に立ち、器にシチューを盛り付けていると、外からガサガサと言う音がした。
「何?リスさん?それともウサギさんかしら」
アゲハの住む小屋には、よく動物が遊びに来ている。が、何か様子が違うようだ。音のした方の窓を見る。と、そこは畑だ。
「誰かいるの?」
そう声をかけてみる。すると、またガサッという音がした。音の方向に視線を移すと、一つの影が走り去って行くのが一瞬見えた。リスでもウサギでもない、影。一瞬ではあったが、それが馬より小さく鹿より大きい生き物であることが分かった。クマか?いや、クマのように体毛があるようには見えなかった。
「クマさんでもない...じゃあ誰が?」
アゲハは、顎に手を当て首を傾げる。
「ここにいても仕方ないわ、外に出てみましょう。」
ミルクチョコレート色のドアを開け、影を見た畑へ向かった。そこでは、人参やジャガイモなどを育てている。畑に着くと何者かに荒らされた跡があった。
「ど、どうして、こんなことに...一体誰が...」
アゲハは、目の前の現状を見て地べたに座り込んだ。誰かが一生懸命に育てた野菜をダメにした。綺麗に耕した畝は踏まれ、野菜の多くは食べられたか、盗まれたのだろう。一体誰が?止めどなく怒りがこみ上げてくる。ぎゅっとスカートを握る。するとその様子を見ていたのだろう、小鳥が飛んできてアゲハの肩の上に乗り、励ますようにピヨピヨと鳴いた。
「小鳥さん、はぁ...」
一つ大きく息を吐き、落ち着くと小鳥の頭を撫でた。
「ありがとう、小鳥さん。一度戻りましょうか、せっかく作ったシチューが冷めてしまうから。片付けは後でしましょう」
アゲハは小鳥にそう語りかけ、そのまま小屋の中へ戻るのだった。
何処からか自分を見る視線に気づかないまま。
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