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ファーストキスの味の味見
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「どうしよう、はっちゃん。俺、せっかくのファーストキスの味を覚えていないんだ。だから、今からファーストキスを再現するために、セカンドキスのお相手をお願いできますか?」
いつものことだが、高俊がまた妙なことを言い始めた。
昼飯を食べたばかりで頭に入ってこないと思いきや、なかなかに聞き捨てならない内容だった。
お・ね・が・い、という高俊の上目遣いが俺の漢心をくすぐる。
これまでも高俊の願いを不思議な正義感(?)で叶えてきた俺だ。
今日ももちろん高俊のために実現してやるのだが、願いが空を自由に飛ぶことではなくて安堵した。
断るという選択肢が何故か俺の中に存在しないから、実現不可能なお願いはご遠慮願いたい……という、俺の願いを何気にいつも叶えてくれる高俊。とてもいい奴だ。
で、いつものように、適当に付き合うことにする。
「ファーストキスは何味がお好みですか? 定番のレモン味から、アジの南蛮漬け味、アジの刺し身味、キスの天婦羅味と、各種取り揃えております」
「お弁当食べたのにまだ腹ペコだからさ、ファーストフード味をお願いできますか?」
魚の気分でも肉の気分でもなかったようだ。
いや、フィッシュバーガーもハンバーガーもファーストフードだから、今の高俊は魚でも肉でもイケる口なのかもしれない。
「ご注文、承りました」
スマイルは無料提供。
お客様も笑顔を返してくれた。
笑った高俊は片側だけエクボができる、可愛い。
高俊の両頬に手を添えて、熱々のご注文の品を提供する。
注文の品も、俺の頬も熱い。
しばしの沈黙、ぴちゃくちゃとした水音、やや粗めの息遣い。
「……ぷはっ。はっちゃん、セカンドキスが……べろ入りだった!」
「タン、肉だから。腹ペコの高俊は肉を食べたいかなぁって。で、何味だった?」
俺の昼食はフレンチトーストだったから、フレンチ・キスをご提供。
「……もっとしっかり記憶するから、もう1回、味見させて?」
唇を触れ合わせ、お互いに伸ばし、より深く。
舌は甘く、柔らかかった。
いつものことだが、高俊がまた妙なことを言い始めた。
昼飯を食べたばかりで頭に入ってこないと思いきや、なかなかに聞き捨てならない内容だった。
お・ね・が・い、という高俊の上目遣いが俺の漢心をくすぐる。
これまでも高俊の願いを不思議な正義感(?)で叶えてきた俺だ。
今日ももちろん高俊のために実現してやるのだが、願いが空を自由に飛ぶことではなくて安堵した。
断るという選択肢が何故か俺の中に存在しないから、実現不可能なお願いはご遠慮願いたい……という、俺の願いを何気にいつも叶えてくれる高俊。とてもいい奴だ。
で、いつものように、適当に付き合うことにする。
「ファーストキスは何味がお好みですか? 定番のレモン味から、アジの南蛮漬け味、アジの刺し身味、キスの天婦羅味と、各種取り揃えております」
「お弁当食べたのにまだ腹ペコだからさ、ファーストフード味をお願いできますか?」
魚の気分でも肉の気分でもなかったようだ。
いや、フィッシュバーガーもハンバーガーもファーストフードだから、今の高俊は魚でも肉でもイケる口なのかもしれない。
「ご注文、承りました」
スマイルは無料提供。
お客様も笑顔を返してくれた。
笑った高俊は片側だけエクボができる、可愛い。
高俊の両頬に手を添えて、熱々のご注文の品を提供する。
注文の品も、俺の頬も熱い。
しばしの沈黙、ぴちゃくちゃとした水音、やや粗めの息遣い。
「……ぷはっ。はっちゃん、セカンドキスが……べろ入りだった!」
「タン、肉だから。腹ペコの高俊は肉を食べたいかなぁって。で、何味だった?」
俺の昼食はフレンチトーストだったから、フレンチ・キスをご提供。
「……もっとしっかり記憶するから、もう1回、味見させて?」
唇を触れ合わせ、お互いに伸ばし、より深く。
舌は甘く、柔らかかった。
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