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黒の章
04.孤独
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朝食を食べた後、3人は街へ出た。仕事を探してくると言い、斡旋所に向かったマリーとはすぐに別れた。リョウもしばらくトウコと歩いていたが、フラフラとどこかへ消えた。1人になったトウコは、灰色の雲に覆われたどんよりとした空の下を歩きながら、ふいに今朝見た夢の少女を思い出した。
「独りぼっちじゃない人生・・・か」
マリーとは3年程前に出会った。
行き倒れて死にかけている人間なんて珍しくもなく、普段のトウコも眉一つ動かさずに通り過ぎていた。しかし、この時はボロボロの筋肉の塊が道端に転がっているのが妙に気になり、トウコはうつぶせで倒れていた体を足で蹴って起こした。
それがマリーとの出会いだ。
マリーは当時所属していたチームのリーダーが、報酬をごまかして差分を自分のものにしていたことに気付いたが、逆にその罪を被せられ追われた。
リーダーを含む、追いかけてきた人間を全員殺したものの、自分も手ひどい傷を負い力尽きて倒れたということだった。
「女子に年齢を聞くなんてマナー違反よ」
と言うので、年齢は知らない。恐らく30代前半だとトウコは思っている。
スキンヘッドで金色に近いこげ茶のあご髭に薄い茶色の目をしている。以前酔っぱらったリョウがあご髭を剃ろうとしたら、本気で殺されかけていた。筋骨隆々でバトルハンマーを振り回して豪快に敵を叩き潰すが、回復魔法が得意で本人はヒーラーだと言い張っている。恋愛対象は男で意外とモテるが、「重すぎる」という理由でよく振られて泣いている。リョウが「重すぎるって筋肉?それとも気持ち?」とフラれて号泣しているマリーに聞いて、本気で殺されかけていた。
それからなんとなく2人で行動するようになり、2年前にリョウと出会った。
街で突然、一目惚れした!と声をかけられ、無視しようが延々とついてきて、捲いてもどこからともなく現れついてくる。仕方がないのでボコボコにしようとしたら嬉々として短剣を構えて襲いかかってきた。それがリョウだ。
本人曰く、貴族の三男だか四男で、人妻に手を出したらその旦那に殺されそうになり、逆に殺したら勘当されたので、国を出てフラフラしているとのことだった。ただ、殺した相手は女を痛めつけて喜ぶクズ野郎で、その人妻も相当酷い扱いを受けていたとリョウは言っていたが、トウコはそれが本当だろうが嘘だろうが特に興味はない。けれど、貴族の三男だか四男なのは本当なのだろうと思っている。金やそれに近い色の髪や目は、この世界において当たり前だが、リョウのような綺麗な金髪はあまり見ない色で、それは貴族などの所謂支配者層によく見られる色だからだ。
主に、両手に短剣を持って敵を切り刻むのを好むが、補助魔法と付与魔法も得意だ。また、
体のあちこちに暗器を忍ばせているあたり、ねちっこい性格を表しているなとトウコは思っていた。
マリーともリョウともこんなに長く一緒にいるとは思ってもいなかった。全員行く当てがなく孤独だったのかもしれないが、孤独を舐めあっているうちに誰もいなくなると思っていた。それなのに1年前に家を買い、3人で住んでいる。長く1人で過ごし、いずれ1人で野垂れ死ぬだろうと思っていたトウコは、未だ1人でない自分が不思議だったが、それでもやはり、そのうちまた1人になるだろうと思っていた。
なぜならトウコは忌み子だからだ。
「独りぼっちじゃない人生・・・か」
マリーとは3年程前に出会った。
行き倒れて死にかけている人間なんて珍しくもなく、普段のトウコも眉一つ動かさずに通り過ぎていた。しかし、この時はボロボロの筋肉の塊が道端に転がっているのが妙に気になり、トウコはうつぶせで倒れていた体を足で蹴って起こした。
それがマリーとの出会いだ。
マリーは当時所属していたチームのリーダーが、報酬をごまかして差分を自分のものにしていたことに気付いたが、逆にその罪を被せられ追われた。
リーダーを含む、追いかけてきた人間を全員殺したものの、自分も手ひどい傷を負い力尽きて倒れたということだった。
「女子に年齢を聞くなんてマナー違反よ」
と言うので、年齢は知らない。恐らく30代前半だとトウコは思っている。
スキンヘッドで金色に近いこげ茶のあご髭に薄い茶色の目をしている。以前酔っぱらったリョウがあご髭を剃ろうとしたら、本気で殺されかけていた。筋骨隆々でバトルハンマーを振り回して豪快に敵を叩き潰すが、回復魔法が得意で本人はヒーラーだと言い張っている。恋愛対象は男で意外とモテるが、「重すぎる」という理由でよく振られて泣いている。リョウが「重すぎるって筋肉?それとも気持ち?」とフラれて号泣しているマリーに聞いて、本気で殺されかけていた。
それからなんとなく2人で行動するようになり、2年前にリョウと出会った。
街で突然、一目惚れした!と声をかけられ、無視しようが延々とついてきて、捲いてもどこからともなく現れついてくる。仕方がないのでボコボコにしようとしたら嬉々として短剣を構えて襲いかかってきた。それがリョウだ。
本人曰く、貴族の三男だか四男で、人妻に手を出したらその旦那に殺されそうになり、逆に殺したら勘当されたので、国を出てフラフラしているとのことだった。ただ、殺した相手は女を痛めつけて喜ぶクズ野郎で、その人妻も相当酷い扱いを受けていたとリョウは言っていたが、トウコはそれが本当だろうが嘘だろうが特に興味はない。けれど、貴族の三男だか四男なのは本当なのだろうと思っている。金やそれに近い色の髪や目は、この世界において当たり前だが、リョウのような綺麗な金髪はあまり見ない色で、それは貴族などの所謂支配者層によく見られる色だからだ。
主に、両手に短剣を持って敵を切り刻むのを好むが、補助魔法と付与魔法も得意だ。また、
体のあちこちに暗器を忍ばせているあたり、ねちっこい性格を表しているなとトウコは思っていた。
マリーともリョウともこんなに長く一緒にいるとは思ってもいなかった。全員行く当てがなく孤独だったのかもしれないが、孤独を舐めあっているうちに誰もいなくなると思っていた。それなのに1年前に家を買い、3人で住んでいる。長く1人で過ごし、いずれ1人で野垂れ死ぬだろうと思っていたトウコは、未だ1人でない自分が不思議だったが、それでもやはり、そのうちまた1人になるだろうと思っていた。
なぜならトウコは忌み子だからだ。
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