11 / 11
瀬名と信康
しおりを挟む
家康の嫁の瀬名さんは、今川家の血筋です。織田信長は、今川義元を討って、駿河を崩壊させた人物ですが、瀬名さんの夫、徳川家康は、彼の家来になり、織田家の盾として、甲斐の武田、越後の上杉、相模の北条と対峙します。甲斐の武田は、長篠の戦いで痛手を受けますが、まだまだ元気です。
「旦那様、可哀想」
瀬名は、夫を思うあまり、各国と和平交渉を開始します。幸い、甲斐の窓口に伝手があり、相模の北条には、親戚の氏直が逃げ込んでいます。今川氏直は、今川義元が討たれた後、駿河国を維持できず、妻の実家の北条に逃げ込んだ経緯があります。ただ、氏直は、瀬名さんの両親を処刑した人物です。複雑な思いはありますが、愛する夫のために恨みを忘れ、いや、心の奥にご退場いただき、交渉します。
瀬名は、築山屋敷に、それぞれの代表者を招きます。戦を止め、それぞれが奪い合うのではなく、融通し合う、自由貿易を提案します。築山の庭のお花畑は、それはそれは綺麗な物でした。
家康と瀬名の子、信康は、勇猛果敢な若武者に育っていましたが、そんな母に感化されてしまいます。彼は、元々、戦闘民族ではない優しい性格だったのです。そんな工作を画策しますが、武田勝頼は、瀬名の陰謀を織田信長に密告します。織田と徳川の分断を狙った策略です。
勝頼の狙いは成功し、織田信長から、家康に命が下ります。
「お前の嫁と息子、謀反の疑いがあるぞ。成敗せい」
瀬名と信康は、家康の命を待つ事なく、命を断ちます。
「旦那様、可哀想」
瀬名は、夫を思うあまり、各国と和平交渉を開始します。幸い、甲斐の窓口に伝手があり、相模の北条には、親戚の氏直が逃げ込んでいます。今川氏直は、今川義元が討たれた後、駿河国を維持できず、妻の実家の北条に逃げ込んだ経緯があります。ただ、氏直は、瀬名さんの両親を処刑した人物です。複雑な思いはありますが、愛する夫のために恨みを忘れ、いや、心の奥にご退場いただき、交渉します。
瀬名は、築山屋敷に、それぞれの代表者を招きます。戦を止め、それぞれが奪い合うのではなく、融通し合う、自由貿易を提案します。築山の庭のお花畑は、それはそれは綺麗な物でした。
家康と瀬名の子、信康は、勇猛果敢な若武者に育っていましたが、そんな母に感化されてしまいます。彼は、元々、戦闘民族ではない優しい性格だったのです。そんな工作を画策しますが、武田勝頼は、瀬名の陰謀を織田信長に密告します。織田と徳川の分断を狙った策略です。
勝頼の狙いは成功し、織田信長から、家康に命が下ります。
「お前の嫁と息子、謀反の疑いがあるぞ。成敗せい」
瀬名と信康は、家康の命を待つ事なく、命を断ちます。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる