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映画2

とらわれて夏

　ヘンリーの店では、桃のパイが好評で、飲食店として繁盛していた。
　そんなある日、彼の元へ一通の手紙が届く。その内容が、ヘンリーを二十年前の十三歳だった頃へ引き戻した。

　その頃、ヘンリーは父親を知らず、母のアデルと二人暮らしだった。そして、脱獄犯と関わる事になる。
　脱獄犯は、ヘンリーの家を占拠したが、家事や家の補修をこなし、料理も上手だった。
　桃のパイのレシピを伝授したのも、彼だった。
　だから、ヘンリーとアデルの拘束を解いた時も、騒ぎにならず、家を出ると言う彼を、二人が引き留めさえした。
　二人は、いつしか脱獄犯を慕っていた。

　やがて、三人でカナダへ逃亡する話になるが、ヘンリーのガールフレンドが密告して、警官隊が取り囲む。脱獄犯は懲役二十年を科せられた。

　そう、ヘンリーの元に届いた手紙は脱獄犯からで、出所が決まり、もし、自分の居場所があれば、共に過ごしたい旨が書いてあった。

　そして、出所当日、アデルは、刑務所の外で、優しい脱獄犯を出迎える。
　二十年の価値がある三日を過ごした男女は、再び抱き合った。