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雨川 海(旧 つくね)

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邦画

怪物

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   「怪物(沙織の場合)」

 シングルマザーの沙織は、息子のミナトの言動に戸惑います。

「人に豚の脳を移植した場合、それはブタ、それとも人間」などと言うのです。

 しかも、怪我をした時もありました。沙織は、ミナトの証言から、担任教師の体罰が原因だと信じ、学校にねじ込みます。
 ですが、表面的な謝罪だけで、不満を覚えます。
 この事件は、PTAでも問題になり、校長が、渋る担任を説得して、謝罪させます。
 事が収まるかに見えましたが、担任は、世間から体罰教師のレッテルを貼られ、マスコミ、SNS、などで炎上します。
 それにより、担任教師は、学校を辞め、引越しを余儀なくされます。

 そんな騒動の中、ミナトと同級生のヨリの二人が、嵐の日に行方不明になったのです。


   「怪物(保利の場合)」

 小学校で担任を務める保利は、昔から誤解されやすい性格でした。児童のために一生懸命になるのですが、今回は空回りしてしまいます。

 発端は、クラスの中で、同級生のミナトとヨリが争ったさい、保利が仲裁に入りますが、肘がミナトの鼻に当たり怪我をさせてしまいます。

 後日、ミナトの母、沙織が学校に押しかけ、暴力と暴言で体罰を加えたと、保利を糾弾します。
 暴力の件はともかく、暴言は、ミナトの脳が豚の脳だと言う。身に覚えのないものでした。

 事件が大きくなり、保利は、職を失い、住む場所を追い出され、恋人にも去られてしまいます。
 そんなある日、保利は、ヨリの作文に隠された秘密をとき、ミナトが嘘をついた理由を理解します。
 ミナトは、ヨリへの恋愛感情をいだいていた。


   「怪物(湊の場合)」

「怪物だぁぁぁれだ」

 山に放置された廃電車の中で、ミナトとヨリは、二人で考えた遊びに興じていた。
 二人は仲良し以上の感情を持ってから、学校では、互いに相手を遠ざけるようになる。
 特にミナトの方は、その傾向が強かった。

 ヨリは、父親から「お前の脳は豚の脳」だと罵られ、虐待を受けていた。
 弱った家畜を見つけるのは、児童も得意だった。ミナトも、それに加担させられる。

 ある日、ミナトは母に問い詰められ、担任に肘打ちされた件を話す。
 そのさい、「豚の脳」の発言も、担任の発言にしてしまう。ヨリの事だと知られたくなかった。
 ミナトは、嘘を重ねて自己嫌悪に陥る。

 二人は、嵐の中、秘密基地で過ごすが、土砂崩れに巻き込まれてしまう。
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