本当は、やめてほしくなかった

さい

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2章

30.目覚め

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 「ここは…」

 長い夢から目が覚めた時、怜は自分がどこにいるのかを、最初理解できずにいた。

 「俺は、生きてる…のか?」

 「何寝ぼけてるんだ? 怜」

 悠太はベッドの隣で、怜を抱いて寝ている。

 「夢…だったのか」

 悠太が隣にいることを知って、怜は安堵の溜息を漏らした。

 「すごく長い夢を見た気がする」

 「うなされてたよ」

 「名前を呼んでた」

 「名前? 誰の」

 「こっちが聞きたいんだけど」

 「誰なんだ? 恵って」

 と、にやけながら、悠太は顔を擦り寄せてくる。それから体の上に乗って、被さるように体をくっつける。

 「浮気してるんだ」
 
 首を、甘噛みすると、怜は気持ちよさそうな声を漏らす。

 「あいつに殺されたんだ」

 「なんだって?」

 悠太は構わずに、怜の体を、下の方に舐めていった。

 「殺されたんだ」

 「すぐ忘れるよ」

 「夢なんだから」

 ピンク色の乳首を口に含んで、吸い上げる。それから舌で円を描くように回しながら、舐めはじめる。硬くなった乳首が、舌に当たる時の感触が悠太は堪らなく好きだった。

 「気持ちいい?」

 「あっ、ん…気持ちいい」

 悠太が右手で、片方の乳首をいじり始めると、怜はもっと大きな声で喘ぎながら、体をよじらせた。

 「そろそろ準備しないと」

 「大丈夫。まだ時間あるから」

 「入れるよ」

 「そんな急がなくてもいいって」

 「黙れ」

 「後ろに回って、穴広げろ」

 悠太はニヤッとして、怜に従う。パンツを下ろして、お尻を怜の方に突き出した。

 「入れるなら早く入れてよ」
 
 「もう、我慢できないんだ」

 穴を両手で大きく広げながら、甘い声で誘惑して来る悠太を見て、怜は我慢できずに後ろから一気に、ペニスを突っ込んだ。

 「うっっ…」

 「あんっ! あんっ!」

 「もっと強くして!」

 「お尻叩いて」

 「もっと強く叩いて!!」

 怜は何も考えることができなかった。お尻を強く叩く度に、悠太のやらしい声が部屋中を満たした。

 怜はその声がたまらなく好きだった。骨盤を両手でしっかりと掴んで、腰を激しく動かせた。

 ペニスの先っぽが、悠太の奥のどこかにぶつかる感覚が、またたまらなかった。そこに、一気に精液をぶちまけるのだ。それを想像するだけで、また一段と、ペニスは硬くなっていった。

 「首を絞めてくれ…」

 「もっと強く!!」

 悠太はまだ足りないらしく、怜の手を後ろ手で握って、脇腹を叩く。

 「ここ、強く拳で殴ってほしい」

 「死んじゃうぐらい気持ちいいんだ」

 「お願い」
 
 「最近、全然殴ってくれないから溜まってるんだ」

 「もう、我慢できないんだ…俺」

 怜は、返事をしなかった。ただ、それでも腰の動きを止めずにいた。それから無言で、射精した。
 
 「俺はもう…」

 怜はペニスを抜いて、泣いた。

 「ごめん…」

 悠太は怜をぎゅっと抱きしめて、そう言った。

 

 

 
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