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11、城へ
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朝、目が覚めてからの私の気分は一言で言って憂鬱でした。
理由は勿論、城にいかないといけないから。まったくもって不安しかない。
男のふりをしないとならないらしいけど、どんなふうにしたらいいのかな?
……宝塚みたいなのは嫌だったけど、もう面倒だから漫画とか小説に出てきた王子様キャラで乗りきろうかな?
……あー、でも…執事みたいに物静かにしてもいいかな?
とりあえず、反抗はしない…取り込もうとしない限りは、って注がつくけどね。
自分の中で勝手に悩んで解決して私の頭の中は朝から大忙しである。
朝食を食べに移動すると、なぜか騎士団の皆が集まって騒いでいた。
「いやー、昨日のご飯がまじでうまくてよー」
「確かにな。俺初めて食ったかもあんなにうまい飯」
「そんなにか!あー、昨日ここで食べとけばよかったぜ」
「ナナキちゃんの手料理…」
「残念だ…」
口々に私の料理の自慢や、食べられなかったことの悔しさを語る騎士団の面々。
自分にとって簡単なものを作ったつもりだったけど、そこまで言われると恥ずかしくなってしまう。
顔を真っ赤にしてプルプルと震えていると。
……ひょいっ
「うひゃあっ!」
いつの間にか背後に立っていたレオンさんに持ち上げられた。
「おはようございます。ナナキ、そんなに顔を赤くさせてどうしたんですか?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
絶対確信犯でしょ。
呆れたのでレオンさんを無視して団長さんを呼んだ。
「団長さん!レオンさんに虐められた!助けて!」
我ながらまるっきし子どもだなと思ったけど、背に腹は変えられない。
「ええー、素直に降ろしてって言えばいいのに…可愛いなー」
この際、恥をしのんでやろうと徹底して子どもっぽくした。
私の声を聞いた団長さんは騒いでいた集団の中から現れて、私の首根っこを掴んで助けてくれた。
助けてもらった分際でこう思うのはなんだけど、本当にこの持ち方はやめてほしいな。そこらにいる動物みたいな扱いをされてる気分になるから。
一応彼には恨みがこもった視線を送っておいた。
勿論、スルーされたが。
そして、そのままの状態で集団の方に連れていかれ、私がこれから料理当番になることを団長さんが皆に向かって言うと。
「「「「「「「 うおー! 」」」」」」」
昨日食べられなかった人や食べた人まで一緒になって叫び喜んだ。
野太い男達の声の大きさに驚きすぎて思わず団長さんにしがみついてしまった。
その結果、団長さんの服にはシワがついてしまったのだが、本人は全く気にしていないようだったので安心した。
今日の日程を確認したあと、朝食(アルさんが作った)を食べ、服も着替えて城に向けて出発をした私と団長さんとレオンさん。
城に着くまでの間、団長さんにいろんなことを聞いた。特に気になったのが魔法師団長のマルスという人物のこと。
団長さんとは幼なじみらしく、整った顔をしているが腹黒らしい。
マルスさんの話をした時の団長さんの顔と言ったら、まるで苦虫を潰したような表情をしていた。
ちょっと面白かったけど、これからその人も王様との謁見にいるらしく「面倒だ」と呟いたのを聞いて怖くなった。
私のステータスを知っても平気でいてくれる人であってほしいな。
本当に、切実に!若干、団長さんの説明を聞いてサイコな人を想像ちゃったけど…うん、予想がはずれてほしいな。王様に会う前からドキドキが止まらない。
あ、もちろん変な意味じゃないけどね。
団長さんやレオンさんとワイワイガヤガヤしていたら、あっという間に城へついた。
ちょっと、城大きすぎません?
どどんと構えるように建つ城は見上げなければならないほど高い。首が痛くなりそうだ。
ガタイのいい門番も素敵なアクセントになっている。
ただ、団長さんを見た時にヘコヘコしていたのには、ちょこっと…いや、かなり幻滅した。
私が思わず冷めた目で見てしまったのは仕方がない。
案内され城内を見て回ると高そうな花瓶や、絵画が沢山あった。
売ったら一体いくらになるのだろうと不謹慎なことを考えながら前に進んだ。
私があまりにもキョロキョロし過ぎたのか、レオンさんに途中「可愛い」と何回か抱きしめられたことについては理解出来なかったが。
しばらく進むと、団長さんは大きい扉の前で足を止めた。
どうやらその扉の向こうが謁見の間らしい。
私は高鳴る胸をそっと抑えながら扉の中に足を進めた。
理由は勿論、城にいかないといけないから。まったくもって不安しかない。
男のふりをしないとならないらしいけど、どんなふうにしたらいいのかな?
……宝塚みたいなのは嫌だったけど、もう面倒だから漫画とか小説に出てきた王子様キャラで乗りきろうかな?
……あー、でも…執事みたいに物静かにしてもいいかな?
とりあえず、反抗はしない…取り込もうとしない限りは、って注がつくけどね。
自分の中で勝手に悩んで解決して私の頭の中は朝から大忙しである。
朝食を食べに移動すると、なぜか騎士団の皆が集まって騒いでいた。
「いやー、昨日のご飯がまじでうまくてよー」
「確かにな。俺初めて食ったかもあんなにうまい飯」
「そんなにか!あー、昨日ここで食べとけばよかったぜ」
「ナナキちゃんの手料理…」
「残念だ…」
口々に私の料理の自慢や、食べられなかったことの悔しさを語る騎士団の面々。
自分にとって簡単なものを作ったつもりだったけど、そこまで言われると恥ずかしくなってしまう。
顔を真っ赤にしてプルプルと震えていると。
……ひょいっ
「うひゃあっ!」
いつの間にか背後に立っていたレオンさんに持ち上げられた。
「おはようございます。ナナキ、そんなに顔を赤くさせてどうしたんですか?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
絶対確信犯でしょ。
呆れたのでレオンさんを無視して団長さんを呼んだ。
「団長さん!レオンさんに虐められた!助けて!」
我ながらまるっきし子どもだなと思ったけど、背に腹は変えられない。
「ええー、素直に降ろしてって言えばいいのに…可愛いなー」
この際、恥をしのんでやろうと徹底して子どもっぽくした。
私の声を聞いた団長さんは騒いでいた集団の中から現れて、私の首根っこを掴んで助けてくれた。
助けてもらった分際でこう思うのはなんだけど、本当にこの持ち方はやめてほしいな。そこらにいる動物みたいな扱いをされてる気分になるから。
一応彼には恨みがこもった視線を送っておいた。
勿論、スルーされたが。
そして、そのままの状態で集団の方に連れていかれ、私がこれから料理当番になることを団長さんが皆に向かって言うと。
「「「「「「「 うおー! 」」」」」」」
昨日食べられなかった人や食べた人まで一緒になって叫び喜んだ。
野太い男達の声の大きさに驚きすぎて思わず団長さんにしがみついてしまった。
その結果、団長さんの服にはシワがついてしまったのだが、本人は全く気にしていないようだったので安心した。
今日の日程を確認したあと、朝食(アルさんが作った)を食べ、服も着替えて城に向けて出発をした私と団長さんとレオンさん。
城に着くまでの間、団長さんにいろんなことを聞いた。特に気になったのが魔法師団長のマルスという人物のこと。
団長さんとは幼なじみらしく、整った顔をしているが腹黒らしい。
マルスさんの話をした時の団長さんの顔と言ったら、まるで苦虫を潰したような表情をしていた。
ちょっと面白かったけど、これからその人も王様との謁見にいるらしく「面倒だ」と呟いたのを聞いて怖くなった。
私のステータスを知っても平気でいてくれる人であってほしいな。
本当に、切実に!若干、団長さんの説明を聞いてサイコな人を想像ちゃったけど…うん、予想がはずれてほしいな。王様に会う前からドキドキが止まらない。
あ、もちろん変な意味じゃないけどね。
団長さんやレオンさんとワイワイガヤガヤしていたら、あっという間に城へついた。
ちょっと、城大きすぎません?
どどんと構えるように建つ城は見上げなければならないほど高い。首が痛くなりそうだ。
ガタイのいい門番も素敵なアクセントになっている。
ただ、団長さんを見た時にヘコヘコしていたのには、ちょこっと…いや、かなり幻滅した。
私が思わず冷めた目で見てしまったのは仕方がない。
案内され城内を見て回ると高そうな花瓶や、絵画が沢山あった。
売ったら一体いくらになるのだろうと不謹慎なことを考えながら前に進んだ。
私があまりにもキョロキョロし過ぎたのか、レオンさんに途中「可愛い」と何回か抱きしめられたことについては理解出来なかったが。
しばらく進むと、団長さんは大きい扉の前で足を止めた。
どうやらその扉の向こうが謁見の間らしい。
私は高鳴る胸をそっと抑えながら扉の中に足を進めた。
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