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67、お姫様は今日も面倒 1
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「あー、そこまで言いきられるとは予想しなかったよ」
ははっ、と笑いながらそう言ってくる国王。
(嘘つけこのたぬきじじい。絶対私の反応わかってたでしょ。自分の息子を見てみようよ、可哀想だよ。この世の終わりみたいな顔してるよ)
さっきの嬉しそうな顔とは裏腹にどよんと暗い雰囲気をまとって地面に落書きをしているユリア王子。そのうちキノコでも生えてくるんじゃないだろうか。
「さて、国王様。さっきのような馬鹿な提案なんていりませんので、さっさと私にしてほしいことでもなんでも言ってください」
「うーん、そう言われてもねぇ。人間兵器は別に必要じゃないんだよね。だって、女の子や子供にそんなことさせたら国民から避難されちゃって国が終わっちゃうし。やっぱり王族か貴族の嫁になって貰うのが一番なんだよね」
どストレートな発言に、私は笑みを浮かべる。
「ふふっ、最低ですね」
「それほどでも」
「褒めてません」
つまりは特に何もしなくていいということか。なんだ、無駄に焦って損をした。
「じゃあ、別に用事もないんですね。それなら、どうぞお帰りになられてください。私達はこれから訓練があるので…そうしてくれるとありがたいんですが……?」
(さっさと帰れ。面倒だ)
王様はすんなりと帰ると言ったが、黙ってない人間がいた。
「用件はありますわよ!よくも私たちを騙してくれましたわね!」
「乙女の純情を返しなさい!」
「は?」
ビシッと指を突き立てながら私にそう言ってくる王女様たち。
(何言ってんの?)
「申し訳ありませんが、何のことでしょう?」
「まぁ、分からないんですの!女のくせに男と偽っておいて!」
「そうまでして多くの殿方と接近したかったのかしら?はしたない!」
意味がわからなすぎてなんか怖い。王女様たちの言っていることが理解できない。
「あの、一言申し上げますが、私は自分から男だと言った覚えはありませんが?」
それとも、自分から言ったことでもあったかと団長さんを仰ぎみる。
「あぁ、ナナキの言う通りだ。こいつから男だと言ったことはない。この俺が必要だと思ってついた嘘だ」
ひとつ頷いたあと同意してくれる。
「では、貴方は国王に嘘をついたことになりますわ!」
「騎士団長がそんな人間でもよろしいですの!?即刻、首にするべきですわ!」
なおも怒りが収まらない様子の王女様たち。
それを見ていた王様が横から王女様たちを庇う。
「申し訳ないね。カインくんが嘘をついていたのは何となく初めからわかっていたよ。ナナキ君が女の子だと薄々気づいていた。確信はなかったんだけどね。まさか、こんなに美人さんに成長するとは思いもしなかったよ」
やはりあの、数年前の謁見の時から気づかれていたのか。わざわざ、君を強調していたし。
それでも今まで黙っていたということは、王様なりの考えがあったからか。
「それでも!」
「いいかい?これ以上、ここで何かしようものなら俺は止められないよ?」
「一体何を止めるというんですの?お父様?」
「騎士団員を、だよ」
その言葉で、ハッとした様子の王女様たち。どうやら気づいたようだ。さっきから黙っていた騎士団たちの間に殺気に近いものが漂っていたことに。それを見て彼女達はぐっと押し黙った。
(あーあ、泣きそうだよ姫様たち。どうしたもんかね?)
私は溜息をつき、どうしたらいいのか思案するのだった。
ははっ、と笑いながらそう言ってくる国王。
(嘘つけこのたぬきじじい。絶対私の反応わかってたでしょ。自分の息子を見てみようよ、可哀想だよ。この世の終わりみたいな顔してるよ)
さっきの嬉しそうな顔とは裏腹にどよんと暗い雰囲気をまとって地面に落書きをしているユリア王子。そのうちキノコでも生えてくるんじゃないだろうか。
「さて、国王様。さっきのような馬鹿な提案なんていりませんので、さっさと私にしてほしいことでもなんでも言ってください」
「うーん、そう言われてもねぇ。人間兵器は別に必要じゃないんだよね。だって、女の子や子供にそんなことさせたら国民から避難されちゃって国が終わっちゃうし。やっぱり王族か貴族の嫁になって貰うのが一番なんだよね」
どストレートな発言に、私は笑みを浮かべる。
「ふふっ、最低ですね」
「それほどでも」
「褒めてません」
つまりは特に何もしなくていいということか。なんだ、無駄に焦って損をした。
「じゃあ、別に用事もないんですね。それなら、どうぞお帰りになられてください。私達はこれから訓練があるので…そうしてくれるとありがたいんですが……?」
(さっさと帰れ。面倒だ)
王様はすんなりと帰ると言ったが、黙ってない人間がいた。
「用件はありますわよ!よくも私たちを騙してくれましたわね!」
「乙女の純情を返しなさい!」
「は?」
ビシッと指を突き立てながら私にそう言ってくる王女様たち。
(何言ってんの?)
「申し訳ありませんが、何のことでしょう?」
「まぁ、分からないんですの!女のくせに男と偽っておいて!」
「そうまでして多くの殿方と接近したかったのかしら?はしたない!」
意味がわからなすぎてなんか怖い。王女様たちの言っていることが理解できない。
「あの、一言申し上げますが、私は自分から男だと言った覚えはありませんが?」
それとも、自分から言ったことでもあったかと団長さんを仰ぎみる。
「あぁ、ナナキの言う通りだ。こいつから男だと言ったことはない。この俺が必要だと思ってついた嘘だ」
ひとつ頷いたあと同意してくれる。
「では、貴方は国王に嘘をついたことになりますわ!」
「騎士団長がそんな人間でもよろしいですの!?即刻、首にするべきですわ!」
なおも怒りが収まらない様子の王女様たち。
それを見ていた王様が横から王女様たちを庇う。
「申し訳ないね。カインくんが嘘をついていたのは何となく初めからわかっていたよ。ナナキ君が女の子だと薄々気づいていた。確信はなかったんだけどね。まさか、こんなに美人さんに成長するとは思いもしなかったよ」
やはりあの、数年前の謁見の時から気づかれていたのか。わざわざ、君を強調していたし。
それでも今まで黙っていたということは、王様なりの考えがあったからか。
「それでも!」
「いいかい?これ以上、ここで何かしようものなら俺は止められないよ?」
「一体何を止めるというんですの?お父様?」
「騎士団員を、だよ」
その言葉で、ハッとした様子の王女様たち。どうやら気づいたようだ。さっきから黙っていた騎士団たちの間に殺気に近いものが漂っていたことに。それを見て彼女達はぐっと押し黙った。
(あーあ、泣きそうだよ姫様たち。どうしたもんかね?)
私は溜息をつき、どうしたらいいのか思案するのだった。
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