え?私、最強なんですか?~チートあるけど自由気ままに過ごしたい~

猫野 狗狼

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78、生徒会室への呼び出し

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「ナナキ・カミシロ。放課後、生徒会室へ来るようにぃ」

 学校に通い始め、一週間ほど経って「そろそろかな」と思い始めた頃。
 お昼ご飯を食べようとした時、先生にそう告げられた。

(ついにきたか)

 お姫様達からのお呼び出しだ。
 正直、行きたくはない。というか、彼らに近づきたくない。
 放っておいてもらうことが何よりも嬉しいことだが、この際きっちりと清算して決別するのも悪くないとも思っている。

「ナナキさん、大丈夫?」

 何となく雰囲気が変わったのに気がついたのか、クレアが私にそう尋ねてきた。

「うん、大丈夫。気にしないで」
(あぁ、なんていい子なんだろう)

 この子の爪の垢をお姫様達に飲ませたいくらいだ。
 憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる美少女に感動しながら、私は放課後を迎えたのだった。

♦♦♦♦

 生徒会室。

「先日は本当に申し訳ありませんでした」

 生徒会室に入って直ぐに聞こえたのは、生徒会長でありこの国の第一王子のユリアの謝罪だ。

「…」

 何を言うのが正解なのだろうか。
 「気にしないでください」と言うか、「謝るのは私の方です」とでも言うべきか…。
 そもそもの話としては、事の発端は王子達ではなく姫達のワガママなのである。止めなかった王子達に非が全くないわけではないのだけど…。

(ふむ)

 私は一呼吸置いて彼をまっすぐと見つめ口をひらいた。

「生徒会長の謝罪は受け入れます。しかし、当の本人であるサーシャ様とシルフィ様が居ないのはどういう事ですか?」

 室内に入って気になっていたことだ。
 謝罪をするためによびだしたとしても、最も私に謝罪すべき人間がこの場にいないのは理解できない。

「あの子達は…」

 気まずそうに目を伏せるユリアに姫達の状態が何となく想像できた。

(自分達は悪くないって思ってるんだね)

 当たり前だ。
 王族として、姫として蝶よ花よと甘やかされて育てられた彼女達の事だ。
 性別を暴露した時の発言からして、全て私が悪いとでも考えてそうだ。逆恨みをしている可能性が高い。

「…サーシャ様達の謝罪がない限りは、私は先日のことを許すつもりはありません。仮にも生徒会の人間、または王族が自分を守る存在や支えて貰う、守るべき対象に向かっての心無い言葉をぶつけるのは学校という社会、国という社会の崩壊を意味すると思っています。今ある全てが当たり前出ないことを理解して貰えることを願っています」

 私に言えるのはここまで。
 ユリア達には頑張って貰いたい。彼女達があのまま大人になってしまえば、くらい未来しか待ち受けてないのだから…。

 一礼して生徒会室を退室した。

 数日後、まさかあんな事件が起こるとはこの時の私は想像もついていなかった。

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