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77、召喚獣って憧れだよね?

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 学校に通い始め数日。
 今日は待ちに待った実技の授業だ。

「今日の授業って何か分かりますか?」

 ピンクゴールドのストレートヘアがチャームポイント(?)の女の子、クレア・ルージュさんに問いかけた。

「先生からはこれから生活を共にする使い魔を召喚するって言っていたわ」

 …召喚獣。

「本当ですか!?」
「え、えぇ」

 興奮のあまりクレアさんの両手を握って顔を近づけてしまう。
 すると彼女は頬を赤くしてしまった。

(しまった。顔近づけ過ぎちゃったかも…嫌だったよね?)

 申し訳なくなり謝ると、クレアさんは両手を左右に振って気にしないでと言ってくれる。…天使ですか。

 何はともあれ、召喚獣について。
 皆は一度くらい夢見たことあるよね?式神とか使い魔とか使えるようになったらな…って。
 私はありますよ?勿論。高校生になっても夢見てましたからね。ちなみに小さい頃、霊感があったんですよ?嘘じゃないから、本当だから。
 親に言ったら、誰にも言ったらいけませんって言われたけどね。
 今思うと、頭が可哀想な子って思われてたのかと考える。
 …コホン。話が脱線していたね。聞かなかったことにして欲しい。

「使い魔…楽しみですね」

 喜びを隠そうともせずに締りのない笑顔でクレアさんにそう言うと、彼女は「そうね」と微笑んだ。
 …心做しか小さな子を見る姉のような母親のような眼差しだった気がした。

♦♦♦♦

 実践のための演習場にて。

「お前は召喚しなくていいよー」

 先生に言われたのはその一言だった。

「えっ!?何でですか?」

 どうして私だけなのか理由を明白にしてもらわなければ納得できない。

「なんでって言われてもねぇ。使い魔じゃないけど、似たようなのいるでしょう?」

 つまり、ヒライ達がいるから召喚獣は必要ないだろうと言うことか。

(契約解除したらしてもいいってこと?)

「例え、契約解除したとしてもとんでもないの呼び出しそうだから許可はできないかなぁ?」

 私の思考を読んでか先生に先に言われてしまう。
 こういう時、自分のチート能力が恨めしく感じる。

「ナナキさん、残念だったわね…。あんなに楽しみにしてたのに」

 あまりにも悲壮な表情を私がしてしまったからか、クレアさんが慰めてくれた。

「はい、残念ですが皆さんの召喚する様子を見学してますね」

 皆がいる輪から少し離れた距離で体操座りをして座った。
 すると、興味深そうに先生が私に近寄ってくる。

「何でそんな座り方してるんだぁ?」
「コンパクトで安定するからです」

 真面目に答えたら笑われた。…解せぬ。

 妖精や幻獣を召喚するクラスメイト達を羨ましく思いながら、召喚の実技の授業は終わった。
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