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荒涼 彩雲 2
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短時間とはいえ、自分の都合で
男を裸のままで放置してしまった。
それは素直にすまなく思った。
男に下着とパジャマを用意するつもりだったが、
どうやら俺よりデカそうである。
『合わない・・』
下着は諦め、スウェットだけ着せる事にした。
デカめのスウェットを引っ張り出して合わせる。
なんとか入りそうだったが、
脱がせるのに苦労したのだ。
着せるのはもっと難しかった。
両足を入れて少しづつずらして上げていく。
当然男のモノが目に入る。
元気がない状態ではあったが、
触れてみたい衝動がこみ上げる。
『どうかしてるな俺。』
気持ちを抑えてようやく穿かせた。
とりあえず俺の毛布と掛布団で男を包む。
男は幼子のような顔で深い眠りについた。
しばらくして、この不思議な状況を振り返る。
『何故俺は素性も知らない男の面倒を見てるんだ?
自分が頼りにされた事が嬉しかったのかもしれない。
誰かのためになりたかったのかもな。
―独りぼっちになってしまっても平気だ。―
そう思って生活していたが、
やはり寂しかったのかな、俺。
いや、男を運び入れてからの男の息遣い。
裸のガタイの重み、温もり、匂い・・
その刺激に蘇った俺の男への興味。
それも少しは影響してないか?』
吐き出した性欲の後に冷静になったはずの頭は
言い訳がましく混乱した。
しかも、こうして思いふける時にさえも、
男の裸体が浮かんで、燈り始めた欲望の炎を大きくした。
俺は抱いた邪念を払い落としたくて、風呂場に向かった。
ジムでシャワーは浴びて来ていたが、
熱めの湯を頭からかぶる。目をつぶって浴び続ける。
だが、男の裸体が頭から離れない。
俺のモノが再び頭を持ち上げようとしている。
トイレで吐き出しだけでは済まなかったらしい。
手を添えるとせがむようにデカくなる。
収まりそうにない自分のモノに、
俺は泡立てたボディソープを含ませる。
ゆっくり滑らすと,付け根と脳髄に
甘く愛おしい刺激が走る。
さらには、堅くなった乳首を摩りながら
優しく激しく慰めてやる。
男と絡み合う妄想は簡単だった。
次第に呼吸が乱れ、やがて脳天を貫き
「ううっ・・」
切なく声を漏らし、
大量の体液を吐き出した。
翌朝、男はまだ眠りの中に居た。
『粥でも作っておくか。』
キッチンで準備を始めた。
と、ふいに
「わぁ!」
男の奇声が聞こえた。
驚いて居間を開けると、
ソファーに横たわったまま
悪い夢でも見たかのように、
焦点の合わない目で天井を仰いでいた。
「オイどうした?大丈夫か?」
その声は予想外だったのだろう。
俺に顔を向けて
『・・あれ?ここは・・』
腫れの残る顔は、そんな面を作った。
昨夜の事は忘れているに違いない。
周りを見渡し、再び俺の顔を確認して
自分がどこに居るのかようやく理解したようだ、
と同時にソファーから飛び起きようとした。
しかし、体中の打撲の痛さがそれを許さなかった。
「つぅ・・」
我慢がそう短い声をつかせた。
「もう少し痛さが引くまで安静にしてるんだな。
鎮痛剤を飲めば少しは動けるようになるだろう。」
水と共に薬を渡した。
「すまねぇ。」
ボソッと礼を言うと一気に飲み込んだ。
「粥を作ったんだが食えるか?」
そう尋ねたが
「そこまで世話になるわけにはいかねぇ」
気丈にもソファから体を起こす。
「手当てをするのに服脱がせたぞ。」
裸にスウェットの自分の姿に戸惑うのを察し
そう言葉を掛けた。
「そっか、面倒掛けちまったな。」
男はまだ生乾きの衣類を着辛そうに腕を通し、
痛む体を引きずり、チョコンと頭を下げて出て行った。
これ以上男に構うのは、
ヤツにも俺自身にも良くないと、
引き留めることはしなかった。
もう関わる事はないだろう。
これっきりだと黙って見送った。
それにしても何事だったのだろう。
これが悪い夢とでも言うのだろうか。
その後は、それらも夢のあとさき。
男を忘れるほど平穏に過ごす日々となった。
そして、それはいつも突然であった。
春にはまだ遠い、雪解け晴天のある日。
掃除や洗濯で忙しく時間を潰し、
晩酌の準備も整った頃、玄関のチャイムが鳴った。
出てみると例の男がバツが悪そうな顔で立っていた。
一瞬かまえた男は、ぶっきら棒に頭を下げ、
「世話になって悪かった。これ。」
一升瓶の酒二本をズイと差し出した。
驚きを隠し切れない俺ではあったが、
そんなぶっきら棒さがコイツらしく可笑しかった。
「いらねぇよ。大した事してねぇ。」
突っ返すように言うと、
だいぶ傷跡も癒えた顔が怒ったようになり、
二升の酒瓶を強引に俺に持たせ、
また頭を下げ踵を返し去ろうとした。
「オイ、ちょっと待て。」
俺は咄嗟に呼び止めた。
「丁度晩酌のつまみを作ったとこだ。
こんなに俺ひとりじゃ飲みきれねぇ。どうだ一緒に。」
自分でも驚いたが、そう誘っていた。
ちょっと躊躇したようなヤツであったが、
「いいのか。」
意外にも食いついた。
「あぁ。ただ俺がこさえた物だ。
馳走じゃないけどな。」
そう断りを入れた。
俺自身、何故簡単に招き入れたのか不思議だった。
この家で誰かと酒を酌み交わす事など初めてである。
勝手が分からない。
しかも、コイツ一度は無断侵入だし、
もう一度はケガを負っての介抱。
どこの誰かも知らないヤツである。
でも、そんな間柄とはいえ、縁なのだろう。
そして、こうした訪問が嬉しかったのかもしれない。
男を裸のままで放置してしまった。
それは素直にすまなく思った。
男に下着とパジャマを用意するつもりだったが、
どうやら俺よりデカそうである。
『合わない・・』
下着は諦め、スウェットだけ着せる事にした。
デカめのスウェットを引っ張り出して合わせる。
なんとか入りそうだったが、
脱がせるのに苦労したのだ。
着せるのはもっと難しかった。
両足を入れて少しづつずらして上げていく。
当然男のモノが目に入る。
元気がない状態ではあったが、
触れてみたい衝動がこみ上げる。
『どうかしてるな俺。』
気持ちを抑えてようやく穿かせた。
とりあえず俺の毛布と掛布団で男を包む。
男は幼子のような顔で深い眠りについた。
しばらくして、この不思議な状況を振り返る。
『何故俺は素性も知らない男の面倒を見てるんだ?
自分が頼りにされた事が嬉しかったのかもしれない。
誰かのためになりたかったのかもな。
―独りぼっちになってしまっても平気だ。―
そう思って生活していたが、
やはり寂しかったのかな、俺。
いや、男を運び入れてからの男の息遣い。
裸のガタイの重み、温もり、匂い・・
その刺激に蘇った俺の男への興味。
それも少しは影響してないか?』
吐き出した性欲の後に冷静になったはずの頭は
言い訳がましく混乱した。
しかも、こうして思いふける時にさえも、
男の裸体が浮かんで、燈り始めた欲望の炎を大きくした。
俺は抱いた邪念を払い落としたくて、風呂場に向かった。
ジムでシャワーは浴びて来ていたが、
熱めの湯を頭からかぶる。目をつぶって浴び続ける。
だが、男の裸体が頭から離れない。
俺のモノが再び頭を持ち上げようとしている。
トイレで吐き出しだけでは済まなかったらしい。
手を添えるとせがむようにデカくなる。
収まりそうにない自分のモノに、
俺は泡立てたボディソープを含ませる。
ゆっくり滑らすと,付け根と脳髄に
甘く愛おしい刺激が走る。
さらには、堅くなった乳首を摩りながら
優しく激しく慰めてやる。
男と絡み合う妄想は簡単だった。
次第に呼吸が乱れ、やがて脳天を貫き
「ううっ・・」
切なく声を漏らし、
大量の体液を吐き出した。
翌朝、男はまだ眠りの中に居た。
『粥でも作っておくか。』
キッチンで準備を始めた。
と、ふいに
「わぁ!」
男の奇声が聞こえた。
驚いて居間を開けると、
ソファーに横たわったまま
悪い夢でも見たかのように、
焦点の合わない目で天井を仰いでいた。
「オイどうした?大丈夫か?」
その声は予想外だったのだろう。
俺に顔を向けて
『・・あれ?ここは・・』
腫れの残る顔は、そんな面を作った。
昨夜の事は忘れているに違いない。
周りを見渡し、再び俺の顔を確認して
自分がどこに居るのかようやく理解したようだ、
と同時にソファーから飛び起きようとした。
しかし、体中の打撲の痛さがそれを許さなかった。
「つぅ・・」
我慢がそう短い声をつかせた。
「もう少し痛さが引くまで安静にしてるんだな。
鎮痛剤を飲めば少しは動けるようになるだろう。」
水と共に薬を渡した。
「すまねぇ。」
ボソッと礼を言うと一気に飲み込んだ。
「粥を作ったんだが食えるか?」
そう尋ねたが
「そこまで世話になるわけにはいかねぇ」
気丈にもソファから体を起こす。
「手当てをするのに服脱がせたぞ。」
裸にスウェットの自分の姿に戸惑うのを察し
そう言葉を掛けた。
「そっか、面倒掛けちまったな。」
男はまだ生乾きの衣類を着辛そうに腕を通し、
痛む体を引きずり、チョコンと頭を下げて出て行った。
これ以上男に構うのは、
ヤツにも俺自身にも良くないと、
引き留めることはしなかった。
もう関わる事はないだろう。
これっきりだと黙って見送った。
それにしても何事だったのだろう。
これが悪い夢とでも言うのだろうか。
その後は、それらも夢のあとさき。
男を忘れるほど平穏に過ごす日々となった。
そして、それはいつも突然であった。
春にはまだ遠い、雪解け晴天のある日。
掃除や洗濯で忙しく時間を潰し、
晩酌の準備も整った頃、玄関のチャイムが鳴った。
出てみると例の男がバツが悪そうな顔で立っていた。
一瞬かまえた男は、ぶっきら棒に頭を下げ、
「世話になって悪かった。これ。」
一升瓶の酒二本をズイと差し出した。
驚きを隠し切れない俺ではあったが、
そんなぶっきら棒さがコイツらしく可笑しかった。
「いらねぇよ。大した事してねぇ。」
突っ返すように言うと、
だいぶ傷跡も癒えた顔が怒ったようになり、
二升の酒瓶を強引に俺に持たせ、
また頭を下げ踵を返し去ろうとした。
「オイ、ちょっと待て。」
俺は咄嗟に呼び止めた。
「丁度晩酌のつまみを作ったとこだ。
こんなに俺ひとりじゃ飲みきれねぇ。どうだ一緒に。」
自分でも驚いたが、そう誘っていた。
ちょっと躊躇したようなヤツであったが、
「いいのか。」
意外にも食いついた。
「あぁ。ただ俺がこさえた物だ。
馳走じゃないけどな。」
そう断りを入れた。
俺自身、何故簡単に招き入れたのか不思議だった。
この家で誰かと酒を酌み交わす事など初めてである。
勝手が分からない。
しかも、コイツ一度は無断侵入だし、
もう一度はケガを負っての介抱。
どこの誰かも知らないヤツである。
でも、そんな間柄とはいえ、縁なのだろう。
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