7 / 34
デビュー
しおりを挟む
『即デビューを確約!』
そんな字が目を飛び込んできた。思わずスマホをスクロールしていた手を止める。
「……小説の、作家?」
よくよくその記事を読めば、それは小説の新人賞の募集の宣伝で、大賞に選ばれた作品は出版が確約されるんだとか。
「……」
そんな字面を追いながら、昔は自分もいくつかこういうものに応募した事を思い出す。
あの頃は燃えに燃えて、筆も乗っていて。でも結果は全くふるわず、結局筆を折って今に至る。
「若気の至りだった、かなぁ……」
呟きながら、けどどうしてかその募集要項から目が離せない。
「……いや、」
いやいや、いや。
もう今は違うだろ。そういうものを追いかけて生きる道は止めたんだって。
首を振りながら、なのに体は消すに消せなかったパソコンと同期してあるファイルを開きだしていた。
「おいおい……」
書きかけ、ボツ、プロットのボツに走り書き。
「………………。あーくそ」
ちょっとした気分転換だ。そう、それだけ。
ちょっと目に入って興が乗ったからやってみるだけ。
デビューどころか当然、書き上がるとも思ってないし──
「とか思ってたんですよ。当時は」
「では、再度の挑戦で、栄光を手にしたという事ですか」
「そうですかねぇ、まさか本当にここまで来れるとは思ってなかったんですけどねぇ」
そんな字が目を飛び込んできた。思わずスマホをスクロールしていた手を止める。
「……小説の、作家?」
よくよくその記事を読めば、それは小説の新人賞の募集の宣伝で、大賞に選ばれた作品は出版が確約されるんだとか。
「……」
そんな字面を追いながら、昔は自分もいくつかこういうものに応募した事を思い出す。
あの頃は燃えに燃えて、筆も乗っていて。でも結果は全くふるわず、結局筆を折って今に至る。
「若気の至りだった、かなぁ……」
呟きながら、けどどうしてかその募集要項から目が離せない。
「……いや、」
いやいや、いや。
もう今は違うだろ。そういうものを追いかけて生きる道は止めたんだって。
首を振りながら、なのに体は消すに消せなかったパソコンと同期してあるファイルを開きだしていた。
「おいおい……」
書きかけ、ボツ、プロットのボツに走り書き。
「………………。あーくそ」
ちょっとした気分転換だ。そう、それだけ。
ちょっと目に入って興が乗ったからやってみるだけ。
デビューどころか当然、書き上がるとも思ってないし──
「とか思ってたんですよ。当時は」
「では、再度の挑戦で、栄光を手にしたという事ですか」
「そうですかねぇ、まさか本当にここまで来れるとは思ってなかったんですけどねぇ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる