落書き置き場

山法師

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拒否反応

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 それを見た瞬間、吐き気がこみ上げた。

 とっさに口を手で覆ったがそんなもの意味もなく、胃の中のものは逆流し嗚咽とともに吐き落とされる。
 噎せながら、地面に手と膝を突き突っ伏すのをなんとかこらえながら、またそれに目を向ける。
 向けてしまう。
 それは虚ろな瞳をこちらに寄越し、苦悶の表情を張り付けたまま事切れていた。

「……ぁ、」

 それは自分だった。けれど自分は今ここにいる。

「……は、あ……?」

 土気色の自分の顔と向かい合う。目を合わせるなと思えば思うほど、その、有り得ない状況を目に焼き付けようとしてしまう。

「……ぅあっ……? ……ッ!」

 また吐き気がこみ上げたが胃の中は空っぽで、少しの胃液が吐瀉物に追加されるだけだった。


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