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1章 勇気の章
すぐるの旅立ち
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人々が行きかう街中のど真ん中で、いきなりトラックが暴走し、建物に突っ込み、トラックもろども大爆発し、街中は大パニックになり、逃げまとう人々の叫び声でいっぱいになりました。
「あーあ、またヨーロッパでテロか・・・」ふちが黒い白いシャツとズボンを着用した黒髪のショートヘアーの十四のすぐる少年がテレビを見ながら言いました。
すぐるは、テレビニュースや新聞を見るたびに、世界各地で起こる終わらないテロや戦争、アフリカの発展途上国で広がる飢えや格差、砂漠化や森林伐採などの環境問題などの世界の問題を見て、やるせない気持ちになります。そして、そういうニュースがあるたびに、どうにか解決できないか、どうすればいいのかなどと考えますが、一緒に暮らしている母からは、なるようにしかならないとばかり言われます。
「本当にそうなのかな・・・ぼくでもできることがあるんじゃないかな・・・?世の中をよくするには、どうすればいいんだろう?このぼくの『力』を生かせないかな?」
このように、すぐるは日本の某所で、母と一緒に暮らしています。決して裕福とは言えませんが、それなりに幸せに暮らしています。すぐるの父親は、彼が十歳の時に突然、失踪してしまい、それから四年たった今でも父は帰って来ません。
「父さん、どこに行っちゃったんだろう・・・?」その後、すぐるは夕食を済ませ、自室に入り、明かりを消して、ベッドの中で眠りにつきました。
気が付くと、すぐるは真っ暗闇の中に一人でいました。
「ここは・・・どこだろう?いままで部屋の中にいたのに・・・?」すると突然、目の前が明るくなり、すぐるはまばゆい白い光に思わず目を伏せました。すぐるは恐る恐る目を開くと、目の前に十歳くらいの、十字の刺繍が入った青いシャツとズボンを着用し、円メガネをかけた金髪の少年が立っていました。
「君は・・・誰なんだい?」すぐるは少年にはなしかけました。
「ボクはアーサー・ライト、神々の長だよ」それを聞いたすぐるは驚きを隠せませんでした。
「えっ!?こんな小さな子が、神々の長だって!?でも、この子はウソを言っていない、心で分かるぞ」
「すぐる、君は世界がもう一つあるって言ったら信じるかな?」すぐるはアーサーが自分の名前を知っていることにも驚きましたが、アーサーの会話の内容には、さらに驚かされます。
「えっ!?もう一つの世界だって・・・?そんなものがあるの・・・?」すぐるは恐る恐るたずねます。
「そう、あるんだよ。君が今いるこの『現実界』とは別の次元にあるもう一つの世界、『幻想界』が。神々や人々の想像や思いが集まってできた世界なんだ。現実界で伝わっているドラゴンや妖精などは、全部幻想界の住人たちなんだよ」アーサーはぶれることなく言いました。
「そうなんだ・・・そういえば、死んだじいちゃんがその幻想界の事を話してくれたっけ・・・じいちゃんは魔法使いとしてそこを冒険したって、じいちゃんの作り話かと思ったけど・・・あれは本当の話だったんだ・・・!」
「そう、今、その幻想界で大変なことが起ころうとしている!『悪魔王カオス』が復活しようとしているんだ!」アーサーは真剣な声で話します。
「カオスって、じいちゃんが封印したって言う悪魔だったね」
「そう、カオスはかつて、創造を司る偉大な神だった。しかし、傲慢な性格が災いして神格を失い、悪魔に身を堕としてしまった。今では、カオスは全ての悪魔たちの頂点に君臨する存在だ。それをきみのおじいさんが封印したけど、幻想界で月日がたって復活し、それをさらに幻想界の勇者エルニスとその仲間たちが現れ、カオスを倒した」
「じゃあ、これで、めでたしめでたし・・・じゃないんでしょ?」すぐるは恐る恐るたずねます。
「そうなんだ。カオスの肉体は滅んだが、まだ魂は死んでいない。ヤツは現実界の憎しみや悲しみなどの負の心の力を吸収し、蘇ろうとしている。現実界と幻想界は表裏一体の世界。片方が悪くなると、もう片方の世界にも悪い影響をもたらす」
「じゃあ、カオスが復活して暴れたら、この現実界も危ないってこと・・・?」すぐるはアーサーにたずねます。
「そう、だから君の父親は、幻想界に旅立った。両方の世界を守るために」それを聞いたすぐるはハッとします。
「それで父さんは、ぼくと母さんを置いて失踪したんだ」
「そういうこと、それで彼はもしかしたら、ピンチかもしれない。だから、今でも戻ってこれないんだろう」
「そんな!だったら、父さんを助けに行かないと!どうすれば・・・!?」すぐるは必死に言います。
「答えはただ一つ、君が幻想界に行けばいい。そこで、『七つのメダル』を見つけるんだ」
「七つのメダル・・・?」
「そう、それぞれ『勇気・覇気・大志・慈愛・自由・正義・王道』を司るメダルさ。そして、そのメダルに合う『使徒』をさがすんだ」
「七つのメダルと、メダルの使徒か・・・わかった。でも、幻想界へは、どう行けばいいの・・・?」すぐるの問いに対し、アーサーはこう答えました。
「幻想界の出入りは難しくない。入り口はどこにでもある。本当にそれを求めるものの前に、それは開かれるんだ、健闘をいのる」アーサーの全身から、辺りを覆い尽くすまばゆい白い光が放たれ、すぐるは思わず目を伏せます。
すぐるが目を覚ますと、彼は自室のベッドの中にいました。
「なんだ・・・今のは夢だったのかな・・・?いや、夢にしてははっきりと覚えすぎている・・・!アーサーは本当のことを言っていたんだ・・・!で、幻想界に行くには、どうすればいいんだ・・・?本当にそれを求める者の前にそれは開かれるって言っていたっけ・・・」突然、すぐるの自室の出入り口になっているドアのすきまから、白い光がもれだしたので、すぐるはハッとしてベッドからおきあがります。
「なんだ・・・!?今の時間はみんな寝静まっているはずなのに・・・電気の明かりにしてはまぶしすぎる!もしかして、あのドアの向こうが・・・!」
すぐるはつくえから祖父が残してくれた短刀みたいなナイフを左手に持ち、そばに立てかけてあった祖父が使っていた先端に丸い飾りの付いた、シンプルな杖を左の小脇に添え、自室のドアのノブに右手をかけてドアを引き、白い光に満ちているドアの向こうへと歩き出しました。
「あーあ、またヨーロッパでテロか・・・」ふちが黒い白いシャツとズボンを着用した黒髪のショートヘアーの十四のすぐる少年がテレビを見ながら言いました。
すぐるは、テレビニュースや新聞を見るたびに、世界各地で起こる終わらないテロや戦争、アフリカの発展途上国で広がる飢えや格差、砂漠化や森林伐採などの環境問題などの世界の問題を見て、やるせない気持ちになります。そして、そういうニュースがあるたびに、どうにか解決できないか、どうすればいいのかなどと考えますが、一緒に暮らしている母からは、なるようにしかならないとばかり言われます。
「本当にそうなのかな・・・ぼくでもできることがあるんじゃないかな・・・?世の中をよくするには、どうすればいいんだろう?このぼくの『力』を生かせないかな?」
このように、すぐるは日本の某所で、母と一緒に暮らしています。決して裕福とは言えませんが、それなりに幸せに暮らしています。すぐるの父親は、彼が十歳の時に突然、失踪してしまい、それから四年たった今でも父は帰って来ません。
「父さん、どこに行っちゃったんだろう・・・?」その後、すぐるは夕食を済ませ、自室に入り、明かりを消して、ベッドの中で眠りにつきました。
気が付くと、すぐるは真っ暗闇の中に一人でいました。
「ここは・・・どこだろう?いままで部屋の中にいたのに・・・?」すると突然、目の前が明るくなり、すぐるはまばゆい白い光に思わず目を伏せました。すぐるは恐る恐る目を開くと、目の前に十歳くらいの、十字の刺繍が入った青いシャツとズボンを着用し、円メガネをかけた金髪の少年が立っていました。
「君は・・・誰なんだい?」すぐるは少年にはなしかけました。
「ボクはアーサー・ライト、神々の長だよ」それを聞いたすぐるは驚きを隠せませんでした。
「えっ!?こんな小さな子が、神々の長だって!?でも、この子はウソを言っていない、心で分かるぞ」
「すぐる、君は世界がもう一つあるって言ったら信じるかな?」すぐるはアーサーが自分の名前を知っていることにも驚きましたが、アーサーの会話の内容には、さらに驚かされます。
「えっ!?もう一つの世界だって・・・?そんなものがあるの・・・?」すぐるは恐る恐るたずねます。
「そう、あるんだよ。君が今いるこの『現実界』とは別の次元にあるもう一つの世界、『幻想界』が。神々や人々の想像や思いが集まってできた世界なんだ。現実界で伝わっているドラゴンや妖精などは、全部幻想界の住人たちなんだよ」アーサーはぶれることなく言いました。
「そうなんだ・・・そういえば、死んだじいちゃんがその幻想界の事を話してくれたっけ・・・じいちゃんは魔法使いとしてそこを冒険したって、じいちゃんの作り話かと思ったけど・・・あれは本当の話だったんだ・・・!」
「そう、今、その幻想界で大変なことが起ころうとしている!『悪魔王カオス』が復活しようとしているんだ!」アーサーは真剣な声で話します。
「カオスって、じいちゃんが封印したって言う悪魔だったね」
「そう、カオスはかつて、創造を司る偉大な神だった。しかし、傲慢な性格が災いして神格を失い、悪魔に身を堕としてしまった。今では、カオスは全ての悪魔たちの頂点に君臨する存在だ。それをきみのおじいさんが封印したけど、幻想界で月日がたって復活し、それをさらに幻想界の勇者エルニスとその仲間たちが現れ、カオスを倒した」
「じゃあ、これで、めでたしめでたし・・・じゃないんでしょ?」すぐるは恐る恐るたずねます。
「そうなんだ。カオスの肉体は滅んだが、まだ魂は死んでいない。ヤツは現実界の憎しみや悲しみなどの負の心の力を吸収し、蘇ろうとしている。現実界と幻想界は表裏一体の世界。片方が悪くなると、もう片方の世界にも悪い影響をもたらす」
「じゃあ、カオスが復活して暴れたら、この現実界も危ないってこと・・・?」すぐるはアーサーにたずねます。
「そう、だから君の父親は、幻想界に旅立った。両方の世界を守るために」それを聞いたすぐるはハッとします。
「それで父さんは、ぼくと母さんを置いて失踪したんだ」
「そういうこと、それで彼はもしかしたら、ピンチかもしれない。だから、今でも戻ってこれないんだろう」
「そんな!だったら、父さんを助けに行かないと!どうすれば・・・!?」すぐるは必死に言います。
「答えはただ一つ、君が幻想界に行けばいい。そこで、『七つのメダル』を見つけるんだ」
「七つのメダル・・・?」
「そう、それぞれ『勇気・覇気・大志・慈愛・自由・正義・王道』を司るメダルさ。そして、そのメダルに合う『使徒』をさがすんだ」
「七つのメダルと、メダルの使徒か・・・わかった。でも、幻想界へは、どう行けばいいの・・・?」すぐるの問いに対し、アーサーはこう答えました。
「幻想界の出入りは難しくない。入り口はどこにでもある。本当にそれを求めるものの前に、それは開かれるんだ、健闘をいのる」アーサーの全身から、辺りを覆い尽くすまばゆい白い光が放たれ、すぐるは思わず目を伏せます。
すぐるが目を覚ますと、彼は自室のベッドの中にいました。
「なんだ・・・今のは夢だったのかな・・・?いや、夢にしてははっきりと覚えすぎている・・・!アーサーは本当のことを言っていたんだ・・・!で、幻想界に行くには、どうすればいいんだ・・・?本当にそれを求める者の前にそれは開かれるって言っていたっけ・・・」突然、すぐるの自室の出入り口になっているドアのすきまから、白い光がもれだしたので、すぐるはハッとしてベッドからおきあがります。
「なんだ・・・!?今の時間はみんな寝静まっているはずなのに・・・電気の明かりにしてはまぶしすぎる!もしかして、あのドアの向こうが・・・!」
すぐるはつくえから祖父が残してくれた短刀みたいなナイフを左手に持ち、そばに立てかけてあった祖父が使っていた先端に丸い飾りの付いた、シンプルな杖を左の小脇に添え、自室のドアのノブに右手をかけてドアを引き、白い光に満ちているドアの向こうへと歩き出しました。
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