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2章 覇気の章
アスモのVIPルーム
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深夜のジャスパー学園は全体的に暗い雰囲気で、
明かりが消えている窓はまるで人の気配がありません。
「本当に真っ暗だな・・・不気味だぜ・・・」
「ぼくたちは通いなれているけど、
それにしてもしんと静まり返っているね・・・!お化け屋敷みたいだ・・・」
「昼間は生徒たちが行きかっているにぎやかな洋館ですが・・・キャンベルさん、ここでいいんですの?」
「はい、あの時は言っていませんでしたが、
この学園のどこかに、アスモさんに選ばれた者だけが入れる秘密のVIPルームがあると聞いたことがあります」
エルニスたちは意を決して夜の校舎へと潜入していきました。
夜の廊下も暗く静まり返っており、人の気配はまるでありません。
そんな中、ボブが持つ手提ランプとキャンベルの帽子の明かりを頼りに進んでいきます。
進んでいくと、上の階に行く階段を見つけ、エルニスとキャンベルが上の階を、
ボブとシェリーは今いる階を行くことにします。
エルニスとキャンベルは二階の音楽室の中に入ります。
そこには机が並べられ、奥のほうには黒いグランドピアノ一台をはじめ、
大太鼓や木琴と言った楽器が並べられていますが、
これと言って怪しい物は出てきませんでした。
「ここはちがうね・・・」
「そうですね・・・そういう隠し部屋的な物は地下にありそうですね・・・
ですが、この学園に地下室なんてありませんし・・・」
二階を一通り調べた後エルニスとキャンベルは下の階に降りて、ボブと合流しました。
「ボブさん、そちらは何かありましたか?」
「いいや、こっちも何も見つからなかったぜ・・・!」エルニスがハッとします。
「ボブ、シェリーは?」ボブが振り向くと、その場にシェリーはいなかったのです。
「あれ!?そういえばいないぞ・・・!まさか・・・!アスモのやつに・・・!?」
「ボブさん、最後にシェリーさんを見たのはいつですか!?」
「一階の図書室に入るまでは一緒だったんだが・・・!」
これにキャンベルはピンときました。
「もしかして・・・ウワサのVIPルームの入口は・・・!」
三人は図書室に入ると、そこも相変わらず真っ暗で、人の気配はありませんでした。
その中で、ボブは壁に掲げられていた中年の男性の肖像画に目が止まりました。
「このおっさん、誰だ?」これにキャンベルが説明します。
「この人がジャスパー学園の理事長ですよ」
「・・・このおっさんはちゃんとしてそうだけど・・・
息子のアスモって何者なんだ!?
おれに気配を感じさせずにシェリーをさらうなんて・・・!」
ボブが理事長の肖像画をいじっていると、額縁の裏に
宝石箱一個分のくぼみがあり、そこには赤いスイッチがあったので押してみました。
すると、重い物が床をこすれるような音が鳴り響き、
そばにあった二メートル以上ある重そうな本棚が横に動き、
その裏に下へと降りる階段が現れたのです。
「わぁ、いかにも怪しい入口だね・・・!」
「学園にこんなものがあったなんて・・・!」
「この奥にアスモのVIPルームがあるんだな!?行くぞ!」
三人は階段を下りていきます。カツーンという足音以外何も聞こえず、
慎重に進んでいきます。そして、ほどなくして階段が終わり、
まっすぐな地下通路の床には赤いカーペットが敷かれ、
奥へと続いており、目の前に磨かれた両開きの木の扉がありました。
「わぁ、まるでお城みたいだね・・・!」
「ここがVIPルームで間違いなさそうだ!行くぞ!」
ボブたちは勢いよく扉を左右に開き、光の射す中へとなだれ込んでいきました。
部屋の中は夜中とは思えない昼間のごとき明るさで、
市松模様の床と白い壁、装飾が施された円柱で支えられた部屋は
まるで一流の宮廷を思わせる内装で、
クラシック調の音楽が鳴り響く中、
上半身は胸元を隠す白い布だけ、下半身はフリルの付いた白く短いスカートと言う露出の多い服を着せられている
若い女性たちが舞い踊っていたのです。
「なんなんだ・・・ここは!?」
「みんなここで何をしているのかな?」
「なんだか・・・妙な魔力を感じますよ・・・!」
戸惑う三人に、踊っていた女性の一人が近づいて話しかけてきます。
「あら?あなたたちもアスモ様に呼ばれてきたの?」
「でしょうね、でなかったら、ここには入れないもの」別の女性も言うと、キャンベルが尋ねます。
「あの・・・アスモさんはどこに・・・!?」
「アスモ様なら、奥のソファーにおられるわ」部屋の奥を見ると、
玉座を思わせる長い赤色のソファーがあり、
スーツをまとい、セットを決めた短髪の青年を中心に、肩までの長髪、ショートヘアー、おさげと言った髪型の女性たちがおり、
その中に金紗のようなロングヘアーと宝石のような碧眼を持つ少女がいたのです。
「シェリー!こんなところにいたのか!?」シェリーの眼の光はおぼろげで、まるでモノに取りつかれたようでした。
「なんだ?お前たちを招いた覚えはないが・・・?」ソファーの中央に座っていた青年が言いました。
「お前がアスモか!?」
「いかにも!学園の貴公子アスモとはボクの事さ!」これにボブは食って掛かります。
「お前!シェリーに何かしたのか!?」
「それに、この乱痴騒ぎは何なんですか!?」キャンベルも言います。
「ああ、このシェリーと言う女は何年に一度という極上の女だからな、
ぼくの魔力で従順に仕立て上げたのさ!
そして、ここにいる女たちはぼくの権力で集めたのさ!」今度はエルニスが問います。
「権力!?どういう意味だ!?」
「ここにいる女たちは貧しさから学費が出せずに困っていたり、
ジャスパー学園の系列にある大学に入学するためのコネを求めてきたのさ。
そんな哀れな彼女たちをぼくは理事長の息子の権力で救っているのさ!
ぼくに従うことと引き換えにね。学園の者たちは誰も文句が言えない!
ぼくに逆らえばどうなるかわかっているからさ!」これにキャンベルはピンときます。
「もしかして・・・帝国に入った者は恋人を獲得できるっていうのは・・・!?」
「そう!混沌の帝国にスカウトされたやつらに彼女たちを与えるのさ!」これにボブは怒り狂います。
「てめぇ!人を物みたいに扱いやがって!シェリーを返してもらうぜ!」
「それはできない!こんないい女を返せだと!?冗談じゃないね!
そうだ、シェリーに聞けよ!ボクのそばを離れたいか?」シェリーはおぼろげな視線でこう言います。
「わたくしはアスモを失いたくありませんわ・・・帰って・・・!」これに三人は戸惑います。
「そうだろう?こいつはもうぼくの物さ!だから、こんなこともできるんだ」アスモはそう言ってシェリーの胸元に手を伸ばします。
「あらやだ・・・いけませんわ・・・」シェリーはおぼろげな表情ながらもその目からは涙がこぼれています。
「あなた・・・!なんてことを・・・!」さすがのキャンベルも両手で口元を押さえます。
「やめろよ!シェリーが泣いてるじゃねぇか!」
「そうやって人の弱みに付け入るやり方は許せない!シェリーたちを解放するんだ!」エルニスたちは身構えます。
「へぇ、ぼくに逆らうのかい?帝国幹部候補に選ばれたぼくに?!
面白いね、いいよ、相手になろう!」アスモはソファーから立ち上がると、アスモが何人も現れ、三人の周りを取り囲みます。
「この魔力・・・!まさか・・・」キャンベルがハッとします。
「そう、ぼくは人間の父とサキュバス(悪魔族の一種)の母から生まれた混血児、
インキュバスさ!この生まれ持った魔力をもってすれば、これくらいの事なんて朝飯前さ!」
「そんなことでおれたちが引き下がると思うな!」
ボブは刀を振り上げてアスモに切りかかりますが、刀の刀身はアスモの体を素通りします。
「なにっ!?」
「残念、ハズレさ!」続いてエルニスも電気を帯びた爪を振りかざしますが、
どれも素通りするだけで、アスモ本体をとらえることができません。
「あはははは!どうやらぼくに触れることもできないみたいだね!今度はこっちから行くぞ!」
アスモは闇の魔力を帯びた腕でパンチを仕掛けると、
何人ものアスモが一斉に殴りかかってきて、三人は吹っ飛ばされてしまいました。
「ぐっ・・・!」ボブたちはなんとか起き上がります。
「つ・・・強ぇ・・・!」
「何人ものアスモが一斉に来るなんて・・・!」これに、キャンベルが言いました。
「何人もいません、本物は一人だけ、あとは幻です!」
キャンベルは両手に集中させていた魔力を解き放ちました。
「クリアーオール!」魔力の光を浴びた複数のアスモはあっという間に消え一人だけになりました。
「お前が本物か・・・!覚悟しろ!」ボブが向かってくると、アスモはシェリーを盾にします。
「どうだ?こいつの事が斬れるか!?」
「くっ・・・卑怯な・・・!」三人はそれ以上動けません。
「・・・そう、本当に卑怯ですわね・・・!」
「何・・・!?うわーおっ!」シェリーの手から放たれた魔法の光弾が、
アスモの股間を直撃し、アスモは股間を押さえながら何度も飛び上がります。
「くっ・・・さっきのクリアーオールで魔術が解けたか・・・!?
このぼくに逆らうと、どうなるかわかっているだろうな!?」
「それは、こっちのセリフよ!」アスモの周りには、何人もの女生徒が怒りの表情で取り囲みます。
「よくもさんざん体を触ってくれたわね!」
「もう学費もコネもいらないから、こんなことたくさんよ!」
これにはアスモもどうしようもなく、ただ力なくうなだれるしかありませんでした。
あの後、テイルとカインやほかのキーパーのバディたちがやってきて、
VIPルームの事が明るみに出て、
女生徒たちや奥の牢屋につかまっていた子供たちはみんな解放されました。
アスモは帝国に入った者に恋人を与えるだけでなく、
子供たちに帝国の教えを広めようとしていたことも分かったのです。
大きな依頼を解決したエルニスとキャンベルは報酬として、
6500Gをもらい、シェリーはボブの手を取り、ありがとうとお礼を言いました。
明かりが消えている窓はまるで人の気配がありません。
「本当に真っ暗だな・・・不気味だぜ・・・」
「ぼくたちは通いなれているけど、
それにしてもしんと静まり返っているね・・・!お化け屋敷みたいだ・・・」
「昼間は生徒たちが行きかっているにぎやかな洋館ですが・・・キャンベルさん、ここでいいんですの?」
「はい、あの時は言っていませんでしたが、
この学園のどこかに、アスモさんに選ばれた者だけが入れる秘密のVIPルームがあると聞いたことがあります」
エルニスたちは意を決して夜の校舎へと潜入していきました。
夜の廊下も暗く静まり返っており、人の気配はまるでありません。
そんな中、ボブが持つ手提ランプとキャンベルの帽子の明かりを頼りに進んでいきます。
進んでいくと、上の階に行く階段を見つけ、エルニスとキャンベルが上の階を、
ボブとシェリーは今いる階を行くことにします。
エルニスとキャンベルは二階の音楽室の中に入ります。
そこには机が並べられ、奥のほうには黒いグランドピアノ一台をはじめ、
大太鼓や木琴と言った楽器が並べられていますが、
これと言って怪しい物は出てきませんでした。
「ここはちがうね・・・」
「そうですね・・・そういう隠し部屋的な物は地下にありそうですね・・・
ですが、この学園に地下室なんてありませんし・・・」
二階を一通り調べた後エルニスとキャンベルは下の階に降りて、ボブと合流しました。
「ボブさん、そちらは何かありましたか?」
「いいや、こっちも何も見つからなかったぜ・・・!」エルニスがハッとします。
「ボブ、シェリーは?」ボブが振り向くと、その場にシェリーはいなかったのです。
「あれ!?そういえばいないぞ・・・!まさか・・・!アスモのやつに・・・!?」
「ボブさん、最後にシェリーさんを見たのはいつですか!?」
「一階の図書室に入るまでは一緒だったんだが・・・!」
これにキャンベルはピンときました。
「もしかして・・・ウワサのVIPルームの入口は・・・!」
三人は図書室に入ると、そこも相変わらず真っ暗で、人の気配はありませんでした。
その中で、ボブは壁に掲げられていた中年の男性の肖像画に目が止まりました。
「このおっさん、誰だ?」これにキャンベルが説明します。
「この人がジャスパー学園の理事長ですよ」
「・・・このおっさんはちゃんとしてそうだけど・・・
息子のアスモって何者なんだ!?
おれに気配を感じさせずにシェリーをさらうなんて・・・!」
ボブが理事長の肖像画をいじっていると、額縁の裏に
宝石箱一個分のくぼみがあり、そこには赤いスイッチがあったので押してみました。
すると、重い物が床をこすれるような音が鳴り響き、
そばにあった二メートル以上ある重そうな本棚が横に動き、
その裏に下へと降りる階段が現れたのです。
「わぁ、いかにも怪しい入口だね・・・!」
「学園にこんなものがあったなんて・・・!」
「この奥にアスモのVIPルームがあるんだな!?行くぞ!」
三人は階段を下りていきます。カツーンという足音以外何も聞こえず、
慎重に進んでいきます。そして、ほどなくして階段が終わり、
まっすぐな地下通路の床には赤いカーペットが敷かれ、
奥へと続いており、目の前に磨かれた両開きの木の扉がありました。
「わぁ、まるでお城みたいだね・・・!」
「ここがVIPルームで間違いなさそうだ!行くぞ!」
ボブたちは勢いよく扉を左右に開き、光の射す中へとなだれ込んでいきました。
部屋の中は夜中とは思えない昼間のごとき明るさで、
市松模様の床と白い壁、装飾が施された円柱で支えられた部屋は
まるで一流の宮廷を思わせる内装で、
クラシック調の音楽が鳴り響く中、
上半身は胸元を隠す白い布だけ、下半身はフリルの付いた白く短いスカートと言う露出の多い服を着せられている
若い女性たちが舞い踊っていたのです。
「なんなんだ・・・ここは!?」
「みんなここで何をしているのかな?」
「なんだか・・・妙な魔力を感じますよ・・・!」
戸惑う三人に、踊っていた女性の一人が近づいて話しかけてきます。
「あら?あなたたちもアスモ様に呼ばれてきたの?」
「でしょうね、でなかったら、ここには入れないもの」別の女性も言うと、キャンベルが尋ねます。
「あの・・・アスモさんはどこに・・・!?」
「アスモ様なら、奥のソファーにおられるわ」部屋の奥を見ると、
玉座を思わせる長い赤色のソファーがあり、
スーツをまとい、セットを決めた短髪の青年を中心に、肩までの長髪、ショートヘアー、おさげと言った髪型の女性たちがおり、
その中に金紗のようなロングヘアーと宝石のような碧眼を持つ少女がいたのです。
「シェリー!こんなところにいたのか!?」シェリーの眼の光はおぼろげで、まるでモノに取りつかれたようでした。
「なんだ?お前たちを招いた覚えはないが・・・?」ソファーの中央に座っていた青年が言いました。
「お前がアスモか!?」
「いかにも!学園の貴公子アスモとはボクの事さ!」これにボブは食って掛かります。
「お前!シェリーに何かしたのか!?」
「それに、この乱痴騒ぎは何なんですか!?」キャンベルも言います。
「ああ、このシェリーと言う女は何年に一度という極上の女だからな、
ぼくの魔力で従順に仕立て上げたのさ!
そして、ここにいる女たちはぼくの権力で集めたのさ!」今度はエルニスが問います。
「権力!?どういう意味だ!?」
「ここにいる女たちは貧しさから学費が出せずに困っていたり、
ジャスパー学園の系列にある大学に入学するためのコネを求めてきたのさ。
そんな哀れな彼女たちをぼくは理事長の息子の権力で救っているのさ!
ぼくに従うことと引き換えにね。学園の者たちは誰も文句が言えない!
ぼくに逆らえばどうなるかわかっているからさ!」これにキャンベルはピンときます。
「もしかして・・・帝国に入った者は恋人を獲得できるっていうのは・・・!?」
「そう!混沌の帝国にスカウトされたやつらに彼女たちを与えるのさ!」これにボブは怒り狂います。
「てめぇ!人を物みたいに扱いやがって!シェリーを返してもらうぜ!」
「それはできない!こんないい女を返せだと!?冗談じゃないね!
そうだ、シェリーに聞けよ!ボクのそばを離れたいか?」シェリーはおぼろげな視線でこう言います。
「わたくしはアスモを失いたくありませんわ・・・帰って・・・!」これに三人は戸惑います。
「そうだろう?こいつはもうぼくの物さ!だから、こんなこともできるんだ」アスモはそう言ってシェリーの胸元に手を伸ばします。
「あらやだ・・・いけませんわ・・・」シェリーはおぼろげな表情ながらもその目からは涙がこぼれています。
「あなた・・・!なんてことを・・・!」さすがのキャンベルも両手で口元を押さえます。
「やめろよ!シェリーが泣いてるじゃねぇか!」
「そうやって人の弱みに付け入るやり方は許せない!シェリーたちを解放するんだ!」エルニスたちは身構えます。
「へぇ、ぼくに逆らうのかい?帝国幹部候補に選ばれたぼくに?!
面白いね、いいよ、相手になろう!」アスモはソファーから立ち上がると、アスモが何人も現れ、三人の周りを取り囲みます。
「この魔力・・・!まさか・・・」キャンベルがハッとします。
「そう、ぼくは人間の父とサキュバス(悪魔族の一種)の母から生まれた混血児、
インキュバスさ!この生まれ持った魔力をもってすれば、これくらいの事なんて朝飯前さ!」
「そんなことでおれたちが引き下がると思うな!」
ボブは刀を振り上げてアスモに切りかかりますが、刀の刀身はアスモの体を素通りします。
「なにっ!?」
「残念、ハズレさ!」続いてエルニスも電気を帯びた爪を振りかざしますが、
どれも素通りするだけで、アスモ本体をとらえることができません。
「あはははは!どうやらぼくに触れることもできないみたいだね!今度はこっちから行くぞ!」
アスモは闇の魔力を帯びた腕でパンチを仕掛けると、
何人ものアスモが一斉に殴りかかってきて、三人は吹っ飛ばされてしまいました。
「ぐっ・・・!」ボブたちはなんとか起き上がります。
「つ・・・強ぇ・・・!」
「何人ものアスモが一斉に来るなんて・・・!」これに、キャンベルが言いました。
「何人もいません、本物は一人だけ、あとは幻です!」
キャンベルは両手に集中させていた魔力を解き放ちました。
「クリアーオール!」魔力の光を浴びた複数のアスモはあっという間に消え一人だけになりました。
「お前が本物か・・・!覚悟しろ!」ボブが向かってくると、アスモはシェリーを盾にします。
「どうだ?こいつの事が斬れるか!?」
「くっ・・・卑怯な・・・!」三人はそれ以上動けません。
「・・・そう、本当に卑怯ですわね・・・!」
「何・・・!?うわーおっ!」シェリーの手から放たれた魔法の光弾が、
アスモの股間を直撃し、アスモは股間を押さえながら何度も飛び上がります。
「くっ・・・さっきのクリアーオールで魔術が解けたか・・・!?
このぼくに逆らうと、どうなるかわかっているだろうな!?」
「それは、こっちのセリフよ!」アスモの周りには、何人もの女生徒が怒りの表情で取り囲みます。
「よくもさんざん体を触ってくれたわね!」
「もう学費もコネもいらないから、こんなことたくさんよ!」
これにはアスモもどうしようもなく、ただ力なくうなだれるしかありませんでした。
あの後、テイルとカインやほかのキーパーのバディたちがやってきて、
VIPルームの事が明るみに出て、
女生徒たちや奥の牢屋につかまっていた子供たちはみんな解放されました。
アスモは帝国に入った者に恋人を与えるだけでなく、
子供たちに帝国の教えを広めようとしていたことも分かったのです。
大きな依頼を解決したエルニスとキャンベルは報酬として、
6500Gをもらい、シェリーはボブの手を取り、ありがとうとお礼を言いました。
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