『完結』セプトクルール 超文明Sの野望

マイマイン

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4章 大志の章

南海のラグーナ諸島

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 「ねえ、キャンベルちゃん、朝ごはんはまだ?」エルニスが寝ぼけまなこで起きてきました。
「え~っと・・・ちょっと待ってくださいね・・・」キャンベルがフライパンを火にかけていると、奥の部屋からすぐるとリリスが現れます。
「おはよう、エルニスにキャンベルちゃん」
「おはよう・・・目が覚めぬ・・・」二人が着席すると、ボブとシェリーも起きてきたのです。
「もう朝か・・・」
「おはようございますわ、リリスお姉さま」

 パンに目玉焼き、サラダと言った朝食を終えた後、しばらくして依頼いらい内容を確認することにしました。
『エルニスへ、そちらはどんな感じかな?キャンベルとは仲良くやっているかね?
お前が便利屋として、いろいろやっていると聞いてワシもお前に一つ依頼したい。
とにかく、ラグーナ諸島にあるワシの家まで来てもらいたい。
くわしい依頼内容はそこで話す。なるべく早くたのむ、ガルダインより』

「わあ、ぼくのじいちゃんからの依頼だ」エルニスが依頼書を見て言いました。
「へえ、エルニスのおじいさんからか・・・ラグーナ諸島ってどんな所だろう・・・?」すぐるが言いました。
「ラグーナ諸島とは、南海に浮かぶ島々からなる、さまざまな種族が住んでいる国です。
元々は一つのパンゲア大陸だったと言われています」キャンベルが説明します。

「元々一つの大陸だったって?」
「そうです、何万年か前の大昔、パンゲア大陸には、二つの文明がさかえていたと言われています。
魔法まほう文明の国『アトランティス』、
科学かがく文明の国『レムリアン』、大昔はこの二つの国は仲が良かったと言われていますが、
ある時それぞれの王が、どちらの文明が優れているかと言いだし、
両国の戦争せんそうにまで発展はってんし、二つの国は堕落だらくしていきました」

「へえ、現実界リアリティでもありそうな話だな」すぐるがこう言うと、キャンベルは話を続けます。
「そこで神は二つの国から、あらそいをきらう心正しき者、
現実界リアリティから、様々さまざま分野ぶんやからえらばれた賢者けんじゃたちを、
この幻想界ファンタジアのとある大陸たいりくまねき入れ、
新たな文明をつくらせました。

その魔法と科学と信仰しんこうによって造られた国こそ、伝説の楽園らくえん『シャングリラ』、
すなわち、『超文明ちょうぶんめいS』です」それを聞いたすぐるはハッとしました。
「そうか、SはシャングリラのSなんだ」

「そうです。そして神は、シャングリラをはるか天空にかし、
地上に大洪水だいこうずい氷河期ひょうがきを巻き起こし、
パンゲア大陸を、争いをやめられないおろかな者たちと共に洗い流したそうです。
そして、パンゲア大陸は今のラグーナ諸島になったそうですよ」

「へえ、大昔の幻想界ファンタジアで、そんな事が起きていたんだ・・・」
「あくまでも、伝説ですけどね」
「そうなんだ、初めて知ったよ。それよりも早く行こう」エルニスが言うと、リリスは何やらため息ついていました。
「どうかしたの?リリス」すぐるが心配になってたずねます。
「・・・いや、何でもないぞ」すぐるたちは店で食料や薬などを買って行き、港からラグーナ諸島行き   
帆船はんせんに乗って行きました。

 波にられる事三週間さんしゅうかん
帆船はラグーナ諸島の北島の港でいかりを降ろし、すぐるたちは島の地に足をつけました。

「ここがラグーナ諸島か・・・ヤシの木に白い砂浜すなはま、イメージ通りの南国だね」
「ここは相変わらずだね、あちこちに観光客の姿があるよ」
「おれ、こういう南国のリゾートに行くのは初めてだ」
現実界リアリティで行ったハワイを思わせますわ」
「ガルダインさんの家は、この島の町中にありますよ」
「・・・はぁ・・・戻ってきてしもうた・・・」リリスがかたを落としていると、すぐるが言います。

「あれ、リリス、何か言った?」
「いや・・・何でもないぞ・・・!」リリスは首を横にって言います。
「ほら、あれがぼくのじいちゃんの家だよ、あそこは子供たちに勉強を教える学校として開放かいほうしてあるんだ」
エルニスが指したところに、大きなヤシの木があり、その根元に木と石で造られた大きな一階建ての建物があり、中へと入って行きました。

 建物の中では、いくつもの布団がかれており、
そこに子供たちがかされていて、みんな苦しそうに息をしています。
その中で、エルニスそっくりのドラゴンがおり、エルニスが話しかけます。

「じいちゃん!」エルニスの声にドラゴンは反応しました。

「おお、エルニスか、お連れもおるようだな」
「じいちゃん、これは一体・・・?」
「うむ、実は最近、このラグーナ諸島で原因不明の病気が流行はやりだしたんじゃ」
「原因不明の病気・・・!?」

「そうじゃ、それで子供たちがその病気にかかり、このザマじゃ。
たまたまこの島に旅行してきたカインとテイルにも治療ちりょうを手伝ってもらっておる」
エルニスの祖父ガルダイン博士はかせが指した方には、
半そで半ズボン姿の白魔法使いの少年カインと、
その恋人で、上下に分かれた白いドレスを着ていて、長い黒髪を後ろでポニーテールにしたエルフの少女テイルがいて、回復魔法や癒しの気などを使って子供たちの治療を手伝っていました。

「じいちゃん・・・それで、依頼と言うのはもしかして・・・」
「うむ、この奇病きびょうを何とかしてほしいのじゃよ・・・
どうやらこれは、自然発生した病気と言うよりは、魔力による一種ののろいのようなのじゃ・・・
みょうな魔力のにおいがするのでな・・・」ガルダイン博士が説明し終わると、カインがやって来て力なく言いました。

「ガルダイン博士、ぼくの魔力だけでは、限界があるみたいです・・・」
「そうか・・・こうなっては、南島の悪魔族に伝わる薬を使うしかあるまいな・・・」
「悪魔族の薬・・・?」すぐるがたずねます。

「うむ、それとカインの治療魔法と組み合わせさせさえすれば、治せるかもしれぬ・・・」
「南島の悪魔族の薬ですね、わかりました、今すぐ行きましょう!」すぐるがこう言うと、ガルダインは不安そうに言いました。
「だが、そこの悪魔族は気難きむずかしく、よそ者とは干渉かんしょうしようとはしないのじゃ・・・」
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