52 / 97
5章 慈愛の章
偽フレイヤの正体
しおりを挟む
北の町外れにある、大きな山高帽のような岩山こそ、ヘリオポリスのシンボルであるヘリオ山で、頂上からは活火山らしく、白く大きな煙が天高く上がっています。
「ヘリオ山、炎と太陽の神ヘリオスが住むと言われる山・・・」
「この山のどこかに、神器の一つ『賢者のたいまつ』があるんですね・・・行きましょう!」
エルニスとキャンベルは、ヘリオ山の入り口である、熱気が噴き出す横穴へと足を踏み入れて行きます。
ヘリオ山の洞窟の中は、赤熱のマグマの川が流れており、意外と明るかったのですが、うだるような暑さで、苦しそうにしているエルニスをよそに、火の妖精であるキャンベルは平気そうな顔です。
「ふぅ・・・相変わらず暑苦しい場所だね・・・倒れる前に神器を見つけないと・・・」
「・・・わたしには快適ですけど・・・エルニスさんにはこの熱はきついでしょうね・・・」キャンベルが溶岩の流れている方に行き、エルニスはなるべくそこから離れた場所によって進んで行きます。
しばらく進んで行くと、四方にかがり火が掲げられている岩でできた祭壇があり、その中央に、金色のダイヤ型の飾りがある、高熱でも燃えない聖木製の杖があります。
「きっと、あれが三つめの神器『賢者のたいまつ』なんだね、南の賢者『朱雀』の杖だ」エルニスはたいまつに手を触れましたが、その高熱で思わず手を放しました。
「あっつう!とてもじゃないけど、持ち出せないや・・・!」
「強い炎の魔力で封印されています。私ならば・・・!」キャンベルがたいまつに触ると、難なく祭壇から離れ、ダイヤ型の飾りから、白く力強い光が放たれました。
ヘリオシティに戻って来たキャンベルとエルニスは、レジスタンスのアジトへと戻り、これからの作戦を話し合いました。
「その杖は・・・間違いなく『賢者のたいまつ』だわ。これがあれば、私の偽物の正体を暴くことができる!早速キャンベルには、『ヘリオスの灯台』に行ってたいまつに聖火の力を宿して、その後、たいまつの力を使うの。そして、エルニスは私と一緒に官邸に行って、町で悪さしている私の偽物を捕えるの、いいかしら」フレイヤが作戦を話し終えると、エルニスとキャンベルとフレイヤはそれぞれの場所へと移動していきました。
エルニスとフレイヤは官邸に行こうとすると、さっそく、フレイヤそっくりの少女と出くわしました。
「出たわね、私の偽物!」周りの町の人は、同じ少女が二人いたので、戸惑いました。
「えっ!?同じ魔女が二人も!?」
「どっちが本物なんだ!?」町の人々がざわついていると、二人の少女は戦い始めます。フレイヤが手から火の魔法を放ってくると、偽フレイヤも魔法の炎を手から発して応戦します。エルニスも電気を帯びたツメをふるってフレイヤを援護します。その時、灯台の方から白い光が放たれ、偽フレイヤから煙が立ち上り、白いローブに緑のケープを羽織ったボブヘアーの少女が現れました。
「お前は・・・!帝国の幹部、エアリアル!」エルニスが指して言いました。
「くそっ!せっかくホワイト団を利用し、人と魔法使いとの間に不和を起こして団結を防ごうと思ったのに!言っておくけど、連盟は魔法族を支配しようとしているのよ!」これにフレイヤはこう言います。
「確かに、私も連盟の出す共存法がいいとは思わない、でも、こんなやり方は認められないわ!」
「くっ!覚えてなさい!」
エアリアルは透明感のある赤い正三角形の結晶体を落として、その場を去って行くと、エルニスはその十センチくらいの結晶体を拾い上げました。
「これは・・・五つ目のメダル『賢者のメダル』だ!真ん中に星みたいな光が入っているぞ・・・!」
「ヘリオ山、炎と太陽の神ヘリオスが住むと言われる山・・・」
「この山のどこかに、神器の一つ『賢者のたいまつ』があるんですね・・・行きましょう!」
エルニスとキャンベルは、ヘリオ山の入り口である、熱気が噴き出す横穴へと足を踏み入れて行きます。
ヘリオ山の洞窟の中は、赤熱のマグマの川が流れており、意外と明るかったのですが、うだるような暑さで、苦しそうにしているエルニスをよそに、火の妖精であるキャンベルは平気そうな顔です。
「ふぅ・・・相変わらず暑苦しい場所だね・・・倒れる前に神器を見つけないと・・・」
「・・・わたしには快適ですけど・・・エルニスさんにはこの熱はきついでしょうね・・・」キャンベルが溶岩の流れている方に行き、エルニスはなるべくそこから離れた場所によって進んで行きます。
しばらく進んで行くと、四方にかがり火が掲げられている岩でできた祭壇があり、その中央に、金色のダイヤ型の飾りがある、高熱でも燃えない聖木製の杖があります。
「きっと、あれが三つめの神器『賢者のたいまつ』なんだね、南の賢者『朱雀』の杖だ」エルニスはたいまつに手を触れましたが、その高熱で思わず手を放しました。
「あっつう!とてもじゃないけど、持ち出せないや・・・!」
「強い炎の魔力で封印されています。私ならば・・・!」キャンベルがたいまつに触ると、難なく祭壇から離れ、ダイヤ型の飾りから、白く力強い光が放たれました。
ヘリオシティに戻って来たキャンベルとエルニスは、レジスタンスのアジトへと戻り、これからの作戦を話し合いました。
「その杖は・・・間違いなく『賢者のたいまつ』だわ。これがあれば、私の偽物の正体を暴くことができる!早速キャンベルには、『ヘリオスの灯台』に行ってたいまつに聖火の力を宿して、その後、たいまつの力を使うの。そして、エルニスは私と一緒に官邸に行って、町で悪さしている私の偽物を捕えるの、いいかしら」フレイヤが作戦を話し終えると、エルニスとキャンベルとフレイヤはそれぞれの場所へと移動していきました。
エルニスとフレイヤは官邸に行こうとすると、さっそく、フレイヤそっくりの少女と出くわしました。
「出たわね、私の偽物!」周りの町の人は、同じ少女が二人いたので、戸惑いました。
「えっ!?同じ魔女が二人も!?」
「どっちが本物なんだ!?」町の人々がざわついていると、二人の少女は戦い始めます。フレイヤが手から火の魔法を放ってくると、偽フレイヤも魔法の炎を手から発して応戦します。エルニスも電気を帯びたツメをふるってフレイヤを援護します。その時、灯台の方から白い光が放たれ、偽フレイヤから煙が立ち上り、白いローブに緑のケープを羽織ったボブヘアーの少女が現れました。
「お前は・・・!帝国の幹部、エアリアル!」エルニスが指して言いました。
「くそっ!せっかくホワイト団を利用し、人と魔法使いとの間に不和を起こして団結を防ごうと思ったのに!言っておくけど、連盟は魔法族を支配しようとしているのよ!」これにフレイヤはこう言います。
「確かに、私も連盟の出す共存法がいいとは思わない、でも、こんなやり方は認められないわ!」
「くっ!覚えてなさい!」
エアリアルは透明感のある赤い正三角形の結晶体を落として、その場を去って行くと、エルニスはその十センチくらいの結晶体を拾い上げました。
「これは・・・五つ目のメダル『賢者のメダル』だ!真ん中に星みたいな光が入っているぞ・・・!」
0
あなたにおすすめの小説
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
『完結』セプトクルール 勇者エルニスのワンダーランド
マイマイン
児童書・童話
これは、すぐるがやってくる前の『幻想界』の物語です。ある日突然、平和な国『スピネル王国』にやってきた謎の少年エルニスが、平和を脅かす『魔王軍』に立ち向かう王道ファンタジーです。『セプトクルール』シリーズの始まりの物語をお楽しみください。
【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。
しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。
そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。
そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる