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7章
託される願い
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左の通路を進んでいくと、すぐるたちの前にエアリアルが立ちはだかりました。
「ここから先には行かせないわ!もうすぐ、私たちの時代が来るんだから!」
すぐるが尋ねます。
「エアリアル!君は混沌の帝国を抜けた後、改心したと思っていたのに!なぜ新帝国に!?」
「それは、私が新帝国皇帝アレスター・ブルジョワの孫だからよ!」
「なんだって!?」
すぐるたちは驚きを隠せませんでした。
「私たちブルジョワ家は、ヘリオポリスの発展に大きく貢献したけど、私のおじいさまの代で魔女狩りが起こって、私たちの一族は国を追われた!」
すぐるはうなずきます。
「それは知っている、ローゼンクロイツ城の書物を読んだから・・・!」
エアリアルは口角を上げます。
「なら、話は早いわ!すぐる、私たちの同志にならない?」
これにすぐるたちはハッとします。
「えっ!?」
「私たちはヘリオポリスの人々に尽くしてきたのに、奴らは私たちの力を恐れ、国から追い出した!あなたもスピネルの人々に尽くすために宮廷魔導士になったみたいだけど、人間どもが泣いてすがるのは、自分たちが苦しい時だけ!平和になればみんな恩を忘れて、あなたを追い出すようになる、人間とはそういうものよ!」
「うっ・・・!」
すぐるは戸惑いを隠せません。
「私たちは、そうならないために、自分たちの独立を勝ち取ろうとしているの!さぁ、共に魔法族の理想郷を造りましょう!」
ここでリリスがおどり出ました。
「たわけ!すぐるがお主ら悪党どもの仲間になるわけが・・・すぐる!?」
すぐるはしばらく何も言わずに考え込んでいましたが、やがて口を開きます。
「悪いけど、僕は君に賛同できない!」
これにはエアリアルは呆気にとられました。
「どうして!?そんなに目先の地位にすがりたいわけ!?」
すぐるは首を横に振ります。
「そうじゃない、君のいう事もわかる!でも、皆を裏切ることはできないし、力で独立を勝ち取るなんて、上手くいくわけがない!もし、君の言う通りになったら、忘れられた島レムリアンにでも行って、そこでひっそりと暮らすさ・・・!」
これにエアリアルは怒りで体を震わせました。
「完全に人間どもに洗脳されたようね・・・!ジャマ者は消すのみ!」
すぐるが身構えると、キャンベルが左手で制します。
「皆さん、ここはわたしに任せてください!」
キャンベルはシェリーから受け取った『賢者のたいまつ』を構え、前に出ました。
「『憤怒』の力を得た、今の私に勝てると思っているの?喰らいなさい!」
エアリアルが風の魔法を放ってくると、キャンベルは賢者のたいまつを使った炎の魔法で防ぎます。
「そんな!?今の私と互角の魔力ですって!?なら、接近戦よ!」エアリアルはナイフを抜いて切りかかりますが、キャンベルはテレポートして、その場から姿を消しました。
「ど・・・どこに行ったの!?」
エアリアルが辺りを見回すと、後ろからキャンベルの炎が迫ってきて、エアリアルを大きく吹っ飛ばします。
「そこね!」
エアリアルは立ち上がって、なんどもキャンベルに切りかかりますが、キャンベルはテレポートしてそれをかわし続けます。
「今度はどこに行ったの!?」
「ここです!」
今度は頭上からキャンベルの光の矢の連射が降り注ぎ、エアリアルはその場で倒れました。
「憤怒で目が曇っていたようですね、わたしの勝ちです!」
キャンベルはエアリアルが落とした『慈愛』の象徴で、紅く輝く三角形の『賢者のメダル』を拾い上げます。
「力で傷つけあう世界が、あなたの望みなんですか?」
エアリアルは何とか立ち上がりますが、もう、戦える状態ではありません。
「違う・・・私は・・・ただ・・・魔法族が・・・迫害されない・・・世界を・・・造りたいだけなのに・・・!」
「でも、それは、戦いによってじゃダメたと思いますよ!すぐるさんは、そのためにスピネルの宮廷魔導士になったのですから、どうでしょう?彼に賭けて見ませんか?あの人は、人間のありかたそのものを変えられると思うんですよ」
エアリアルはしばらく考え込んでいましたが、やがて話始めます。
「・・・すぐる、あなたはやはり魔聖えいじの孫なのね、私はお会いしたことはないけど、おじい様が話してくれた人にそっくり、そういえば、魔聖えいじが宮廷魔導士だった時は、スピネル王国で最も良い時代だったと聞いたことがあるわ、そうね、そんなあなたに賭けてみるのも面白いかもしれないわね、いいわ、行きなさい、そして、私の期待を裏切らないでね!」
「わかった、任せてよ!」
すぐるたちは通路の奥へと進んでいきます。
「ここから先には行かせないわ!もうすぐ、私たちの時代が来るんだから!」
すぐるが尋ねます。
「エアリアル!君は混沌の帝国を抜けた後、改心したと思っていたのに!なぜ新帝国に!?」
「それは、私が新帝国皇帝アレスター・ブルジョワの孫だからよ!」
「なんだって!?」
すぐるたちは驚きを隠せませんでした。
「私たちブルジョワ家は、ヘリオポリスの発展に大きく貢献したけど、私のおじいさまの代で魔女狩りが起こって、私たちの一族は国を追われた!」
すぐるはうなずきます。
「それは知っている、ローゼンクロイツ城の書物を読んだから・・・!」
エアリアルは口角を上げます。
「なら、話は早いわ!すぐる、私たちの同志にならない?」
これにすぐるたちはハッとします。
「えっ!?」
「私たちはヘリオポリスの人々に尽くしてきたのに、奴らは私たちの力を恐れ、国から追い出した!あなたもスピネルの人々に尽くすために宮廷魔導士になったみたいだけど、人間どもが泣いてすがるのは、自分たちが苦しい時だけ!平和になればみんな恩を忘れて、あなたを追い出すようになる、人間とはそういうものよ!」
「うっ・・・!」
すぐるは戸惑いを隠せません。
「私たちは、そうならないために、自分たちの独立を勝ち取ろうとしているの!さぁ、共に魔法族の理想郷を造りましょう!」
ここでリリスがおどり出ました。
「たわけ!すぐるがお主ら悪党どもの仲間になるわけが・・・すぐる!?」
すぐるはしばらく何も言わずに考え込んでいましたが、やがて口を開きます。
「悪いけど、僕は君に賛同できない!」
これにはエアリアルは呆気にとられました。
「どうして!?そんなに目先の地位にすがりたいわけ!?」
すぐるは首を横に振ります。
「そうじゃない、君のいう事もわかる!でも、皆を裏切ることはできないし、力で独立を勝ち取るなんて、上手くいくわけがない!もし、君の言う通りになったら、忘れられた島レムリアンにでも行って、そこでひっそりと暮らすさ・・・!」
これにエアリアルは怒りで体を震わせました。
「完全に人間どもに洗脳されたようね・・・!ジャマ者は消すのみ!」
すぐるが身構えると、キャンベルが左手で制します。
「皆さん、ここはわたしに任せてください!」
キャンベルはシェリーから受け取った『賢者のたいまつ』を構え、前に出ました。
「『憤怒』の力を得た、今の私に勝てると思っているの?喰らいなさい!」
エアリアルが風の魔法を放ってくると、キャンベルは賢者のたいまつを使った炎の魔法で防ぎます。
「そんな!?今の私と互角の魔力ですって!?なら、接近戦よ!」エアリアルはナイフを抜いて切りかかりますが、キャンベルはテレポートして、その場から姿を消しました。
「ど・・・どこに行ったの!?」
エアリアルが辺りを見回すと、後ろからキャンベルの炎が迫ってきて、エアリアルを大きく吹っ飛ばします。
「そこね!」
エアリアルは立ち上がって、なんどもキャンベルに切りかかりますが、キャンベルはテレポートしてそれをかわし続けます。
「今度はどこに行ったの!?」
「ここです!」
今度は頭上からキャンベルの光の矢の連射が降り注ぎ、エアリアルはその場で倒れました。
「憤怒で目が曇っていたようですね、わたしの勝ちです!」
キャンベルはエアリアルが落とした『慈愛』の象徴で、紅く輝く三角形の『賢者のメダル』を拾い上げます。
「力で傷つけあう世界が、あなたの望みなんですか?」
エアリアルは何とか立ち上がりますが、もう、戦える状態ではありません。
「違う・・・私は・・・ただ・・・魔法族が・・・迫害されない・・・世界を・・・造りたいだけなのに・・・!」
「でも、それは、戦いによってじゃダメたと思いますよ!すぐるさんは、そのためにスピネルの宮廷魔導士になったのですから、どうでしょう?彼に賭けて見ませんか?あの人は、人間のありかたそのものを変えられると思うんですよ」
エアリアルはしばらく考え込んでいましたが、やがて話始めます。
「・・・すぐる、あなたはやはり魔聖えいじの孫なのね、私はお会いしたことはないけど、おじい様が話してくれた人にそっくり、そういえば、魔聖えいじが宮廷魔導士だった時は、スピネル王国で最も良い時代だったと聞いたことがあるわ、そうね、そんなあなたに賭けてみるのも面白いかもしれないわね、いいわ、行きなさい、そして、私の期待を裏切らないでね!」
「わかった、任せてよ!」
すぐるたちは通路の奥へと進んでいきます。
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