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1章
すぐる編1-1 日常的な日常
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「すぐる!起きるのじゃ!」快活な少女の声が響き渡ると、目の前が一瞬、白い光に包まれました。
起き上がると、そこはベッドの上で、書斎用の机がある、白い壁に木製のフローリングの床と言う見慣れた自室で、ベッドのそばで、黒いブレザーとスカートを着用したスタイルのいい体に、上の方で二つにくくった赤毛のロングヘア―で、ぱっちりした二つの赤紫の瞳に、ツヤのいいピンク色の厚いくちびるを持つ整った顔立ちの少女が、両手を腰に当てた体勢で仁王立ちしていたのです。すぐるは少女の方を寝ぼけまなこで向きます。
「ああ、リリスか、おはよう」
「おはよう・・ではないわ!早く起きねば遅刻するぞ!」リリスが机に置かれている半球状のデジタル時計を指さして言うと、すぐるはそれを見てハッとします。
「あっ!もう午前七時か!?早く着替えて朝食をすませないと!」すぐるはすぐさま寝間着から、カッターシャツと黒いズボン、リリスと同じブレザーに着替え、下のダイニングテーブルの部屋に降ります。
「あれ?母さんがいないや・・・?!」
「母上どのなら、もう仕事に出かけたぞ!」すぐるとリリスは、パン二つずつ、作り置きの目玉焼きと、昨夜のマカロニサラダの残り、インスタントのコンソメスープの朝食を済ませ、急いで食器を洗い、何とか間に合う時刻に、自宅を出発することができました。
晴れ渡る朝の住宅街を、すぐると同じ学生服を着ている男女が行きかっていました。そんな中、すぐるたちのそばを、一人の女生徒が、金紗のような流れる金髪のロングヘアーをなびかせながら、通り過ぎて行きました。少女はすぐるとリリスの方へふり向くと、澄み切った空の色をした二つの瞳を向けて微笑みます。
「おはようございますわ、リリスお姉さま」
「うむ、シェリー、おはようじゃ!」リリスも朗らかにあいさつを交わします。
「すぐるさんも、おはようございますわ、クスッ♡」シェリーはすぐるの方をじっと見つめた後、金髪をなびかせて、学校へと向かっていきました。他の生徒たちも、シェリーが通り過ぎただけで、必ず振り向いていました。そして、シェリーは、ボーズ頭の黒人の男子生徒と並んで歩きます。すぐるはまるで遠くを見るような目で言いました。
「はぁ・・・シェリーさんって、やっぱりきれいだなぁ・・・」それを聞いたリリスはムッとして、すぐるの腹にボディブローを放ちます。
「ぐはっ・・・!」腹に衝撃を受け、すぐるは両手で腹部をおさえてうずくまります。しばらくして、すぐるはゆっくり立ち上がります。
「いててて・・・!やめてよリリス・・・!」リリスは両目をつり上げて言います。
「なんじゃすぐる!ほかの女子にデレデレしおって!」これに、すぐるは申し訳なさそうに言いました。
「・・・ごめん、でも、シェリーさんって、本当にきれいだったから・・・」これに、リリスも軽くうなずき、微笑みながら言います。
「・・・確かに、通るだけで空気が一変するの、女子の妾が見てもうっとりするほどじゃ」リリスはすぐるの方に向き直り、真剣な目つきで言いました。
「だからと言って、くれぐれもシェリーに変な気を起こすでないぞ!お主には、妾と言う女子がおるのだから!」これに、すぐるはうなずきます。
「・・・わかっているさ、リリス」これに、リリスは口角を上げて言います。
「ならばよい!行くぞ」リリスが学校を目指して再び歩き始めると、すぐるはまだ腹をおさえながらリリスの後に続きます。
「それにしたって、みんなが見ている前で、ボディブローはないでしょ?!ううっ・・・」周りにいた他の生徒たちは、怯えた目でこちらを見ていると、リリスはすねた表情で言いました。
「すぐるが他の女子にデレデレするからじゃ!お主はいつも、きれいな女子に目移りばかりするから、オシオキをしたまでじゃ!言っておくが、さっきのは、思いっきり手加減したからの!」
「・・・手加減・・・これで・・・!?」二人は間もなく、高校の正門へと入っていきました。
起き上がると、そこはベッドの上で、書斎用の机がある、白い壁に木製のフローリングの床と言う見慣れた自室で、ベッドのそばで、黒いブレザーとスカートを着用したスタイルのいい体に、上の方で二つにくくった赤毛のロングヘア―で、ぱっちりした二つの赤紫の瞳に、ツヤのいいピンク色の厚いくちびるを持つ整った顔立ちの少女が、両手を腰に当てた体勢で仁王立ちしていたのです。すぐるは少女の方を寝ぼけまなこで向きます。
「ああ、リリスか、おはよう」
「おはよう・・ではないわ!早く起きねば遅刻するぞ!」リリスが机に置かれている半球状のデジタル時計を指さして言うと、すぐるはそれを見てハッとします。
「あっ!もう午前七時か!?早く着替えて朝食をすませないと!」すぐるはすぐさま寝間着から、カッターシャツと黒いズボン、リリスと同じブレザーに着替え、下のダイニングテーブルの部屋に降ります。
「あれ?母さんがいないや・・・?!」
「母上どのなら、もう仕事に出かけたぞ!」すぐるとリリスは、パン二つずつ、作り置きの目玉焼きと、昨夜のマカロニサラダの残り、インスタントのコンソメスープの朝食を済ませ、急いで食器を洗い、何とか間に合う時刻に、自宅を出発することができました。
晴れ渡る朝の住宅街を、すぐると同じ学生服を着ている男女が行きかっていました。そんな中、すぐるたちのそばを、一人の女生徒が、金紗のような流れる金髪のロングヘアーをなびかせながら、通り過ぎて行きました。少女はすぐるとリリスの方へふり向くと、澄み切った空の色をした二つの瞳を向けて微笑みます。
「おはようございますわ、リリスお姉さま」
「うむ、シェリー、おはようじゃ!」リリスも朗らかにあいさつを交わします。
「すぐるさんも、おはようございますわ、クスッ♡」シェリーはすぐるの方をじっと見つめた後、金髪をなびかせて、学校へと向かっていきました。他の生徒たちも、シェリーが通り過ぎただけで、必ず振り向いていました。そして、シェリーは、ボーズ頭の黒人の男子生徒と並んで歩きます。すぐるはまるで遠くを見るような目で言いました。
「はぁ・・・シェリーさんって、やっぱりきれいだなぁ・・・」それを聞いたリリスはムッとして、すぐるの腹にボディブローを放ちます。
「ぐはっ・・・!」腹に衝撃を受け、すぐるは両手で腹部をおさえてうずくまります。しばらくして、すぐるはゆっくり立ち上がります。
「いててて・・・!やめてよリリス・・・!」リリスは両目をつり上げて言います。
「なんじゃすぐる!ほかの女子にデレデレしおって!」これに、すぐるは申し訳なさそうに言いました。
「・・・ごめん、でも、シェリーさんって、本当にきれいだったから・・・」これに、リリスも軽くうなずき、微笑みながら言います。
「・・・確かに、通るだけで空気が一変するの、女子の妾が見てもうっとりするほどじゃ」リリスはすぐるの方に向き直り、真剣な目つきで言いました。
「だからと言って、くれぐれもシェリーに変な気を起こすでないぞ!お主には、妾と言う女子がおるのだから!」これに、すぐるはうなずきます。
「・・・わかっているさ、リリス」これに、リリスは口角を上げて言います。
「ならばよい!行くぞ」リリスが学校を目指して再び歩き始めると、すぐるはまだ腹をおさえながらリリスの後に続きます。
「それにしたって、みんなが見ている前で、ボディブローはないでしょ?!ううっ・・・」周りにいた他の生徒たちは、怯えた目でこちらを見ていると、リリスはすねた表情で言いました。
「すぐるが他の女子にデレデレするからじゃ!お主はいつも、きれいな女子に目移りばかりするから、オシオキをしたまでじゃ!言っておくが、さっきのは、思いっきり手加減したからの!」
「・・・手加減・・・これで・・・!?」二人は間もなく、高校の正門へと入っていきました。
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