【完結】セプトクルール 三賢者と虹色の夜明け

マイマイン

文字の大きさ
16 / 111
1章

キャンベル編1-4 パラグリラマシン

しおりを挟む
「おお!よく連れて帰ってきました!ありがとうございます!」ゴールド団長はキャンベルたちにお礼を言うと、マチエールもキャンベルに会釈しました。

「どういたしまして、ところで『パラグリラマシン』とは何ですか?」その瞬間、ゴールド団長の目つきが真剣になりました。

「・・・我々がこの地に降り立ったのも、あなた方を招待したのも、全てはその『パラグリラマシン』のためなのです。私についてきてください」

 ゴールド団長は、キャンベルたち三人を連れて、テントの中の広場から、さらに通路の奥へと進んでいきます。突き当たったところに小部屋があり、四人が入ると、ゴールド団長がレバーを下へと下げます。すると、部屋の格子こうしが閉まり、部屋が下へと降りていきます。

「これはエレベーターですね、テントの下の王冠の部分の中です」エレベーターが下まで降り切ると、格子戸が開き、薄暗く大きな空間に着きました。ゴールド団長が壁のレバーを上にあげると、空間が一気に明るくなり、キャンベルたちの目の前に大きな装置そうちがありました。

「なんだろうね・・・これ・・・?」
「まるで、教会にあるパイプオルガンですね・・・!」
「もしかして・・・この大きなオルガンが・・・!?」ゴールド団長がうなずきます。

「そう、この機械きかいこそ、ほかならぬ『パラグリラマシン』なのです!」空間のはしを埋め尽くすような巨大なパラグリラマシンは、三段の鍵盤けんばんからなるパイプオルガンの本体に、上部にトランペットのような吹き出し口のある柱が左右に二本ずつ立ち、ところどころ歯車が出ています。

「ところで、ゴールド団長はこれをどうする気なのですか?」キャンベルがたずねます。
「それは、このマシンを完成させるのが、私たちの目的であり、師匠ししょうから託された使命なのです」

「師匠から託された使命ですか・・・?詳しく聞かせてください」ゴールド団長は咳払せきばらいしました。

「元々、私と弟のシルバーは、スピネル王国の貴族でした。魔法の才能があった私たち兄弟は、魔法結社『バラ十字団』の賢者マーリン様の元で修業を重ね、共に一級魔導士の資格を得て卒業しました。

 しかし、私の弟シルバーは修行で得た魔法や、持ち前の地位や財産ざいさんを、おのれの欲を満たすために使うようになり、考えの違いから、私たち兄弟はそれぞれ別の道を行くことにしました。

 ある時、『幻想界平和連盟』の新代表となったわが師マーリン様は、かつての連盟が使おうとした『心理しんり操作そうさ装置そうち』を改造し、本当の世界平和の役に立つ物をつくろうとおっしゃいました」それを聞いたキャンベルはハッとします。

「もしかして、パラグリラマシンを完成させると言うのは・・・!?」ゴールド団長はうなずきます。

「そう!この『心理操作装置』を、『真の世界平和のための装置』に作り変えることなのです。聞いた人々の正の心に働きかけて活力を与える装置に・・・!」これに、レミオンが言いました。

「なるほど、元々、人々の心を操る装置なら、あのグーラたちも欲しがるわけだ・・・!」

「そうです、悪しきものの手に渡れば、人々は支配されてしまうでしょう。我々が世界各地を周り、ゲリラ興行こうぎょうを続けるのには、マシン完成の資金かせぎや団員たちをやしなうためでもありますが、師匠から託されたこのマシンを、悪者たちから守るためでもあるのです」キャンベルたちはうなずきました。

「なるほどですね、それで、わたしたちを招待したのは・・・!?」これにゴールド団長もうなずきます。

「そう、あなた方便利屋に、私たちの手伝いを依頼いらいしたいのです。なんとか頑張っているのですが、まだまだ完成には程遠ほどとおいのです」

「わかりました、何とかやってみましょう」キャンベルたちはうなずきました。

「ありがとうございます!サーカス団を代表して感謝かんしゃの意を表します!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

四尾がつむぐえにし、そこかしこ

月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。 憧れのキラキラ王子さまが転校する。 女子たちの嘆きはひとしお。 彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。 だからとてどうこうする勇気もない。 うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。 家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。 まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。 ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、 三つのお仕事を手伝うことになったユイ。 達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。 もしかしたら、もしかしちゃうかも? そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。 結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。 いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、 はたしてユイは何を求め願うのか。 少女のちょっと不思議な冒険譚。 ここに開幕。

【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。  しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。  そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。  そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。

おっとりドンの童歌

花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。 意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。 「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。 なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。 「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。 その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。 道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。 その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。 みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。 ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。 ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。 ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

こちら第二編集部!

月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、 いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。 生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。 そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。 第一編集部が発行している「パンダ通信」 第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」 片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、 主に女生徒たちから絶大な支持をえている。 片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには 熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。 編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。 この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。 それは―― 廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。 これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、 取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。

「いっすん坊」てなんなんだ

こいちろう
児童書・童話
 ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。  自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・           

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

エリちゃんの翼

恋下うらら
児童書・童話
高校生女子、杉田エリ。周りの女子はたくさん背中に翼がはえた人がいるのに!! なぜ?私だけ翼がない❢ どうして…❢

処理中です...