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第78話 会議
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旧魔法学園、ルミナス港倉庫での事件を終えて、
調査隊全員は陛下に呼ばれている。
勿論、賢者も同席しての謁見だ。
「お前達、子供達の救出、
そして魔族の捕獲見事だ!」
王は、特別調査隊に賛辞を贈る。
今日呼ばれた理由は、捕獲した魔族から得た事実を共有するために呼ばれたのだ。
そして賢者は今回の召集の目的を説明する。
「お前達を呼んだのは四天王と、
その陰謀を共有するためだ」
セシルとガブの会話に出てきた四天王。
その単語を元にサリーの奴隷術から情報を探らせたのだ。
「四天王の名前はバルガス、
そこのサリーの復讐相手だよ」
バルガスという名前が出た瞬間、
サリーの顔が引き攣る。
十年間憎しみを温め続けてきた相手であり、
サリーの生きる理由となっている。
「バルガスの目的は、
前にも言った通りマリアの心臓だよ」
「バルガスは何で子供の誘拐に、
関わっていたのでしょうか?」
フィリアが疑問に思ったことを口にした。
その答えこそがサリーが最も憎しみを持つ理由となる。
「サリーの復讐の理由にも繋がるんだが、
心臓を喰うと吸収するんだよ……
その者の力、スキルを」
「な、何だって」
そして四天王バルガスのスキルを聞いた、
サリーは、瞳に涙を溜めて告げる。
「私の家族はバルガスに、
喰われたんだよ!」
その事実に俺は何と答えれば良いのか、
全く分からなくなってしまった。
気軽にサリーに復讐を止めろと言えない。
もし俺の大切な家族が喰われると考えただけで、
気がおかしくなってしまう。
「奴らの狙いはマリアだけじゃない!
誘拐した子供を喰って、
スキルを得る事だったんだよ……」
俺達は、驚愕の事実を賢者から聞いた。
幸い子供達は全員救出し親元へ帰している。
そして賢者の話を聞いて、更に一同は唖然とした。
「奴らはルミナス魔宝祭で、
大規模な作戦を決行してくる」
「な!」
気付けば5日後にルミナス魔宝祭が控えていた。
その他国からも客人が集まるタイミングで、
魔族達は作戦を決行する。
「シンも参入しマリアを狙うだろう。
これは国をかけた戦いだ!」
「お祭りは中止出来ないのですか?」
クリスの問いは誰しもが心に思っており、
その質問に国王は苦い顔をしながら答える。
「もう他国の要人はルミナスに入国した。
これから益々入るタイミングで、
今から中止は出来ないだろう」
全てが後手に回ってしまい、
相手の思い通りに事態が進んでしまう。
更に国王は話し続ける。
「勿論、祭は小規模に縮小する!
防衛に軍事力を割くためにもな」
そしてここから先は防衛に関わる話を始めるため、
宮廷魔術師や王国騎士団も加わる。
部屋に主要メンバーが入ってきた。
勿論その中にクレア、ゲイルも含まれる。
更にユーリも会議に同席すると決まった。
「ユーリ……」
ユーリはクリスと目があったのに気付いて、
軽くウインクをする。
クリスも、そんなユーリを見て微笑んだ。
そしてルミナスの未来をかけた、
防衛作戦の会議が始まる……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
会議を終えてクリスは今でも信じられないでいた。
クリスが防衛作戦の中で重要な役割を担っているからだ。
それはセシル、バルガスの討伐だ。
そしてクレアとユーリはシンの討伐を担当して、
転移魔法を抑える。
シンの転移魔法に対して範囲攻撃を主とするクレアが適任なのだ。
「クリス!ちょっといいか……」
クリスに話しかけてきた人物がいる。
それはクリスのもう一人の師、賢者だ。
「作戦を確かなものにするために、
お前と準備がしたい」
そして賢者は、更なる極秘作戦とスキル習得をクリスへ伝えた。
その作戦内容を聞いて、クリスは衝撃を受ける。
賢者は近くにいたピクシーを呼び、
クリスの元に連れて行く。
「ピクシー、来なさい
マリアも一緒だよ」
「え?」
賢者は、クリスの惚けた顔を見て一喝する。
緊急事態を乗り越えられるかは、
殆どがクリスに関わっているからだ。
「しっかりしな、クリス……
マリアも一緒にお前と訓練するんだよ!
残りの5日間、毎日一緒だ」
クリスは、マリアと一緒に訓練すると聞いたが、
まだ心の準備が出来ていない。
「あ、あの賢者……」
「いい加減、覚悟決めな!
これが一番効率が良いのさ」
極秘作戦のために訓練を開始する。
その参加者はクリス、マリア、ピクシーだ。
ピクシーは1日のみの参加だが、
マリアとは毎日一緒に共にすることになる。
そしてついに、もう一人の主役が現れた。
「マリア……」
クリスの婚約者マリアである。
賢者から事情を聞いたマリアも頬が赤い。
「あの、クリス……」
気のせいか手を前にして落ち着かない様子だ。
クリスもマリアを見ていると、
余計に意識して恥ずかしくなってしまう。
「あの、が、頑張ろうねマリア」
「そ、そうね、私も頑張る!」
五日後に控えたルミナス魔宝祭、
その日に魔王軍は襲撃を予定していた。
今後、賢者が計画する極秘作戦を成功させる事が、
この戦いを生き抜くのに重要となる。
そしてそれは、五日間のクリスとマリアの訓練に、
全てがかかっているのであった……
調査隊全員は陛下に呼ばれている。
勿論、賢者も同席しての謁見だ。
「お前達、子供達の救出、
そして魔族の捕獲見事だ!」
王は、特別調査隊に賛辞を贈る。
今日呼ばれた理由は、捕獲した魔族から得た事実を共有するために呼ばれたのだ。
そして賢者は今回の召集の目的を説明する。
「お前達を呼んだのは四天王と、
その陰謀を共有するためだ」
セシルとガブの会話に出てきた四天王。
その単語を元にサリーの奴隷術から情報を探らせたのだ。
「四天王の名前はバルガス、
そこのサリーの復讐相手だよ」
バルガスという名前が出た瞬間、
サリーの顔が引き攣る。
十年間憎しみを温め続けてきた相手であり、
サリーの生きる理由となっている。
「バルガスの目的は、
前にも言った通りマリアの心臓だよ」
「バルガスは何で子供の誘拐に、
関わっていたのでしょうか?」
フィリアが疑問に思ったことを口にした。
その答えこそがサリーが最も憎しみを持つ理由となる。
「サリーの復讐の理由にも繋がるんだが、
心臓を喰うと吸収するんだよ……
その者の力、スキルを」
「な、何だって」
そして四天王バルガスのスキルを聞いた、
サリーは、瞳に涙を溜めて告げる。
「私の家族はバルガスに、
喰われたんだよ!」
その事実に俺は何と答えれば良いのか、
全く分からなくなってしまった。
気軽にサリーに復讐を止めろと言えない。
もし俺の大切な家族が喰われると考えただけで、
気がおかしくなってしまう。
「奴らの狙いはマリアだけじゃない!
誘拐した子供を喰って、
スキルを得る事だったんだよ……」
俺達は、驚愕の事実を賢者から聞いた。
幸い子供達は全員救出し親元へ帰している。
そして賢者の話を聞いて、更に一同は唖然とした。
「奴らはルミナス魔宝祭で、
大規模な作戦を決行してくる」
「な!」
気付けば5日後にルミナス魔宝祭が控えていた。
その他国からも客人が集まるタイミングで、
魔族達は作戦を決行する。
「シンも参入しマリアを狙うだろう。
これは国をかけた戦いだ!」
「お祭りは中止出来ないのですか?」
クリスの問いは誰しもが心に思っており、
その質問に国王は苦い顔をしながら答える。
「もう他国の要人はルミナスに入国した。
これから益々入るタイミングで、
今から中止は出来ないだろう」
全てが後手に回ってしまい、
相手の思い通りに事態が進んでしまう。
更に国王は話し続ける。
「勿論、祭は小規模に縮小する!
防衛に軍事力を割くためにもな」
そしてここから先は防衛に関わる話を始めるため、
宮廷魔術師や王国騎士団も加わる。
部屋に主要メンバーが入ってきた。
勿論その中にクレア、ゲイルも含まれる。
更にユーリも会議に同席すると決まった。
「ユーリ……」
ユーリはクリスと目があったのに気付いて、
軽くウインクをする。
クリスも、そんなユーリを見て微笑んだ。
そしてルミナスの未来をかけた、
防衛作戦の会議が始まる……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
会議を終えてクリスは今でも信じられないでいた。
クリスが防衛作戦の中で重要な役割を担っているからだ。
それはセシル、バルガスの討伐だ。
そしてクレアとユーリはシンの討伐を担当して、
転移魔法を抑える。
シンの転移魔法に対して範囲攻撃を主とするクレアが適任なのだ。
「クリス!ちょっといいか……」
クリスに話しかけてきた人物がいる。
それはクリスのもう一人の師、賢者だ。
「作戦を確かなものにするために、
お前と準備がしたい」
そして賢者は、更なる極秘作戦とスキル習得をクリスへ伝えた。
その作戦内容を聞いて、クリスは衝撃を受ける。
賢者は近くにいたピクシーを呼び、
クリスの元に連れて行く。
「ピクシー、来なさい
マリアも一緒だよ」
「え?」
賢者は、クリスの惚けた顔を見て一喝する。
緊急事態を乗り越えられるかは、
殆どがクリスに関わっているからだ。
「しっかりしな、クリス……
マリアも一緒にお前と訓練するんだよ!
残りの5日間、毎日一緒だ」
クリスは、マリアと一緒に訓練すると聞いたが、
まだ心の準備が出来ていない。
「あ、あの賢者……」
「いい加減、覚悟決めな!
これが一番効率が良いのさ」
極秘作戦のために訓練を開始する。
その参加者はクリス、マリア、ピクシーだ。
ピクシーは1日のみの参加だが、
マリアとは毎日一緒に共にすることになる。
そしてついに、もう一人の主役が現れた。
「マリア……」
クリスの婚約者マリアである。
賢者から事情を聞いたマリアも頬が赤い。
「あの、クリス……」
気のせいか手を前にして落ち着かない様子だ。
クリスもマリアを見ていると、
余計に意識して恥ずかしくなってしまう。
「あの、が、頑張ろうねマリア」
「そ、そうね、私も頑張る!」
五日後に控えたルミナス魔宝祭、
その日に魔王軍は襲撃を予定していた。
今後、賢者が計画する極秘作戦を成功させる事が、
この戦いを生き抜くのに重要となる。
そしてそれは、五日間のクリスとマリアの訓練に、
全てがかかっているのであった……
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