【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第100話 研究所

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教皇との交渉を終えた後、
俺は、魔導具研究所に向かっている。

研究所の前に白衣の男が立っており、
俺はその男に向かって、大声で呼びかけた。


「おーい!捕虜を連れて来た!
 手を貸してくれ~!」


「お、お前は!!
 ロキ!!生きていたのか!」


魔族の姿に化けた俺に向かって、
白衣の男は、躊躇することなく名前を呼んだ。
その行動から察すると、男は魔族である可能性が高い。


「それにしても、よく生きていたな!
 みんな心配していたぞ!!」


「心配かけてすまない……
 その代わり人間を捕まえて来たぞ!」


「おお!それは有難い!
 まだ人数が必要だからな……」



俺が捕虜として連れて来たのは、
ロキと呼ばれた魔族本人だ。
幻惑魔法で、人間の姿に変化させた。



「それと大事な報告もあるのだが、
 どうすれば良い?」


「な、何!
 それなら悪魔族のジル様に報告するのが良い!
 先ほど戻って来たのだ!」


「おお、それは心強い!」


適当に話を合わせながら情報を収集している。
違和感なく会話が出来ているのは、
耳に通信機を付けて、賢者に従っているからだ。


「ジル様は今どちらに?」


「たぶん研究者から力を吸収しているから、
 恐らく2階の研究室だな!」


この瞬間、心臓が張り裂ける思いをしてしまう。
白衣の男は、邪悪な笑みを浮かべながら、
人間達から力を吸収していると言った。
残酷な事を、平然と言ってのけたのを見て、
やはり目の前の男は、魔族が変装していると確信した。


「すまない……
 拷問にあって、記憶が曖昧でな……
 部屋の近くまで案内してもらっていいか?」


俺は今も頭痛に苦しむ素振りを見せて、
男に道案内を頼む。


「仕方ねえな!
 せっかく戻って来たんだから、
 少し入口から目を離しても許してくれるだろう!」


そして俺は、見張りの男に案内してもらい、
正面入り口から堂々と研究所に侵入する。

すれ違う魔族達に挨拶をしながら、
通路を直進した……





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





研究所に入った後、通信機を使いながら、
賢者達が侵入出来るタイミングを見計らっていた。

打ち合わせでは、人質の無事を確認後、
距離が離れた場所で魔法での爆発が起きる。
そして混乱に乗じて賢者達が侵入する作戦だ。


「着いたぞ!
 この実験室の中に捕虜達を運んでくれ!
 じゃあ、俺はここで帰るからな」


白衣の男が部屋の前まで案内すると、
俺は即座に手刀を首に当てて気絶させる。
その後はロープで縛り、
幻惑魔法をかけて人間の捕虜に見せかけた。


「賢者、これで捕虜が二人になった」


人目のつかない場所で賢者に話しかけると、
通信機から賢者が返事をする。


「よし、今のところ順調だな!
 これから研究所で何をしているのか探るぞ!」


そして賢者の合図と共に、扉を開けると、
目の前に広がる光景を見て言葉を失い、
唖然としてしまった。


1人の人間が入れる程度のカプセルが、
部屋に5つ設置されている。
見た途端に人間の魔力を奪っていると察知した。


「お、お前は……」


突如として、
部屋にいた魔族の男が俺に気付き声をかける。



「ロキじゃないか!!!」



「心配かけてすまない!
 な、何とか……無事に生還した……」



「よ、良かったな~
 死んだかと思ったぜ……」



「捕虜を連れて来たが、
 この機械に入れると、どうなるんだ?」


「ロキは初めて見るのか……
 人間の魔力を吸い尽くして、
 今日は、ジル様に魔力を送る」


その言葉を聞くと、数日間に渡り人の命を使って、
魔族に魔力を送り続けたと察する。


「他の人質はどれくらい残っているんだ?」


「ん?何言ってるんだ?
 もう中にいる4人だけだ」


その言葉を聞いた瞬間、俺は通信機を使い、
賢者に情報を伝える。
するとそれが作戦の合図となり、
遠方から魔法による爆発音が鳴り響いた。


「な、何が起きたんだ?」


「……シャルロットの火魔法だよ」


「は?ロキ、お前何を言っているんだ?」


魔族がそう声を発した直後、
俺は即座に魔族を蹴飛ばして気絶させる。
そして、全てのカプセルを開けて人質を解放した。

4人の研究者達は、咳き込みながら苦しむが、
魔力切れになる前に救えたと確認する。


「き、貴様!何をする!」


そして、最後のカプセルから人物が現れ、
俺に声をかけたが、その顔を見た瞬間に唖然としてしまった。


「まさか最初から敵だったなんてね……
 気付かなかったよ」


「何を言っている?
 貴様、ロキではないのか?」


俺は、疑問に答えるように、
幻惑魔法を解き、姿を見せると、
その人物は声を出して驚く。


「貴様、あの時の……」


「まさか、俺達を教皇に案内した貴方が、
 魔族だったなんてね」


教会本部に到着して、教皇の元へ向かう途中、
職員の女性に案内してもらった。
まさにその人物こそが、悪魔族のジルだった。

そして研究者達を救い、その話を聞いた時、
俺達は、魔族に対して怒りを抑えきれなくなってしまうのであった……
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