【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第99話 依頼

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賢者は水の都に到着すると探知魔法を使い、
クリス達の場所を特定した。
そしてクレアに事情を伝えて別行動となったのだ。
早くもクリスに会えると思ったユーリは落胆している。


「同じ国にいるんだ……
 そう焦ることもないさ……」


クレアはユーリが幼少の頃から生活を共にした為、
微妙な表情の変化に気付いていた。
そんな落ち込むユーリを元気付けようと接する。
そして、カートもユーリの様子を見て、
力になりたいと声をかけた。


「クリスもきっと会いたいんじゃないか?
 アイツから好きだと言われたんだろ?」」


「うん……」


未来に戻ってすぐに、ユーリは告白された。
しかしマリアと気持ちが通じ合った今、
自分は必要ないのではと不安になっている。



「ユーリ、今のお前は、幻惑の腕輪で変装して、
 エルフにしか見えない!
 せっかくだから旅行気分を楽しもうじゃないか」


ルミナスの研究者が幻惑効果のある魔道具を作り、
ユーリの姿を変えるのに成功した。
魔女狩りから隠れるための秘策だ。
今のユーリは、耳が尖っており、
目鼻も可愛らしさが消え美しさが際立っている。


「そろそろ飯でも食いに行くか?
 腹でも減っただろう……」


クレアは食事で気を紛らわそうと提案をした。
ここは水の都であり、その名産を予測してユーリに伝える。


「ユーリ、お前の好きな海の幸が、
 めちゃくちゃ美味いかもしれないぞ!」


クレアの言葉を聞いた瞬間、
ユーリの瞳は、星のようにキラキラと輝き、
すぐに満面の笑顔に変わった。



「あ、あねご!
 沢山お魚を食べたい!!」


幻惑の腕輪によって更に美しい容姿に変化したが、
涎を垂らすユーリを見てクレアは愛しさが込み上げる。


「ふふふ、早く行くぞ!
 売り切れてしまうからな」


「ええ!
 困る!困る!困る!」


ユーリは慌てて手を振りながら騒ぐ。
クレアは、そんなユーリを見ていると、
10年前に一緒に旅をした日々を思い出していた。
外見こそ変わっていても、中身はユーリのままだ。


「ふふふ、一番遅くに着いた者が奢るのはどうだ?
 ユーリ!久しぶりに遠慮しなくて良いぞ!」


クレアは、ユーリの笑顔が見たくて、
早く食事処に向かおうと走り出した。
するとユーリも明るい笑顔になり走り出す。


「あ、あねご!待って~!」


咄嗟のことだが、カートは今すぐに走らなければ、
奢りが確定してしまう。
クレアの言葉は、冗談にも聞こえるが、
冗談でなくなり、本当に驕りになるかもしれない。
そう思い始めたカートは、冷や汗を流しながら、
二人を追いかけた……






◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




教皇ラグナとの交渉で、
賢者は全面的に支援を要求した。
ラグナも同意はしたが、まだ交渉は終わらず、
代わりにラグナからも要求される。
現在も教会本部での交渉は、継続しているのだ。



「ルミナスへ支援をする……だが、
 こちらからも、お願いしたいことがある」



教皇から、聖女サラの救出を頼まれたが、
突如、その他にもう一つ依頼があると言い出した。



「……話を聞くだけ聞こうじゃないか。
 内容次第では、断るからな」


「それで結構……
 依頼というのは、魔導具研究所についてだ」


魔導具研究所という単語が出てきて、
今回の視察の目的の一つであった為、
賢者は、無碍に出来ないと眉間に皺を寄せた。


「実はな……
 研究所が魔族に占拠された可能性が高い。
 既に研究者が1週間も家に帰っていないのだ」


「何だと……」


「今回の依頼は、その研究者達の救出と、
 私の魔導具の奪還だ」


ラグナから依頼されて、
これからの目的は明確になった。
魔導具研究所に出向き、研究者の救出と、
奪われた魔道具を回収する。


「おそらく敵は、魔族だ……
 入り口の研究者も操られている可能性が高い」


「一度調査しているのか?」


「あぁ、だが……」


ラグナは、賢者の質問に頷き、
密偵を何度も送り込んだが、
結局帰ってくる事は無かったと返事をした。


「お前達の仲間は死んでいるか、
 同じように操られている可能性が高いと……」


「今後は、魔族がサラを狙うのを考慮すると、
 教会の戦力を割くのは危険なのだ」


賢者は、その意見を聞き、
サラと周りの聖騎士達を見渡し、
ため息を吐きながら口を開く。


「使われるのは癪だが、
 私達も研究所には用がある……
 その依頼を引き受けよう」


賢者が依頼を引き受けると、
ラグナは満足そうに笑みを浮かべた。
そして、事前にその言葉を待っていたように、
室内に一人の男性を呼び寄せた。
その男性は縄で縛られ拘束されている。


「魔族の捕虜だ……
 コイツから情報を聞き出すのも良い。
 好きにしろ……」


「成る程な……
 それなら良い作戦がある」


賢者は笑みを浮かべてクリスを見ると、
賢者が何を考えているのか分からず、
クリスは首を傾げていた。


「流石に魔族が占拠する場所に、
 無闇に突入は出来ないからな……」



そして賢者は、作戦を告げると、
クリスはその内容に驚き目を見開く。


「幻惑魔法で潜入調査だよ!
 お前が魔族に化けて突破口を開くんだ!」


「はい?」


賢者の発案した作戦により、
急遽、魔道具研究所に潜入することになった。
最初に一人で敵地に向かい、
賢者達が合流出来るよう行動する。
そして初めての潜入任務でクリスは緊張するが、
賢者の指示したスキルと魔導具を使い、
作戦を成功に導くのであった……
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