休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第110話 憧れ

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ようやく賢者と通信が繋がり、これから龍退治に向けて戦力補強をすることになった。
しかし、ギルドで人員募集をしたが、
応募は一切来ない。


「うーん、お前は未来の人間だから、
 知り合いもいないしな…」
 

ふと昨日初めて出会ったガルムが浮かぶ。
人員確保のために必死に声を出して募集活動したが努力も虚しい。
それであれば、ひとまずガルムだけでも確保しようと賢者に提案した。


「あんまり強そうじゃないけど、
 このまま1人で活動しても、
 進展しないだろう…」


1人で活動するよりも2人で活動した方が知恵も人脈もあるだろうと賢者は判断する。
そして、昨日聞いたガルムの家まで尋ねることにした。
ガルムの家は街のはずれで小さな古民家に住んでいる。


「ここが、ガルムの家か…」


ガルムの家は、レンガを基調とした家だが、
所々にヒビが入り劣化が激しい。
築年数も相当経過していそうだ。


「おーい、ガルム~」


俺が大声で呼ぶと、窓から犬耳が勢いよく動くのが見える。
そして、ドアから元気よくガルムが現れた。


「ア、アニキ~!
 来てくれたんですね!」


ガルムは犬耳と尻尾は付いているが、
普通の人間と変わらない容姿をしている。
その笑顔は愛嬌があり可愛らしい。


「ところで、せっかく来たし妹さんに、
 会えるかな?」


「ア、アニキ!
リルムのためにわざわざ来てくれるなんて」


目を星のようにキラキラと輝かせて、
あまりの嬉しさに今にも泣き出しそうだ。
そんな顔されたら余計に龍退治を言い難い。
とりあえず今は、家の中に入らせてもらうことにした。


「お兄ちゃん、誰か来たの?」


そう言って出迎えてきたのは、犬耳の小柄な女の子リルム。
片耳に付けたリボンが可愛らしく、ガルムと同様に童顔だ。
まさに守ってあげたくなる妹と感じる。


「お、おい!リルム、咳が出るから、
 横になっていないと駄目だろ」


そう言いながらリルムを横にさせて、毛布をかける。
ガルムは、心配性で妹想いの兄なのだ。


「でも、お客さんだし、お茶を…」


リルムは話した直後に咳き込んでしまう。
それを見てガルムは慌てて、リルムの背中をさすっている。
俺も何か力になれないかと思い、
リルムに回復魔法ヒールをかけてみた。


「え?」


すると先程は元気がなかったリルムの表情に活力が溢れて笑顔になる。


「え、え、え、
 これって、まさか!」


「ア、ア、アニキ!
 か、か、回復魔法を使えるの?」


二人ともいきなり焦り出してしまい動揺している。
ガルムの顔も青くなっており震えが止まらない。


「ア、アニキ…
 回復魔法に払えるお金無いっすよ…」


「いやいや、お金は、いらないよ
 それよりもリルム、具合はどう?」


リルムは、顔色が悪かった時と比べ物にならない程の綺麗な笑顔で言葉を発する。


「もう元気だよ!
 お兄さんのおかげです!」


身体が軽くなったのが余程嬉しかったのか、
腕を回して、軽い運動をしている。


「リルム、お前が元気に…」


ガルムは瞳に涙を溜めて大泣きをし始める。
元々涙腺が弱いガルムは妹のことには、
感情を制御出来なくなってしまう。


「う…っう…
 アニキ、う…
 一生ついていきやす…」


絶対に無理だとツッコミを入れたくなったが水を差すのも可哀想なので心の中に留めておいた。


「でも、まだ治っていないみたいだ…
 くれぐれも無理しないようにね」


俺はリルムの手を握り、症状を把握したが、俺の使える回復魔法では治せない病気だ。
後で賢者に治癒の方法を聞いてみよう。


「でも、こんなに身体が軽いの始めて…
 本当にありがとう」


輝かしい笑顔が向けられて心が暖かくなる。
そしてその笑顔を見たガルムは、
再度声をあげて泣き出してしまう。

「う…う…ア、ニキ~
 うっ…うっ」

そんな二人を見ていると、龍のことを話せる雰囲気では無くなった。
しかし二人に、こんなに喜ばれるなら会いに来て良かったと思える。
そして今日は一度帰ろうと思いドアを開けて外に出た。


「アニキ、送りますよ!」


ガルムは、ドアの外まで見送りに来たが
その顔はぐちゃぐちゃになっている。
本当に嬉しくて仕方ない顔をしていた。


「まだ妹さんの病気は治っていないから、
 俺に出来ることは協力するよ」


「アニキ、本当に…
 俺は、恩返しに何でもします…」


ガルムがそう言ったので、丁度龍の話がしやすいと思ったが予想外の邪魔が入る。







「お、おい!
 私の子分に何してるんだ!」





そう言い放ったのは、銀髪のショートカットに赤目をした活発な少女。
恐らく同い年くらいだろう。



「お、おやびん!」



いきなり隣にいたガルムが叫び出す。
もしかしたら泣き腫らしたガルムを見て、
俺が苛めていると勘違いをしたのかもしれない。


そして俺の通信機から賢者がその人物の名前を知らせてきた。
その人物の名前に俺は驚きを隠せない。





「私は、ユリス・レガード
 そいつの親分よ!」





ユリス・レガード…
レガード家の者なら知らないわけがない。
龍を倒して剣聖を受勲された伝説の存在。
レガード家が力を付けられたのも、初代剣聖のおかげだ。


そして近い未来、剣聖に至る憧れの存在を前に俺は戸惑いを隠せない。
初代剣聖に出会えて感動しているが、
何故か剣を向けられているのだから…
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