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第128話 勇者
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ユーリとの口付けにより従属化スキルがカンストして忠誠スキルを得た。
魔族の契約スキルの中でも最高レベルのスキルだと、賢者は言っている。
そのスキルはユーリの隷属の首輪の効果を打ち消した。
「マリアだけじゃなくて、
ユーリとも魔力の繋がりを感じるよ」
繋がったことで魔力からユーリの感情も読み取れてしまう。
何だかお互いに気恥ずかしくなってきた。
「く、クリス…」
ユーリもそれに気づいたらしい。
きっと俺のユーリへの想いが伝わってしまったのだろう。
「し、仕方ないじゃん…
好きなんだから」
ユーリはその言葉を聞き、輝かしい笑顔を見せる。
ずっとその言葉を待っていたのかもしれない。
「ユーリこそ、嬉しいみたいだよ」
「ちょっと、クリス!」
俺も仕返しに揶揄ってやろうと思った。
両思いになっているが、こうしてお互いの気持ちを確かめ合いたい。
「良いじゃん、
俺達は婚約しているんだし」
ユーリも魔力から嬉しくて仕方ないのが分かる。
今はお互いの魔力を通して気持ちが通じ合っている。
不安が無くなったユーリは、これからもっと積極的になるのかもしれない。
そして次元結界が消失して、周りの景色が見える。
賢者達の場所はそれほど離れていない。
「ユーリ、いくよ!」
探知でマリアの位置を確認して、
その場所に向かおうと俺達は走り出した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
水の神殿、儀式の間に次元の結界が破壊される音が響き、その音は賢者達にも届いた。
「賢者の私をこんなに待たせるなんて…」
ついに賢者が待ち焦がれた人物が、
ようやくこの場所に到着した。
「賢者、待たせてごめん」
振り返った賢者は、輝かしい笑顔を向ける。
その笑顔は記憶の世界で見た美しい笑顔と同じだった。
「クリス、散々待たせたんだ…
罰として、勇者退治といこうじゃないか!」
俺は勇者と聞いて驚愕している。
目の前にいる女性がおとぎ話に出て来た伝説の存在、勇者なのだろうか…
「ほう、お前が聖剣の使い手というわけか」
カノンは怪しく笑みを浮かべながら、
俺に向けて口を開いた。
「お前、どことなくアイツに似ているな」
「はい?」
何のことを言っているのか分からない。
そして、周りを見渡して俺は怒りに震えてしまう。
アリスとカートさんが倒れているからだ。
「お前、本当に勇者なのか?」
「どういう意味だ?」
俺の中で勇者とは、困っている人々を守り、
更に導く存在だと思っていた。
「心臓欲しさに人を殺す魔族と、
お前は何も変わらない」
「ふふふ、生意気なことを言う!
小僧、私が勇者とは何かを…」
カノンの周りに光魔法の輝きが溢れ、
圧倒的な魔力を身体強化に変える。
「その身体に、教えてやる!」
そして剣を握りしめ突進してきた。
急速にカノンは接近してくる。
更に光魔法を剣に纏わせて斬撃を繰り出した。
その瞬間に、俺の目の前に氷の壁と回復魔法の防御壁が重なり合い、カノンの斬撃を完璧に防ぐ。
二重に強化された壁は、まるで融合魔法でも使ったかのように強固な壁となっていた。
「二人とも…」
そして、振り返るとマリアとユーリが必死な形相で魔法を放っている。
俺はそれを見て嬉しくて仕方がないが、
勇者の攻撃を防いだ二人の防御壁に驚愕していた。
そして、俺は覇王を全力で解放して、
聖剣に光を集めていく。
「マリア、ユーリ…
俺に力を分けてくれ…」
二人の魔力が聖剣に集まり光り輝く。
その力は俺の感情に応えるように、
更に強さを増した。
「勇者カノン
ここで、お前を倒す!」
俺は二人の想いが重なる聖剣技を繰り出し、勇者へと向かう。
「素晴らしい…
聖剣をここまで使いこなす人物が、
まさか私以外にいるとはな…」
カノンは背中に装備していた盾を前に持ち、
その一撃を凌ぐ。
覇王の力をかなり強めたが、直撃を逸らされた。
「私にこれ程のダメージを与える者が、
まさかこの時代にいるとはな」
そしてカノンも右手に光魔法の魔力を集めていく。
その構えから、クリスと同じ聖剣技に他ならない。
その時、ユーリに乗り移る女神から言葉が届いた。
「あの…女神が協力してくれるって、
言ってるんですけど…」
賢者も驚愕してユーリの言葉を聞いている。
そもそも人の争いに干渉して来なかったが、
女神が手を貸しても良いのか不安になる。
「それなら、お願いしたいけど…」
俺が声を発した瞬間に、
ユーリの周りに神聖な魔力が溢れる。
女神が誘導するようにユーリの左手を上げ、
振り下ろした。
すると女神の裁きである光が勇者を襲う。
勇者は手に持つ盾で必死に防ぐが、
強烈な一撃を与えるのに成功した。
「お前ら、私が女神を憎むのを知っていて、
女神の裁きを落としてくるとは…
本当に私を怒らせたいようだな」
さらに怒りに震える勇者カノン。
その怒りを力に変え、勇者最強の技が繰り出される。
それはまさに500年前に魔王との戦いでも使用していた聖剣技だ。
そしてこれから俺達と勇者カノンの戦いは、
お互いの未来をかけた戦いへと突き進む……
魔族の契約スキルの中でも最高レベルのスキルだと、賢者は言っている。
そのスキルはユーリの隷属の首輪の効果を打ち消した。
「マリアだけじゃなくて、
ユーリとも魔力の繋がりを感じるよ」
繋がったことで魔力からユーリの感情も読み取れてしまう。
何だかお互いに気恥ずかしくなってきた。
「く、クリス…」
ユーリもそれに気づいたらしい。
きっと俺のユーリへの想いが伝わってしまったのだろう。
「し、仕方ないじゃん…
好きなんだから」
ユーリはその言葉を聞き、輝かしい笑顔を見せる。
ずっとその言葉を待っていたのかもしれない。
「ユーリこそ、嬉しいみたいだよ」
「ちょっと、クリス!」
俺も仕返しに揶揄ってやろうと思った。
両思いになっているが、こうしてお互いの気持ちを確かめ合いたい。
「良いじゃん、
俺達は婚約しているんだし」
ユーリも魔力から嬉しくて仕方ないのが分かる。
今はお互いの魔力を通して気持ちが通じ合っている。
不安が無くなったユーリは、これからもっと積極的になるのかもしれない。
そして次元結界が消失して、周りの景色が見える。
賢者達の場所はそれほど離れていない。
「ユーリ、いくよ!」
探知でマリアの位置を確認して、
その場所に向かおうと俺達は走り出した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
水の神殿、儀式の間に次元の結界が破壊される音が響き、その音は賢者達にも届いた。
「賢者の私をこんなに待たせるなんて…」
ついに賢者が待ち焦がれた人物が、
ようやくこの場所に到着した。
「賢者、待たせてごめん」
振り返った賢者は、輝かしい笑顔を向ける。
その笑顔は記憶の世界で見た美しい笑顔と同じだった。
「クリス、散々待たせたんだ…
罰として、勇者退治といこうじゃないか!」
俺は勇者と聞いて驚愕している。
目の前にいる女性がおとぎ話に出て来た伝説の存在、勇者なのだろうか…
「ほう、お前が聖剣の使い手というわけか」
カノンは怪しく笑みを浮かべながら、
俺に向けて口を開いた。
「お前、どことなくアイツに似ているな」
「はい?」
何のことを言っているのか分からない。
そして、周りを見渡して俺は怒りに震えてしまう。
アリスとカートさんが倒れているからだ。
「お前、本当に勇者なのか?」
「どういう意味だ?」
俺の中で勇者とは、困っている人々を守り、
更に導く存在だと思っていた。
「心臓欲しさに人を殺す魔族と、
お前は何も変わらない」
「ふふふ、生意気なことを言う!
小僧、私が勇者とは何かを…」
カノンの周りに光魔法の輝きが溢れ、
圧倒的な魔力を身体強化に変える。
「その身体に、教えてやる!」
そして剣を握りしめ突進してきた。
急速にカノンは接近してくる。
更に光魔法を剣に纏わせて斬撃を繰り出した。
その瞬間に、俺の目の前に氷の壁と回復魔法の防御壁が重なり合い、カノンの斬撃を完璧に防ぐ。
二重に強化された壁は、まるで融合魔法でも使ったかのように強固な壁となっていた。
「二人とも…」
そして、振り返るとマリアとユーリが必死な形相で魔法を放っている。
俺はそれを見て嬉しくて仕方がないが、
勇者の攻撃を防いだ二人の防御壁に驚愕していた。
そして、俺は覇王を全力で解放して、
聖剣に光を集めていく。
「マリア、ユーリ…
俺に力を分けてくれ…」
二人の魔力が聖剣に集まり光り輝く。
その力は俺の感情に応えるように、
更に強さを増した。
「勇者カノン
ここで、お前を倒す!」
俺は二人の想いが重なる聖剣技を繰り出し、勇者へと向かう。
「素晴らしい…
聖剣をここまで使いこなす人物が、
まさか私以外にいるとはな…」
カノンは背中に装備していた盾を前に持ち、
その一撃を凌ぐ。
覇王の力をかなり強めたが、直撃を逸らされた。
「私にこれ程のダメージを与える者が、
まさかこの時代にいるとはな」
そしてカノンも右手に光魔法の魔力を集めていく。
その構えから、クリスと同じ聖剣技に他ならない。
その時、ユーリに乗り移る女神から言葉が届いた。
「あの…女神が協力してくれるって、
言ってるんですけど…」
賢者も驚愕してユーリの言葉を聞いている。
そもそも人の争いに干渉して来なかったが、
女神が手を貸しても良いのか不安になる。
「それなら、お願いしたいけど…」
俺が声を発した瞬間に、
ユーリの周りに神聖な魔力が溢れる。
女神が誘導するようにユーリの左手を上げ、
振り下ろした。
すると女神の裁きである光が勇者を襲う。
勇者は手に持つ盾で必死に防ぐが、
強烈な一撃を与えるのに成功した。
「お前ら、私が女神を憎むのを知っていて、
女神の裁きを落としてくるとは…
本当に私を怒らせたいようだな」
さらに怒りに震える勇者カノン。
その怒りを力に変え、勇者最強の技が繰り出される。
それはまさに500年前に魔王との戦いでも使用していた聖剣技だ。
そしてこれから俺達と勇者カノンの戦いは、
お互いの未来をかけた戦いへと突き進む……
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