休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第144話 立ち向かう意志

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ミスト調査隊一同は、ジークのガレージ前に到着した。
酒場を通るまでの道中、異常に注目を集めていたのは、気品ある王女だけでなく少年から幼女、美女、更にはおじさん1名の隊列が通っていたからだ。
普段の光景では見られない異質なオーラを放っており、すれ違う者は凝視していた。


「待たせたな!ジーク!」


賢者がジークに声をかけると、ジークは作業を中断して俺達に挨拶をした。
ちなみにリリスは、サリーと共に宿屋で待っている。
シルフィと一緒にいたいと泣き出したが、
勇者も現れる可能性があるため、
母上は困惑しながらリリスを宥めていた。


「リリス、辛そうだったね……」


「お別れになるだろうからね」


マリアもその場に居合わせていたため、
事情は把握している。
初めて会った精霊との別れを、
リリスは幼いながらも理解していたのかもしれない……



そして定刻になり、飛行船に調査隊全員が乗り込んだ。
ジークの他に5名の乗組員がおり、
少数精鋭の人員で準備をしている。


「よし!集まったな!
 それでは出発するぞ!」


ジークが声を発すると共に、甲板の後方に設置される魔導発射口から魔法が放たれた。
魔法は絶えず発動し続けており、
その効果によって船が浮上し始める。


「と、飛んでるよ!」


ユーリがはしゃいでいるのと同じように、
俺も感動を抑えきれない。


「クリス、あそこに!」


マリアが指差した場所に見えるのは、
俺達の故郷でもあるルミナスだ。
魔列車で遠く離れた場所まで来ているので、
飛行船からだと豆粒のように小さく見える。

そして隣にいる賢者を見ると、
何か考え事をしているように感じた。


「賢者?」


賢者の視線の先に、空に浮かぶ島が見える。
それは俺達がこれから向かう空中遺跡だ。


「なーに、昔の話だが、
 あの島は元々浮いていなかったのさ」


「へ?」


500年前は一つだった大陸。
大地は切り裂かれ、島となり浮かび上がっている。


「凄いだろう……
 人間では不可能な領域、神の力さ」


神妙な顔付きで話す賢者を見ると、
500年前に何か因縁があったのかと勘繰ってしまう。


しかし、俺達が初めての飛行船に感動している最中、目標の方角から強力な魔力の波動を感知した。


「この波動は、まさか!
 耐えきれずに出てしまっただと!」


賢者が離れた浮島から波動を感知して警笛を鳴らす。
それは俺達がこれから向かう人物の波動に他ならない。


「風の精霊王がミストに向かうぞ!」


賢者の視線の先に激しい竜巻が見えた。
その竜巻の中心にいる風の精霊王が、
怒りに身を任せてミストに向かおうとしている。


「上陸して大地の全てを破壊するつもりだ!」


離れた大地に上陸して、ミストまで突き進んでいる。
道中に存在する森や魔物は、全て竜巻に飲み込まれてしまう。


「幸い村もなく、人が住んでいない地域だが、
 早くミストに向かわなければならない」


まだ今なら間に合う。
ここで精霊王を止めてミストを守り切れる。
俺達は計画を変更して精霊王の場所に向かおうと考えた。
しかしその時、意を決して口を開いた人物がいる。


「賢者様、私が行いくわ!」


シャルロットが、一人声をあげたのだ。
勇者も遺跡に向かう中、このまま精霊王の相手をしていると、先に聖剣を取られてしまう可能性が高い。


「お姉ちゃん!」


マリアは、死地に向かう姉が心配で堪らない。
胸が張り裂けそうな想いは、
魔力を通して俺にも流れてきている。


「放っておけないわ!
 ミストには私の友達もいる……
 それに、この子をちゃんと送り届けてあげたいしね」


「お姉ちゃん!でも……」


マリアは悲痛に感じられる声をあげると、
シャルロットは優しく微笑みながら抱きしめる。


「大丈夫よ!
 マリアを置いていなくなったりなんてしない!
 約束したでしょう?」


マリアは涙を流しながら、
シャルロットの胸に顔を埋めている。
その声を聞きながら、何度も頷いた。


そして、シャルロットの意志を汲んで、
俺は一つの選択肢を賢者に問いかけた。
何故なら、この調査隊の隊長は俺なのだ。
大事な決断を迫られた時に、
少しでも可能性を高められる判断をしたい。


「俺とマリアとユーリ、賢者だけで、
 遺跡を踏破できますか?」


「今の私たちなら何とか可能だろう!
 お前、まさか!」


俺は賢者の問いに無言で頷き、
全員に向けて言葉を発する。


「皆、聞いてほしい!隊長命令だ!
 シャルロット殿下を守り、ミストを救ってほしい!」


すると俺の声に全員が声を上げて賛同した。
そして、賢者も真剣な眼差しに変わり言葉を発する。


「シャルロット!
 お前に託したい物がある」


「賢者様、これは?」


「大事な形見だが、
 きっと今渡すためにアイツがくれたんだよ」


賢者は、宝石のように輝く小さな石をシャルロットに渡し、その名前を告げていく。


「それは、精霊石のかけらだ!
 風の精霊王と戦う前に、シルフィと契約しろ」


賢者はその方法を伝えると、シャルロットは無言で頷き、精霊石のかけらを受け取った。


これから風の精霊王の元までシルフィを送り届けることになる。
シャルロットの瞳には、必ず精霊王を止めて見せると決意に満ち溢れていた。
そしてシルフィと契約をする事で、
シャルロットの炎はその真価を発揮する……
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