休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第162話 預言者

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魔界の港町リールは、活気に溢れている。
それは人間界と変わらない程だ。
子供達が笑顔で走り回り、出店も元気に声を出して営業していた。


「魔界は恐ろしい所だと思っていたけれど、
 意外と人間界と変わらないのですね……」


「まあ、その姿が魔族なだけで、
 普段の生活は私達と変わらないさ」


リールに関しては殆どミゲルと変わらない。
まるで鏡のような世界を目の当たりにして、
表裏一体という言葉を体感していた。


「ガルム、母上の匂いはどう?」


「さっきから、試みているのですが、
 何かに邪魔されている気がして……」


「エアリーもそう言ってるわ」


ガルムもシャルロットも、魔界に来てから、
即座に母上を探しているが、
効果はあまり見られていない……
当然、俺と賢者の探知も同じだ。


「どうします?
 手がかりが無くなりましたね」


「そうだね……
 ひとまず情報収集に行こう」


賢者の考えで、魔界のBARリールに行くことになり、怪しい路地裏を通って行く。
しばらく裏道を歩くと、BARが見えてきた……


「この雰囲気、BARルミナスを思い出すわ」


そういえば、前にルミナスで、
シャルロットと一緒に似たようなBARに来たことがあった。


「そういえば、そんなことがあったね」


ふと昔話に花が咲いて返事をしたのだが、
知らない人間からすると、気になってしまう。


「え?クリス?
 お姉ちゃんとそんな所に行ったなんて、
 聞いてないんだけど……」


「あの……マリア、それはね……」


この後、俺はマリアに納得してもらうまで、
説明を繰り返した……
確かに自分の姉とBARに来たなんて言われたら、気になってしまうだろう。


「と、とりあえず、中に入ろうよ」


店に入ると、薄暗い景色が広がり、
この世界では見られない機械が置かれている。


「これは……転生前の世界の機械だぞ……」


「なんでBARに地球の物が……」


電子レンジ、冷蔵庫といった、
前世で見たことのある家電が置かれていた……
そして、奥まで進むと風格のある人物が話しかけてくる。


「お前が救い人か……」


その人物は、眼鏡をかけた白髪の女性だ。
婦人の話し振りは、まるで俺たちがここに来るのを知っていたかのように感じる。


「お前は?預言者エメリか」

「私を知っているとは、
 貴方はどなた様ですかな?」


賢者は、その老人の正体が分かった途端に、
幻惑魔法を解き、素顔を晒した。


「久しぶりだな……エメリ」


「まさか!賢者様とは」


賢者の知り合いと、魔界のBARで偶然遭遇した。
再会を喜び合っていたが、時間もあまり無いため、俺はその魔族に疑問を問いかける。


「あの……俺達が来るのが分かってました?
 しかも、救い人とは一体……」


「クリス、コイツはな……預言者エメリ!
 魔族の中で唯一、予言スキルを持っている」


そういえば昔、誰かが予言スキルについて、
口にしていたような……
唯一ということは相当重要なスキルの筈だ。
何故こんなBARの奥に?


「エメリ、お前……
 魔王軍を裏切ったか?」


「流石、賢者様……
 隠し事はできませんな」


「やはりな……
 店には隠蔽魔法が何重にも施されている!
 それはお前が追跡されないようにだな?」


賢者は店に入る前から隠蔽魔法の存在に気付いていたようだ。
そして、隠蔽の理由の一つに、
母上が絡んでいればと考えたのかもしれない。


「私達の他に、人間が町に来ていないか?」


「来た……そして魔王軍と激しい戦闘を行い、
 逃げていったよ……」


「な、なんだと!」


数日前に母上と思わしき人物が戦っていた。
そしてその相手は魔王軍の一人だという……


「その人間は、今どこに?」


「捕まった情報も来ていない……
 死んでいなければ精霊界へ行ったかもな」


「精霊界?」


エメリのその一言に、賢者が驚愕している。
その場所は魔族が入るのを許されない聖域。
500年生きる賢者であっても、踏み入れたことのない場所だった。


「ま、まさか!
 精霊界だと……」


「ふふふ、賢者様……
 今も生きているのなら、
 そこしかあるまい……」


そして、エメリの推測を信じて、
次の目的地は、精霊界となる。


「エメリ、気を付けろよ!
 ここの結界も弱まっている……
 お前、まさか……」


「賢者様、私も病気になってしまってね……
 もう長くは無いのですよ」


「エメリ……」


預言者エメリから貴重な情報を得ることができた。
そして俺はBARを出る前に、
どうしても気になることがあった……


「エメリさん、最初に言ってた救い人って、
 とういう意味ですか?」


「ふふふ、忘れておくれ……
 年寄りの戯言だよ!」


エメリは軽く笑いながら、
最後までその意味を教えてくれなかった……


そして、俺達は精霊界へ向かうために、
BARの扉を開けて外に向かう。
エメリに挨拶をして、旅立って行った……



BARの扉が閉じた瞬間に、
エメリは独り言を呟く……


「救い人……
 私の予言スキルで出てきた覇王を持つ者。
 それがまさか、本当に現れるとはね……
 間違いなく、この波動は本物だよ……」


扉を見つめるエメリの目が、同一人物とは思えない程鋭くなり、更に言葉を放つ。


「憎き魔王軍を滅ぼす救い人、
 それがお前なんだよ……覇王よ。
 私が何年待ち望んだことか……」


そしてエメリは立ち上がり、
隠蔽魔法を解除する。
部屋にある魔道具を吸収して、
更に自分の魔力へと変換した。



「残された寿命で予言を遂行する!
 覇王よ、お前を存分に利用してやる……」
 

 
エメリは不敵な笑みを浮かべながら、
BARを出て路地裏に消えていった……



クリス達は、預言者エメリを信じて、
精霊界に向かうために来た道を戻る。
そしてエメリも動き出したことで、
その命を狙う刺客達が行動を開始した。
様々な思惑が交差する中、クリス達は抗争に巻き込まれてしまうのであった……
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