自殺しそうになった美少女を止めたら、殺されそうなくらい愛される日常が始まった件

晃矢 琉仁

文字の大きさ
29 / 50
歪む日常

急展開

しおりを挟む
何故今になって彼女は元の学生と同じスタンスに戻したんだ...?

疑問を抱えながらも階段を先輩と駆け上がっていく
それもかなり急ぎで

「せ、先輩なにもそんなに焦らなくたって!」

「何言ってんのよ! 
 あの子は入学してからもうすぐ年を越す
 この季節まで一度だって教室なんて行かなかったのよ!?
 そんな奴が教室に堂々と入っていくなんてそれこそ自殺行為よ!!」

た、確かに
自身が何ヶ月もいない間に作られたコミュニティに馴染んでいかなければならない大変さは、
割りとフレンドリーに接してくれる小学生時代の転校先で味わった。

自分は変に転校生ということで周りの目を意識することはせず、
自然体でいたためにいがみ合いも起きたが、それだけ友情が出来ていた。

しかし自分のすぐ後から転校してきた奴が上手く馴染めなくて、
辛い思いをしていたことを後に友達になってから語られたことを思い出す。
独りでいるところを俺が話しかけて仲良くなったが、

学校内ではそいつが独りにになってしまうことを忘れて
他の奴らとつるんで遊んで寂しい思いをさせていたこともあった。

それくらいに俺は子供の頃、人を思いやる心の欠落が著しかったが、
本題はそこではない

とにかくもう作られ切ってしまった和の中に入ることは
限りなく難しいことを知ってるからこそ、
彼女が危ないってことだ!

...しかし

今更駆けつけてどうするというのか、
俺は彼女の元に向かっているというよりかは
先輩の後をとりあえず追いかけているだけだ。

先輩は強いからイジメている奴がいたら言葉で蹴散らすだろうが、
俺は何がしてやれるか...?

口喧嘩じゃ弱いからと言って手を出せば停学になってしまう、
下手したら退学だ

それに女をイジメるのは女が多いから暴力沙汰を助けようと
俺の全力武力介入をすれば、過剰防衛になって退学処分を受けてしまうかもしれない

そしたら本当にいざって時、彼女を守ったり止めてやれない...!

もどかしさと不安でいっぱいになりながら
先輩の言う黒田さんのクラスに着いた


「こ、ここですか?」

先輩も肩で息をしている。
保健室からずっと走ってきた


「そ、そう...ゲホッ」

咳き込む先輩を尻目に教室の中を覗いてみる

特に変わった様子もなければ
黒田さんも見当たらない...

ここで合ってるのか?

そう覗く俺とへたり込む先輩の後ろを複数人の誰かが楽し気に話しながら走っていく


「チョー美人な子が転校してきたのっB組だよなぁ!?」

ん?

「おう!元気で髪の長い可愛い子が来たらしいぜ!!」

「そりゃ行くしかねぇや!!」

そんなタイムリーなことが今起こるだろうか

万が一もある


「先輩、聞きましたか今の!?」

「はあ、はあ...」

先輩はもうヘロヘロだ、
良いスタイルしといてだらしないなぁ


「ほら、行きますよ!B組ですって!!」

「ひ、引っ張らないでよ~」

何とか立ち上がらせて今度は俺が急かす


「B組なら場所はこっちです!」

後ろを逐一確認しながら牽引してやっと着いた
中は随分賑わっているようだ

美人で髪が長くて可愛い、
そこまではまごうことなき我が彼女を指すところとして間違いないが一つだけ
元気な、
というワードだけが引っ掛かる。

まさか...


「はあ、はあ...早いよ、渡辺...」

先輩がヨロヨロとぶつかってきて肩に寄りかかってくる
いつもの俺なら喜んでしまうが、
今の俺はそんなさりげないボディタッチではもう動じない。

黒田さんの美貌に当てられて
欲望のままに荒れ狂った男どもがいるかもしれないこの教室に乗り込むのだから...
いざって時はその暴漢を俺が倒すしかないんだ...!

そもそも冷静に考えればB組はうちのクラスだ。
気に入らない奴をどさくさに紛れて鉄拳制裁出来るいいチャンスかもしれないと
邪悪に思い直した。


「よし!」

勝手に盛り上がって
腹をくくってドアを勢いよく開け放った

その音に教室内全員が振り返った
空席であった窓側の一番後ろに人だかりが出来ている。
奴らが黒田さんを包囲しているに違いない
その中から何者かが凄いスピードで迫ってくる

彼氏という名のライバルと察知して人の皮を被った獣が襲ってきたな...!!

身構えても応戦するつもりがあっさりレスリングのタックルのようなものを
食らって押し倒された。


「ぐへっ!」

腹と後頭部に強烈な衝撃が...
だが!
この距離なら俺の右ストレートはかわせまい!!
そう放った右腕が手首をそいつにガシッと掴まれて止められた。

こいつ出来る...!
ならば次は左で!


そうして諦めず応戦しようとした時だった


顔に何かが柔らかく掛かった

これは...髪?

それにこの匂いは...!


「おはよう、カイリ」


多分、朝に予見した躁MAXの黒田さんだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!

タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。 姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。 しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──? 全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

一条さん結婚したんですか⁉︎

あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎ 嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡ ((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜 ⭐︎本編は完結しております⭐︎ ⭐︎番外編更新中⭐︎

転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。

aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。 ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・ 4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。 それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、 生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり どんどんヤンデレ男になっていき・・・・ ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡ 何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

三年間片思いしていた同級生に振られたら、年上の綺麗なお姉さんにロックオンされた話

羽瀬川ルフレ
恋愛
 高校三年間、ずっと一人の女の子に片思いをしていた主人公・汐見颯太は、高校卒業を目前にして片思いの相手である同級生の神戸花音に二回目の告白をする。しかし、花音の答えは二年前と同じく「ごめんなさい」。  今回の告白もうまくいかなかったら今度こそ花音のことを諦めるつもりだった颯太は、今度こそ彼女に対する未練を完全に断ち切ることにする。  そして数か月後、大学生になった颯太は人生初のアルバイトもはじめ、充実した毎日を過ごしていた。そんな彼はアルバイト先で出会った常連客の大鳥居彩華と少しずつ仲良くなり、いつの間にか九歳も年上の彩華を恋愛対象として意識し始めていた。  自分なんかを相手にしてくれるはずがないと思いながらもダメ元で彩華をデートに誘ってみた颯太は、意外にもあっさりとOKの返事をもらって嬉しさに舞い上がる。  楽しかった彩華との初デートが終わり、いよいよ彩華への正式な告白のタイミングを検討しはじめた颯太のところに、予想外の人物からのメッセージが届いていた。メッセージの送り主は颯太と同じ大学に進学したものの、ほとんど顔を合わせることもなくなっていた花音だった。

処理中です...