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歪む日常
希望
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奈落の底に突き落とされたかのような気分の俺の周りは変わらず話が進んでいく
「じゃあ、この学校全体に広がる不穏な影響は...?」
小島が鋭く問う
「ああ...ついに憑依した魂が乗っ取った体の支配権を強く持ったことによる影響だろう、
悪霊というものは存在するだけでも周りに体調不良や精神不安を及ぼす...
その影響力を強くするため、何かしたのだろう...」
上田が頭を掻きむしって叫んだ
「だあ~!!どういうことなんだってばさ~!!」
天野が似合わない真面目な顔で答える
「つまり悪霊はいつでもこの世に恨みを持って存在してるんだよ、
しかもこの現実とは異なる法則で...
そんな奴が現実に生きる奴の肉体を手に入れたらどうなると思う...?
そりゃあ現実に起こりそうにないエラーやバグ...つまり超常現象が起きちまってるんだよ!」
「もっと分かんねえよ~!!」
「...僕にもハッキリとは分からないけど」
静かな小島な声が場を鎮めた
「憑依されてしまった黒田さんから...気分が悪くなるような学校を包むほどの
大きな悪いオーラが出てるんだよ...きっと」
その要約を聞いて上田も少し納得したようだ
「...簡単にいえばその通りだ、小島」
部長は厳格にその見解に賛同した
「彼女に憑依した悪霊は遂に体の支配権、周囲の生体に悪影響を及ぼすほどの
とても強い怨念を持っている...これは」
深く吸い込んで重々しく息が吐かれた
「不本意だが...我々が総出でこの事件の解決のための調査に出るしかないな...」
その言葉に天野が立ち上がった
「そ、それは遂に...!」
他の俺含めた3人は分からないという表情だ。
比較的同じ学年でも天野はこの同好会の古株だ、
やっとの本格的始動に胸が躍っているのかもしれない
「ああ...だが皆無理はするな、出来る限りの調査をしてくれれば良い...
下手をすればこの案件...かなりの危険を孕んでいる...」
それを聞いても天野は立ったまま鼻息を荒くしている
「憑依を受けやすい魂と肉体の繋がりが弱い者の中には、こういった俗世を離れた知識...
つまりオカルトを深く知ろうとするとその者自身の魂と肉体も離れかねない...」
その忠告には全員が緊張を露わにした。
「非常に根も葉もないアドバイスになってしまうが...精神を強く持て...
疲れや不安...そういった衰弱時を、奴らは狙っている...」
「で、でもよぉ...」
上田は震えて話す、割と強気は表面だけなのかもしれない
「あ、相手はもう黒田っていう女子に憑依したやつだけなんじゃ...ないんですか?」
部長は残念そうに首を横に振った
「怨念はまた怨念を呼ぶ...最悪の場合、敵は一人ではないやもしれん...」
上田以外の者たちも身震いする
「だからこそ...自分を強く持つんだ、弱気になるな。
調査の際に少しでも気分が悪くなったら中断して貰って構わない、
もう仲間を失いたくはないからな...」
その宣告に誰もが落ち込むものだと...俺は思っていた
でも...
「よーし!」
天野が元気よく声を張り上げた
「やっとこの時が来たんだ! 腕が鳴るぜ!!」
忠告を忘れたのかと、不安になるくらいの発奮だ。
「少し気味が悪いが...仕方ねぇ!!」
そう言って上田もいつもの強気を取り戻して立ち上がった
「こんな陰気な学校じゃ、ただでさえ勉強なんてものもあるのに...
もっと目覚めが悪いってもんだ!」
上田は上田なりに生徒の皆を心配して奮起したようだ
「となると...小島」
「え...?」
不安がありありと伝わってくるほどに俯いていた小島が顔を上げた
「お前はどう見たって精神が弱いんだ、俺と一緒に調査するぞ」
「...! ぼ、僕だって一人で出来るよ!」
「聞き分けのねぇ奴だなぁ...お前は前からなぁ」
二人がいつもの言い合いを始めた、不器用な調子付けが上田らしい
「渡辺...」
いつの間に部長はすぐ傍らにいて俺の肩に手を置いた
「お前が一番に危険と隣り合わせだが...」
俺の身を案じてくれているのが分かるほど俺の肩を掴む握力は強く感じた。
それを受けて俺も立ち上がった
「大丈夫です...俺もふざけた動機で入部をした男ですが...」
周りを見る、数少ない仲間たちのたくましく明るい姿を。
奈落の気分は今、完全に立ち消えた
「オカルト同好会の一員です。
真っ向から立ち向かって、気持ちで勝ってやります」
その言葉に俺は初めて部長の笑顔を見たかもしれない
「ふっ...その意気だ、頼んだぞ」
そう言って自席に戻ろうとして和田さんは立ち止まった
「この学校を救うため...そして君の彼女を救うため...
俺は独自に憑依した悪霊を引きはがす方法を調べるとする...
それまで、どうか彼女を頼むぞ」
その背中が大きく見えた
「...はい! 彼女は...僕が守ります!!」
それを聞き届けるとすぐに部長は戻っていった
俺もすぐに部屋を出て行った
もう彼女に怯えている場合じゃない、
今度は挑む番なのだと
「じゃあ、この学校全体に広がる不穏な影響は...?」
小島が鋭く問う
「ああ...ついに憑依した魂が乗っ取った体の支配権を強く持ったことによる影響だろう、
悪霊というものは存在するだけでも周りに体調不良や精神不安を及ぼす...
その影響力を強くするため、何かしたのだろう...」
上田が頭を掻きむしって叫んだ
「だあ~!!どういうことなんだってばさ~!!」
天野が似合わない真面目な顔で答える
「つまり悪霊はいつでもこの世に恨みを持って存在してるんだよ、
しかもこの現実とは異なる法則で...
そんな奴が現実に生きる奴の肉体を手に入れたらどうなると思う...?
そりゃあ現実に起こりそうにないエラーやバグ...つまり超常現象が起きちまってるんだよ!」
「もっと分かんねえよ~!!」
「...僕にもハッキリとは分からないけど」
静かな小島な声が場を鎮めた
「憑依されてしまった黒田さんから...気分が悪くなるような学校を包むほどの
大きな悪いオーラが出てるんだよ...きっと」
その要約を聞いて上田も少し納得したようだ
「...簡単にいえばその通りだ、小島」
部長は厳格にその見解に賛同した
「彼女に憑依した悪霊は遂に体の支配権、周囲の生体に悪影響を及ぼすほどの
とても強い怨念を持っている...これは」
深く吸い込んで重々しく息が吐かれた
「不本意だが...我々が総出でこの事件の解決のための調査に出るしかないな...」
その言葉に天野が立ち上がった
「そ、それは遂に...!」
他の俺含めた3人は分からないという表情だ。
比較的同じ学年でも天野はこの同好会の古株だ、
やっとの本格的始動に胸が躍っているのかもしれない
「ああ...だが皆無理はするな、出来る限りの調査をしてくれれば良い...
下手をすればこの案件...かなりの危険を孕んでいる...」
それを聞いても天野は立ったまま鼻息を荒くしている
「憑依を受けやすい魂と肉体の繋がりが弱い者の中には、こういった俗世を離れた知識...
つまりオカルトを深く知ろうとするとその者自身の魂と肉体も離れかねない...」
その忠告には全員が緊張を露わにした。
「非常に根も葉もないアドバイスになってしまうが...精神を強く持て...
疲れや不安...そういった衰弱時を、奴らは狙っている...」
「で、でもよぉ...」
上田は震えて話す、割と強気は表面だけなのかもしれない
「あ、相手はもう黒田っていう女子に憑依したやつだけなんじゃ...ないんですか?」
部長は残念そうに首を横に振った
「怨念はまた怨念を呼ぶ...最悪の場合、敵は一人ではないやもしれん...」
上田以外の者たちも身震いする
「だからこそ...自分を強く持つんだ、弱気になるな。
調査の際に少しでも気分が悪くなったら中断して貰って構わない、
もう仲間を失いたくはないからな...」
その宣告に誰もが落ち込むものだと...俺は思っていた
でも...
「よーし!」
天野が元気よく声を張り上げた
「やっとこの時が来たんだ! 腕が鳴るぜ!!」
忠告を忘れたのかと、不安になるくらいの発奮だ。
「少し気味が悪いが...仕方ねぇ!!」
そう言って上田もいつもの強気を取り戻して立ち上がった
「こんな陰気な学校じゃ、ただでさえ勉強なんてものもあるのに...
もっと目覚めが悪いってもんだ!」
上田は上田なりに生徒の皆を心配して奮起したようだ
「となると...小島」
「え...?」
不安がありありと伝わってくるほどに俯いていた小島が顔を上げた
「お前はどう見たって精神が弱いんだ、俺と一緒に調査するぞ」
「...! ぼ、僕だって一人で出来るよ!」
「聞き分けのねぇ奴だなぁ...お前は前からなぁ」
二人がいつもの言い合いを始めた、不器用な調子付けが上田らしい
「渡辺...」
いつの間に部長はすぐ傍らにいて俺の肩に手を置いた
「お前が一番に危険と隣り合わせだが...」
俺の身を案じてくれているのが分かるほど俺の肩を掴む握力は強く感じた。
それを受けて俺も立ち上がった
「大丈夫です...俺もふざけた動機で入部をした男ですが...」
周りを見る、数少ない仲間たちのたくましく明るい姿を。
奈落の気分は今、完全に立ち消えた
「オカルト同好会の一員です。
真っ向から立ち向かって、気持ちで勝ってやります」
その言葉に俺は初めて部長の笑顔を見たかもしれない
「ふっ...その意気だ、頼んだぞ」
そう言って自席に戻ろうとして和田さんは立ち止まった
「この学校を救うため...そして君の彼女を救うため...
俺は独自に憑依した悪霊を引きはがす方法を調べるとする...
それまで、どうか彼女を頼むぞ」
その背中が大きく見えた
「...はい! 彼女は...僕が守ります!!」
それを聞き届けるとすぐに部長は戻っていった
俺もすぐに部屋を出て行った
もう彼女に怯えている場合じゃない、
今度は挑む番なのだと
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