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増す脅威
チェイサー
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「待ちやがれ~!!」
彼女の手前格好いい所を見せたいばかりに
一向に縮むことのない距離に苛立ち、
ついつい声が出てしまう
「あれ~? 案外、渡辺くんって足遅い?」
その煽りに発奮するより焦りで速度を速めた
「どりゃああアア!!」
「お~! やれば出来るじゃん!」
そもそも彼女の方がペースメーカーの様に余裕がある時点で
負けているような気がした
やっと距離が縮まり始めたのをストーカーも感じると
街の角を利用してジグザグと逃げ始めた。
追跡の時間も長くなるとどちらがストーカーか分からなくなる
正直帰りのことを考えるとあんまり遠くまで逃げて
欲しくないが、
後ろに黒田さんがいては弱音も吐けない
そうして追いかけっこがそろそろ佳境を迎え始めた
段々と住宅が密集するゾーンに入ってきた
ここは一度判断を間違えれば袋小路になっているように
道があって何度も後戻りさせられるように出来ている。
その後戻りを俺は今後ろを走る彼女に会う前に何度経験したことか、
相手がここの土地の人間でない限り、
いや
現地の人間でも一度は間違えるであろう、この迷路をノーミスで抜けられる訳がない!
そうしてその時がついに来た
急ブレーキを掛けて後ずさりをしているのが見えた
横に曲がろうとして行き止まりが見えてしまったのが丸わかりの反応だ。
「はあ、はあ...どうやら、年貢の納め時らしいな...」
やっと息も絶え絶えで追い詰めた
この好機逃す手はない...!
今こそ彼女に男らしさを見せるチャンス!
「あ、やばっ」
「え?」
振り返ると彼女は颯爽と髪をなびかせて遠くに走っていく
「ちょ、ちょっと! 黒田さん!?」
「ごめ~ん! もう時間みたい!! その子がキーマンだから頑張って~!」
遠くからよく通る声で別れが聞こえてしまった
残念でならない
しかし、
今回は応援も受けている、目の前に成すべく任務がある
オロオロと逃げるルートを探しているようだ
無駄なことを...!
「キーマンだがなんだが知らないが...捕えさせてもらうぞ」
ジリジリと間合いを詰める
こんなにも強気に出ているのは相手の背丈が極端に小さいことだ。
フード姿で中は見えないが、身長とさっきの高い声から考えてどっかのエロガキだろう
黒田さんの美人さに当てられて若くしてストーカーになってしまった
坊主を正さねばなるまい
「覚悟...!」
正義のヒーロー気取りになった俺はもう止められんぞ、とばかりに
一気に両手を広げて抱え込む体勢に入る...!
「捕まって...たまるかっ!」
俺の両腕を矮躯な体では信じられない脚力で飛びのいて
住宅地に思いっきり入ると庭の塀に駆け寄ってよじ登ろうとしている
「ま、待て!」
咄嗟に出た声の近さにビックリしてか、
衣服を庭の木々に引っ掛けながら塀の先に行ってしまった。
「クソ...」
疲れもあって小さな体でないとよじ登れそうにない塀を見て、
ついに追跡は断念した。
しかしそれだけで諦める俺ではない、
代わりに何か役に立ちそうなものが落ちたのも見えていたからだ
拾ってみると
「お守り...?」
この柄...どこかで...
すると
ガラッとという引き戸が開く音がして
「な、なんだてめえ! 冬に出てくる放火魔か何かか!!」
庭から聞こえる不審な音を聞きつけて
家の主であろうおっさんがそう言って飛び出して来た
「す、すいません~!!」
俺は猛ダッシュでその家の敷地を出て自宅への長い帰路を走り始めた
「待ちやがれ~!!」
下町の江戸っ子の怒鳴り声を背に受けて
彼女の手前格好いい所を見せたいばかりに
一向に縮むことのない距離に苛立ち、
ついつい声が出てしまう
「あれ~? 案外、渡辺くんって足遅い?」
その煽りに発奮するより焦りで速度を速めた
「どりゃああアア!!」
「お~! やれば出来るじゃん!」
そもそも彼女の方がペースメーカーの様に余裕がある時点で
負けているような気がした
やっと距離が縮まり始めたのをストーカーも感じると
街の角を利用してジグザグと逃げ始めた。
追跡の時間も長くなるとどちらがストーカーか分からなくなる
正直帰りのことを考えるとあんまり遠くまで逃げて
欲しくないが、
後ろに黒田さんがいては弱音も吐けない
そうして追いかけっこがそろそろ佳境を迎え始めた
段々と住宅が密集するゾーンに入ってきた
ここは一度判断を間違えれば袋小路になっているように
道があって何度も後戻りさせられるように出来ている。
その後戻りを俺は今後ろを走る彼女に会う前に何度経験したことか、
相手がここの土地の人間でない限り、
いや
現地の人間でも一度は間違えるであろう、この迷路をノーミスで抜けられる訳がない!
そうしてその時がついに来た
急ブレーキを掛けて後ずさりをしているのが見えた
横に曲がろうとして行き止まりが見えてしまったのが丸わかりの反応だ。
「はあ、はあ...どうやら、年貢の納め時らしいな...」
やっと息も絶え絶えで追い詰めた
この好機逃す手はない...!
今こそ彼女に男らしさを見せるチャンス!
「あ、やばっ」
「え?」
振り返ると彼女は颯爽と髪をなびかせて遠くに走っていく
「ちょ、ちょっと! 黒田さん!?」
「ごめ~ん! もう時間みたい!! その子がキーマンだから頑張って~!」
遠くからよく通る声で別れが聞こえてしまった
残念でならない
しかし、
今回は応援も受けている、目の前に成すべく任務がある
オロオロと逃げるルートを探しているようだ
無駄なことを...!
「キーマンだがなんだが知らないが...捕えさせてもらうぞ」
ジリジリと間合いを詰める
こんなにも強気に出ているのは相手の背丈が極端に小さいことだ。
フード姿で中は見えないが、身長とさっきの高い声から考えてどっかのエロガキだろう
黒田さんの美人さに当てられて若くしてストーカーになってしまった
坊主を正さねばなるまい
「覚悟...!」
正義のヒーロー気取りになった俺はもう止められんぞ、とばかりに
一気に両手を広げて抱え込む体勢に入る...!
「捕まって...たまるかっ!」
俺の両腕を矮躯な体では信じられない脚力で飛びのいて
住宅地に思いっきり入ると庭の塀に駆け寄ってよじ登ろうとしている
「ま、待て!」
咄嗟に出た声の近さにビックリしてか、
衣服を庭の木々に引っ掛けながら塀の先に行ってしまった。
「クソ...」
疲れもあって小さな体でないとよじ登れそうにない塀を見て、
ついに追跡は断念した。
しかしそれだけで諦める俺ではない、
代わりに何か役に立ちそうなものが落ちたのも見えていたからだ
拾ってみると
「お守り...?」
この柄...どこかで...
すると
ガラッとという引き戸が開く音がして
「な、なんだてめえ! 冬に出てくる放火魔か何かか!!」
庭から聞こえる不審な音を聞きつけて
家の主であろうおっさんがそう言って飛び出して来た
「す、すいません~!!」
俺は猛ダッシュでその家の敷地を出て自宅への長い帰路を走り始めた
「待ちやがれ~!!」
下町の江戸っ子の怒鳴り声を背に受けて
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