異世界転生興国記

青井群青

文字の大きさ
上 下
1 / 44

プロローグ

しおりを挟む
 「生まれて三十余年・・・俺の人生ってなんだったのだろう?」なんて思いながら、自分の人生は静かに終わりを迎えた。享年37歳・・・とある難病を数年前に患い、服用していた薬の副作用と思われる症状でこの世に別れを告げた。実にあっけない最期である。
 そんな俺の名前は(オダ ヒロキ)身長約160㎝体重は病のため約70㎏の中肉?小背のごくごく平々凡々な日本男児である・・・であったのである。

思えば生前は病に伏せる前までは何となく若干ブラック臭のする会社で何となく働き(適度に手を抜きつつ)惰性で生活していた。人に自慢できる特技は特に無かったが、強いて言うなら熱しやすく冷めやすい性格が災いして職歴が多彩?であったくらいだ。転職活動は職務経歴書がそろそろ3枚で収まらなくなってしまっていた。具体的には・・・いや、やめておこう!長いし!機会があれば思い返すとしよう。まあ、やりたいことや目標が最後まで定まらなかった結果とも言える。ただ初対面の人間に自己紹介で職歴の関係で勝手に興味を持たれることは多かったな。人付き合いもそこそこ良かったので寂しくはなかった。ちなみに非リア充である。
 そもそも・・・。

「・・・ヲイ。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・聞いているのか?呆けてないで返事をしないか!!」

 誰か目の前にいる。
「・・・はいっ!?」と声が裏返りつつ返事をすると目の前にローブを纏った老人がいた。
「フン・・・。やっと気がついたか?とりあえずお前の現状を把握せよ!」
「そんなこと言ったって?」

 ヒロキは周りを見てみる。辺り一面は白くまばゆい空間だった3メートル程離れた所に、先程自分を呼んでいた老人がいるだけだ。その他は老人の足元に赤い光を放つ渦と青い光を放つ渦があるだけだった。


しおりを挟む

処理中です...