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公共施設建設&魔力収集
しおりを挟むマイクがトンネル掘削を始めてから一週間後ヒロキは未だに王都に行くことができずにいた。理由は色々あるが主な原因はヒロキの魔力枯渇が続いたことである。マイクがトンネル掘削のついでに採掘してきた魔石に魔力を込める作業をしていた為、ここ数日の間ヒロキの魔力が枯渇していた。強い脱力感と倦怠感が混ざった症状が続く。症状は辛いがデメリットばかりでもない、一晩眠れば全快するうえ魔力を枯渇させればその回数に応じて魔力量も目に見えて増えて行った。それでも辛いことには変わりがなかった。それもこれもすべてマイクが空気を読まずに大小様々なサイズの魔石を大量に持ち込んだせいである。マイクが言うにはまだまだ埋蔵量は豊富らしい。しかしそれはやむを得ない話であった。ウィスキー達がこれから製造する予定の様々な道具や農業機械に工作機械、果ては兵器やそれに準ずる物まで全てに前世では電力や燃料で稼働していたが、この世界では手っ取り早く稼働させるには魔力を代用するほかなかったからである。改めてヒロキはひとり呟く。
「こうも毎日魔力切れじゃそれだけで一日が終わってしまう。何か対策を考えなくては・・・。王都にも行かなくちゃいけないのに。マイクめ・・・何がノープロブレムだ!」
マイクへの愚痴はともかくヒロキが一人で魔石に魔力を込めるのはさすがに効率が悪い。念の為町の人の魔力を測ってみたが魔力が常人よりも高い人間は集落にいたライル先生とサトウとテンくらいだった。ヒロキは三人に手伝ってもらうようにお願いした。ライル先生とサトウは二つ返事で快諾してくれた。テンだけがバテるから嫌と渋っていたがサトウに寝る前にすればいいと一喝されて了承?した。
あとは町の人々だがひとりひとりの魔力は少ないながらも人数は多いので公共施設を作って利用料金の代わりに魔力を供給してもらうことにした。早速ウィスキー達に資材の作成を依頼して建設をマイクに頼むことにした。施設は銭湯を建設することにしたのだが、発案したヒロキはもとよりサトウとテンもとても楽しみにしていた。今からウキウキである。町の人への理解を得る説明や利用方法についてはサトウが率先してしてくれるそうだ。さすがに仕事が早い。余談だがマイクに建設期間を尋ねたところ三日で完成するそうだ。出鱈目に早い、ヒロキはマイクは何でも頼めば三日で完成させるのではないかと思い聞いてみたが笑いながら否定された。何だかとても胡散臭い笑い方であったがヒロキは深く考えることを放棄した。
三日後、マイクの宣言通り無事に銭湯が完成した。町の人には入浴の習慣は無かったが事前にサトウによる説明会があったおかげで特に目立った混乱も無く営業運用に至った。サトウの説明ではじめは深いところで理解をしていなかった人々も補足で町の医療衛生を担当するケベックの入浴の有用性を説いたのが良い方向に作用したようである。ケベックは町の医療に多大な貢献をしており、信頼も絶大であった。
ヒロキは銭湯の運用開始を見届けると予定よりも一週間遅れてようやく王都にシエラを伴って出発するのであった。
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毎度遅筆で申し訳ないです。感想お待ちしております。
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