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町の開発方針&地形広域報告
しおりを挟む王都アニスバラから町であるマグナミアに帰って来たヒロキはキタムラとオザワを紹介するためにサトウとテンがいる酒場に向かった。サトウとテンは日中は畑仕事や建築、漁業などを日替わりで監督している。なので日が落ちる頃には帰ってくるのでその時間に合わせた。自己紹介は問題なく済み、今後の町についての開発方針について話し合った。
まずキタムラについては服を作ったり、住民の服の補修をすることになった。アシスタントとして町の奥様連中が交代で手伝うことになった。仕事で使うミシンについては砦の地下にあったダンジョンの家電倉庫にあるので使ってもらう。この機会に携帯電話も今いる人数分解禁にした。お互いにいつでも連絡がとれるようにしておく。
あとは町で生産された干物や農産物を王都に定期的に売却することにした。まだまだ現金が足りない。輸送手段も馬車の増産で対応することにした。農地はかなり拡大したのでヒロキの時間魔法で成長促進して収穫をさらに増やす予定である。現金が増えれば次は牛や鶏を購入して畜産業にも着手する。
酒については今回は王都から購入したが、サトウとテンが余剰の芋と麦を使って焼酎製造に乗り出すらしい。町の人の中に王都で醸造の仕事に携わっていた人がいるので手伝ってもらうそうだ。酒の話になるとオザワの食いつきがすごかったが無視して話をどんどん進めて行った。酒についてはサトウがオザワの酒好きを見抜いて(ものすごく分かりやすかったが)苦笑しながら酒を瓶1本渡していた。
治安や兵器関連についてはサトウとテン、キタムラについては専門外なのでヒロキとオザワが担当することになった。話し合いの後、ヒロキはオザワを武器庫に案内することにした。ヒロキが武器庫に行こうとしているとシエラとビクターがついてきた。
シエラは基本的にヒロキの護衛をしているがビクターは特に指示を出していない時は砦内の清掃補修や食事を作ってくれている。ヒロキが王都に行っている間に飛行能力を使って広範囲にわたっての情報収集をしていたのでその報告にきたらしい。ヒロキは先に報告を聞くことにした。
「では、報告いたします。ここらの地形は王都とこの町を含めて島になっていました。面積については概算ですが約600㎢弱ですね。上空2000メートルから見た形は報告書に出しましたのでご覧ください。あ~ボクはちょっと疲れちゃったのでこれで失礼しまーす」
ビクターの地が出たのかシエラが最後の言葉遣いについて叱っていたが魔力切れ寸前らしいので充電?するように指示して報告書片手に武器庫に向かった。ヒロキは報告書を歩きながら斜め読みをすると島の全体図を見てちょっと驚いたと同時にオザワに話しかける。
「オザワさん、この島の形に見覚えありませんか?」
「ん?これは・・・。あっ!淡路島なのか・・・?」
「俺もそう思うんですけど・・・」
「細かい地形に差異はあるが、形は淡路島だな。うろ覚えだけどさ、この世界に来る前に一応ヒロキの何を手伝えば良いのか管理者だっけ?のじーさんに聞いた話では世界を救うだか変えるって話だよな?未だにこんな島にいるって・・・ちょっとやばくないか?」
「ですよねー・・・。近い将来島を出れるようにしないと駄目ですね」
「船なんてあったっけ?」
「無いですね。作れるか相談しないと」
「だな・・・。どんな船にするかも決めないとな」
「そうですね。製造や工作ができる人員や乗組員も増やさないと駄目ですね。あーなんか頭痛くなってきた」
「よし!とりあえず今日は一杯飲んで寝よう!」
「そればっかり!・・・と言いたいですが今日のところは賛成です」
二人はこれから忙しくなりそうなので頭を抱えた。夜も更けてきたので細かい話は明日にすることにした。
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