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あなたといっしょに
22.
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「ハルキさん、今日はケーキを焼きました食べてみてください。」
夕食のあとめぐりちゃんはそう言って小さいケーキを持ってきた。昨日バターと薄力粉と生クリームを頼まれて帰りに買ってきた。何に使うか分からなかったけど、ケーキを作るためだったのか。
「すごいね自分で作ったんだ。」
こくりとうなづいて、フォークを差し出される。その手は少し震えていて、緊張しているようでもあった。
「話を聞いてもらえますか。」
気を落ち着かせるために、ケーキを口に運んでから話そうとする。
「聞くよ。」
見つめられた目を逸らさないように、真っ直ぐ見つめ返して言葉を待った。
「間違っていたら、教えてください。私がハルキさんとあった日のことです。」
めぐりちゃんは思い出していた。初めてあった日のこと、僕が声をかけた日のことを言葉を間違えないように話している。初めてあった時のめぐりちゃんは今よりもっと無邪気に笑って楽しそうだった。あの時の無邪気で無垢なめぐりちゃんに戻って欲しい、それだけなんだ。
「だから、ハルキさんは血縁者だと思うんです。どうですか。」
「大体あっているよ。」
話し終えた後、僕はまだ一口も手をつけていなかったケーキをフォークで刺した。
「分からないんです。」
「何が。」
「ハルキさんは誰なんですか。」
目を逸らすことを許さない、めぐりちゃんは目に光を宿し、好奇心ではない何かから知りたがっている。
「僕は、めぐりちゃんの従兄弟だよ。」
目は大きく見開かれて、こちらを見ている。手にはフォークを握ったまま、次の言葉を考えられずにいるようだった。
「めぐりちゃんのお母さんのお兄さんの息子なんだ。菅野家の次男なんだよ。だから、従兄弟なんだよ。」
「でも、初めてあった日は一人でしたよね。」
「あの日は、確か学校の冬休みの宿題で天体観測があって、あの別荘に行っていたんだ。僕も両親は忙しそうだったからね。」
そうなんですかと、もうクリームがわずかに残るだけの皿のクリームを集めるようにフォークを滑らす。それは、今までの話と記憶をかき集めているように見えた。
「ハルキさんがなぜお父様の秘書をなさっているのですか。」
「家同士の問題なんだよ。」
「どう言うことですか。」
聞くときは目を見て言う。
「話して置こうかな。落ち着いて聞いてね。」
菅野家はもともと大きな家だったんだけどお祖父様の代から力が弱くなっていたんだ。めぐりちゃんのお母さん、おば様は菅野家の長女だったんだけど、ある時白井家の長男との縁談が持ち込まれた。家は長男である僕の父さんが継ぐことになり、菅野家安泰のため力のある白井家との縁談を受けることにした。お祖父様は古い人だったから政略結婚を受け入れた。でも、おば様は結婚を嫌がっていたのに、家のために結婚を受け入れたんだ。僕はおば様のことが本当のお母様のように慕っていたから。白井さんのことが好きではなかった。でも、おば様を幸せにしてくれるならとも思った。
なのに、白井さんは娘を生んでから息子の産めなかったおば様を愛していなかった。体が弱く、病気を持っていたのに見向きもせず白井さんは仕事に励んでいた。おば様を幸せにするどころか、おば様は辛い目にあっていた。おば様が亡くなってしまった日もだ。だから僕は白井さんのことが好きではなかった。そのあと、お祖父様は菅野家と白井家の関係が切れてしまうことを恐れた。だからお祖父様は、大学出てすぐの僕を白井さんの秘書にしたんだ。
「だから、秘書なんだよ。全部政略なんだ。僕も秘書になるときに全て聞かされて苦しくなった。」
「そんな。」
きっと、めぐりちゃんが大人のやり方を知るには早すぎた。
「めぐりちゃんを連れ出した理由は、おば様を失っても泣かなかった白井さんのへの嫌がらせでもあるんだ。くだらないだろ。」
めぐりちゃんは首を横に振り否定をした。
「ハルキさんが連れ出してくれたから、寂しくなくなったんです。だから、ハルキさんには感謝しています。」
「そっか。」
「だから、捕まらないようにもっとずっと一緒にいたいです。」
一緒に居ることなんてできないのに、僕はそれが嬉しかった。いつか僕が捕まる日まで一緒に居よう。いつの間にか、僕のお皿も空になっていた。
夕食のあとめぐりちゃんはそう言って小さいケーキを持ってきた。昨日バターと薄力粉と生クリームを頼まれて帰りに買ってきた。何に使うか分からなかったけど、ケーキを作るためだったのか。
「すごいね自分で作ったんだ。」
こくりとうなづいて、フォークを差し出される。その手は少し震えていて、緊張しているようでもあった。
「話を聞いてもらえますか。」
気を落ち着かせるために、ケーキを口に運んでから話そうとする。
「聞くよ。」
見つめられた目を逸らさないように、真っ直ぐ見つめ返して言葉を待った。
「間違っていたら、教えてください。私がハルキさんとあった日のことです。」
めぐりちゃんは思い出していた。初めてあった日のこと、僕が声をかけた日のことを言葉を間違えないように話している。初めてあった時のめぐりちゃんは今よりもっと無邪気に笑って楽しそうだった。あの時の無邪気で無垢なめぐりちゃんに戻って欲しい、それだけなんだ。
「だから、ハルキさんは血縁者だと思うんです。どうですか。」
「大体あっているよ。」
話し終えた後、僕はまだ一口も手をつけていなかったケーキをフォークで刺した。
「分からないんです。」
「何が。」
「ハルキさんは誰なんですか。」
目を逸らすことを許さない、めぐりちゃんは目に光を宿し、好奇心ではない何かから知りたがっている。
「僕は、めぐりちゃんの従兄弟だよ。」
目は大きく見開かれて、こちらを見ている。手にはフォークを握ったまま、次の言葉を考えられずにいるようだった。
「めぐりちゃんのお母さんのお兄さんの息子なんだ。菅野家の次男なんだよ。だから、従兄弟なんだよ。」
「でも、初めてあった日は一人でしたよね。」
「あの日は、確か学校の冬休みの宿題で天体観測があって、あの別荘に行っていたんだ。僕も両親は忙しそうだったからね。」
そうなんですかと、もうクリームがわずかに残るだけの皿のクリームを集めるようにフォークを滑らす。それは、今までの話と記憶をかき集めているように見えた。
「ハルキさんがなぜお父様の秘書をなさっているのですか。」
「家同士の問題なんだよ。」
「どう言うことですか。」
聞くときは目を見て言う。
「話して置こうかな。落ち着いて聞いてね。」
菅野家はもともと大きな家だったんだけどお祖父様の代から力が弱くなっていたんだ。めぐりちゃんのお母さん、おば様は菅野家の長女だったんだけど、ある時白井家の長男との縁談が持ち込まれた。家は長男である僕の父さんが継ぐことになり、菅野家安泰のため力のある白井家との縁談を受けることにした。お祖父様は古い人だったから政略結婚を受け入れた。でも、おば様は結婚を嫌がっていたのに、家のために結婚を受け入れたんだ。僕はおば様のことが本当のお母様のように慕っていたから。白井さんのことが好きではなかった。でも、おば様を幸せにしてくれるならとも思った。
なのに、白井さんは娘を生んでから息子の産めなかったおば様を愛していなかった。体が弱く、病気を持っていたのに見向きもせず白井さんは仕事に励んでいた。おば様を幸せにするどころか、おば様は辛い目にあっていた。おば様が亡くなってしまった日もだ。だから僕は白井さんのことが好きではなかった。そのあと、お祖父様は菅野家と白井家の関係が切れてしまうことを恐れた。だからお祖父様は、大学出てすぐの僕を白井さんの秘書にしたんだ。
「だから、秘書なんだよ。全部政略なんだ。僕も秘書になるときに全て聞かされて苦しくなった。」
「そんな。」
きっと、めぐりちゃんが大人のやり方を知るには早すぎた。
「めぐりちゃんを連れ出した理由は、おば様を失っても泣かなかった白井さんのへの嫌がらせでもあるんだ。くだらないだろ。」
めぐりちゃんは首を横に振り否定をした。
「ハルキさんが連れ出してくれたから、寂しくなくなったんです。だから、ハルキさんには感謝しています。」
「そっか。」
「だから、捕まらないようにもっとずっと一緒にいたいです。」
一緒に居ることなんてできないのに、僕はそれが嬉しかった。いつか僕が捕まる日まで一緒に居よう。いつの間にか、僕のお皿も空になっていた。
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