転生したら悪役令嬢だった！？～でも私は幸せになりたいんです！～

第４話

「リリアナというのは誰ですか？」

私が尋ねた。

「リリアナ様というのは、王太子殿下がお好きな方です」

アンナが言った。

「王太子殿下が好きな方……」

私は呆然とした。

「そうです。リリアナ様は平民出身のお嬢様で、王太子殿下とは偶然に出会われました。その後、王太子殿下はリリアナ様に惹かれていらっしゃるようです」

アンナが言った。

「平民出身のお嬢様……」

私は思い出した。

「そうか、私は前世で読んだ小説のヒロインだった」

私は思い出した。

「レオンハルトとリリアナは素敵なカップルだった」

私は思い出した。

「でも、私はエリザベスになって、幸せになりたかった」

私は思い出した。

「王太子殿下はリリアナとどこへ行ったのですか？」

私が聞いた。

「それは……王太子殿下とリリアナ様は、昨日、国境の町へ行かれました。そこで、魔物の襲撃に遭われたそうです」

アンナが言った。

「魔物の襲撃……」

私は驚いた。

「王太子殿下とリリアナ様は無事ですか？」

私が聞いた。

「ええ、無事です。王太子殿下は魔物を退けて、リリアナ様を守られました。その勇姿に、町の人々は感動されました。そして、王太子殿下とリリアナ様は英雄として讃えられました」

アンナが言った。

「英雄として……」

私は呆れた。

「それで、王太子殿下とリリアナ様は今どこにいますか？」

私が聞いた。

「それは……王太子殿下とリリアナ様は、今日も国境の町に滞在されています。町の人々から祝福されています」

アンナが言った。

「祝福されて……」

私は悲しくなった。

「エリザベス様……」

アンナが言った。

「エリザベスは王太子殿下を諦めますか？」

私が自分に問いかけた。

「エリザベスは王太子殿下を愛していますか？」

私は自分に問いかけた。

「私は……私は……」

私は答えられなかった。

私は王太子殿下に婚約破棄を申し出たとき、彼を愛していないと思っていた。私は彼がリリアナを愛していることを知っていたからだ。私は彼にとって邪魔者だと思っていたからだ。

でも、王太子殿下は私の婚約破棄を拒否した。王太子殿下は私を溺愛するようになった。王太子殿下は私に優しくて甘くて、私の心を揺さぶった。

私は王太子殿下に惹かれていった。私は王太子殿下のことを考えるようになった。私は王太子殿下のことを見るとドキドキした。

私は王太子殿下を愛してしまった。

「私は王太子殿下を愛しています」

私は自分に告白した。

「エリザベスは幸運のカードを使って何を願ったのですか？」

私は自分に問いかけた。

「私は……私は……」

私は思い出そうとしたが、思い出せなかった。

私は夢の中で、幸運のカードというものを見つけた。そのカードには、一度だけ自分の運命を変えることができると書かれていた。ただし、その代償として、自分の記憶を失うことになるとも書かれていた。

私はそのカードに手を伸ばした。私は自分の運命を変えることを願った。でも、その願いが何だったのか、私は覚えていない。

「私は何を願ったのだろう」

私は不思議に思った。

「エリザベスは自分の選択を後悔しますか？」

私は自分に問いかけた。

「私は……私は……」

私は答えられなかった。

私は自分の選択を後悔しているのだろうか。私は幸運のカードを使って、自分の運命を変えることを後悔しているのだろうか。私は王太子殿下と婚約していることを後悔しているのだろうか。

でも、もしも私が幸運のカードを使わなかったら、どうなっていただろうか。もしも私が王太子殿下と婚約していなかったら、どうなっていただろうか。

「もしかしたら……」

私は考えた。

「もしかしたら、私は幸せになれなかったのかもしれない」

私は考えた。





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