『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

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第9話:闇ギルドの刺客(元部下)

王都の夜が更けていく。 月明かりも届かない深夜2時。 丑三つ時と呼ばれる、草木も眠る静寂の時間。

ヴェルデ公爵家の屋敷、その一室にある私の寝室は、今まさに「天国」と化していた。

「……ふわぁ……」

私は、昨日ジークフリート王子から贈られた優勝賞品、「王家秘蔵の魔導ベッド」の海に溺れていた。

このベッド、ただものではない。 まず、マットレスの素材が違う。 伝説の魔獣「スライム・エンペラー」の粘液を加工した特殊ウレタンでできており、私の体温と体重に合わせてリアルタイムで硬度を変化させる。 寝返りを打てば、それに追従して沈み込み、仰向けになれば背骨のS字カーブを完璧に支える。 まさに、重力からの解放。

さらにすごいのが、オプション機能だ。

「……んむ」

私が小さく眉を寄せた瞬間、枕元に浮かんでいる小さな光の玉――バクの精霊が、パクッと口を開けた。 私の脳裏にかすかに浮かんだ「明日、体育の授業があるの嫌だな」というネガティブな夢の欠片を、瞬時に吸い取って食べてくれたのだ。

おかげで、私の睡眠は常にクリアで、ストレスフリー。 悪夢知らずの完全無欠なレム睡眠。

「……最高」

私は寝言で呟いた。 王子、やるじゃないか。 ちょっと(かなり)重い愛と勘違いは厄介だが、このベッドをくれたことに関しては、彼を国の宝として認定してもいい。 一生このベッドの上で暮らしたい。 いっそ、このベッドと結婚してもいいかもしれない。

そんな、極上の安眠を貪っていた時のことだ。

ピクリ。

私の「殺気感知センサー」が反応した。 5回目の人生、裏社会の頂点に君臨していた時代に培った、忌まわしき防衛本能だ。

(……チッ)

私は心の中で舌打ちをした。 せっかく、バクちゃんが悪夢を食べてくれているのに。 現実世界からの侵入者が、私の安眠を脅かそうとしている。

気配は一つ。 窓の外。 音もなく、バルコニーに降り立つ影。 プロだ。 昨日の王子の不法侵入とはレベルが違う。 呼吸音すらさせず、心拍数すら制御している。

(……誰?)

生徒会長の刺客か? それとも、私の「生意気な態度」を快く思わない貴族派閥の暗殺者か? どちらでもいい。 私の眠りを妨げる者は、すべからく敵だ。

私は薄目を開けた。 部屋の中は闇に包まれているが、魔力強化された私の視界には、くっきりとその姿が映っていた。

          ◇

カイルは、音もなく窓の鍵を開けた。 特殊な魔導具を使い、警報結界を解除する。 手慣れたものだ。

彼は、闇ギルド『黒の牙』に所属する、若き天才暗殺者である。 15歳にして、数々の要人を葬ってきたスペシャリスト。 今回の依頼は、ある貴族からの「ヴェルデ公爵令嬢の誘拐、もしくは始末」だった。 剣術大会での優勝が、一部の過激派の逆鱗に触れたらしい。

(……ちょろいもんだ)

カイルは、黒いマスクの下で冷笑した。 相手はたかだか12歳の令嬢。 剣術大会で優勝したといっても、所詮は学生レベルのお遊戯だ。 本物の殺し合いを知らないお嬢様など、寝込みを襲えば赤子の手をひねるようなもの。

彼は部屋の中に滑り込んだ。 警戒していた「番犬」や「護衛」の姿はない。 あまりにも無防備だ。

(舐められたもんだな)

カイルは短剣を抜き、ベッドへ近づいた。 天蓋の向こう、安らかに眠る銀髪の少女の姿が見える。

仕事は一瞬で終わる。 喉元を一突き。 痛みすら感じさせずに、永遠の眠りを与えてやる。

彼は、足音を殺してベッドサイドに立った。 リリアーナの寝顔が無防備に晒されている。

(……綺麗だな)

不覚にも、そう思った。 月の光を浴びたその顔は、人形のように整っていた。 だが、感傷に浸っている場合ではない。

「……終わりだ」

カイルは短剣を振り上げた。

その時。 彼の手が止まった。

(……なんだ?)

違和感。 猛烈な違和感が、彼のアサシンとしての直感を刺激した。

リリアーナは寝ている。 間違いなく、熟睡している。 だが、その寝姿から漂う「気配」が、異様だった。

彼女は、掛け布団を首元まで引き上げ、両手を胸の上で組んでいた。 一見、死人のようなポーズだが、カイルの目にはそれが「絶対防御の構え」に見えた。

(……隙がない)

どこから斬り込んでも、防がれるイメージしか湧かない。 首を狙えば、その布団が一瞬で盾になる。 心臓を狙えば、組まれた手が瞬時に迎撃に転じる。 足を狙えば、蹴り上げられる。

(馬鹿な。ただ寝ているだけだぞ? なぜ俺は、こんな子供に畏怖を感じている?)

カイルの額に冷や汗が滲む。 彼は一度、呼吸を整えた。 気のせいだ。 相手は子供だ。 俺はプロだ。

「……ふっ」

彼は迷いを断ち切り、短剣を振り下ろした。 切っ先が、リリアーナの白く細い首筋へと吸い込まれる。

あと1センチ。 刃が肌に触れる寸前。

「……『三日月』」

リリアーナが、寝言で呟いた。

「――ッ!?」

カイルは反射的に体を仰け反らせた。 なぜなら、その言葉と共に、リリアーナの左手がシーツの下から飛び出し、カイルの手首を正確に弾いたからだ。

パァン!

乾いた音が響く。 カイルの短剣が手から離れ、宙を舞って床に突き刺さった。

「な……!?」

カイルは自分の手首を押さえて後退した。 痺れている。 骨がきしんでいる。 ただの手刀ではない。 魔力を一点に集中させ、神経のツボを正確に打つ、高度な体術だ。

「……『三日月』の型。……脇が甘い」

リリアーナが、またしても寝言を言った。 目は閉じたままだ。 規則正しい寝息も続いている。

(寝ながら……迎撃したのか!?)

カイルは戦慄した。 しかも、今彼女が口にした『三日月』という言葉。 そして、その体術。

(まさか……)

カイルの脳裏に、かつての記憶がフラッシュバックする。 彼がまだ幼く、路地裏で泥水をすすって生きていた頃。 彼を拾い、育て、暗殺術の全てを叩き込んでくれた、伝説の師匠。 闇ギルドを統べ、誰も顔を知らない『影の総帥(シャドウ・マスター)』。

師匠はよく言っていた。 『カイル。お前の右からの攻撃は癖がある。脇が甘い。「三日月」の型を忘れるな』

「……嘘だろ」

カイルは震える声で呟いた。

「その技……その教え……。死んだはずの、師匠……?」

師匠は数年前、組織の抗争の中で行方不明になり、死亡したとされていた。 その師匠の技を、なぜこの公爵令嬢が? 転生? 憑依? それとも、師匠の隠し子?

カイルは混乱した。 だが、確かめなければならない。

彼は、短剣を拾わず、素手で構えた。 闇ギルドに伝わる、特殊な暗殺拳の構え。

「……起きろ! お前は誰だ!」

カイルは殺気を全開にして、リリアーナに殴りかかった。 本気だ。 殺す気で放つ拳。

しかし、リリアーナはベッドの上で、ゴロゴロと寝返りを打った。

「……んー、まぶしい」

掛け布団を頭から被り、芋虫のように丸まる。 その動きに合わせて、カイルの拳は空を切った。

「……ッ!」

カイルは追撃する。 布団の上からでもいい。 正体を暴く!

ドカッ! バキッ!

カイルの拳が、蹴りが、リリアーナを襲う。 だが、当たらない。 布団の膨らみが、まるで生き物のように形を変え、攻撃を受け流していく。 柳に風。 暖簾に腕押し。 布団に拳。

「なんなんだ、この動きはぁぁぁ!」

カイルは叫んだ。 これは、師匠が得意としていた防御術『空蝉(うつせみ)』の極意。 いや、それ以上の精度だ。 完全なる脱力と、未来予知に近い回避能力。

数分後。 カイルは息を切らして膝をついた。 リリアーナは、まだ布団の中で丸まっている。 傷一つない。

「……はぁ、はぁ……。完璧だ……」

カイルは、ある種の感動に打ち震えていた。 間違いない。 この理不尽なまでの強さ。 人を小馬鹿にしたような回避。 そして、あの懐かしい「脇が甘い」という指摘。

「師匠……。師匠なんですね……!」

カイルの目から涙がこぼれた。 彼は、ずっと孤独だった。 師匠がいなくなってから、組織の中で心を閉ざし、ただ殺すだけの機械になっていた。 だが、今、目の前に師匠がいる。 姿形は変わっても、その魂はここにある。

「……うるさい」

布団の中から、不機嫌な声が聞こえた。

「夜中にガタガタと……。近所迷惑よ」

「はっ! 申し訳ありません!」

カイルは即座に土下座した。 額を床に擦り付ける。

「嬉しさのあまり、取り乱しました! まさか、こんなお姿になられていたとは……! 俺は……俺はずっと、あなたを探していました!」

「……誰?」

リリアーナが、布団から顔を出した。 銀髪が乱れ、瞳はとろんとしている。 完全に寝起きだ。

「俺です! カイルです! ギルドで一番の落ちこぼれだった、泣き虫のカイルです!」

カイルはマスクを剥ぎ取った。 端正だが、どこか幼さの残る少年の顔が現れる。

私は、ぼんやりと彼を見た。 カイル? ああ、5回目の人生の。 あの、いつも鼻水を垂らして私の後ろをついてきた、小僧か。

(……懐かしいな)

夢現(ゆめうつつ)の頭で、私は思った。 あの頃は大変だった。 組織の抗争、裏切り、粛清。 血なまぐさい毎日だった。 それに比べれば、今の生活はなんて平和なのだろう。

「……カイル」

私は名前を呼んだ。

「はいっ! 師匠!」

「……老けたわね」

「えっ? いえ、まだ15歳ですが……」

「昔はもっと可愛かったのに。……今は、ただの不審者よ」

「ぐっ……! お言葉ですが、それは師匠が若返りすぎなのでは……!」

カイルが嬉しそうにツッコミを入れる。 この軽口。 間違いなく、あの頃の師匠と弟子の関係だ。

「それで? 何しに来たの?」

私はあくびをしながら聞いた。

「暗殺です」

「私を?」

「はい。依頼を受けまして。……ですが、キャンセルします。依頼主は後で消しておきます」

カイルは平然と言った。 恐ろしい子だ。 教育を間違えたかもしれない。

「師匠を殺すなんて、神殺しと同義です。俺にはできません。それに……」

カイルは、熱っぽい瞳で私を見つめた。

「俺は、また師匠の下で働きたいんです! 組織なんてどうでもいい! 師匠がいる場所こそが、俺の帰る場所です!」

「……はぁ」

私はため息をついた。 また面倒なのが増えた。 ベルタとアリスだけでも手一杯なのに、今度は元暗殺者か。

「いらない」

私は拒否した。

「えっ!?」

「私は今、一般人なの。令嬢なの。裏社会とは縁を切ったの。平和に、静かに、ただ寝て暮らしたいの」

「寝て暮らす……? それが、今回の師匠の目的ですか?」

「そうよ。世界征服も、復讐も興味ない。私の望みは『究極の安眠』だけ」

カイルは、きょとんとした後、真剣な顔で考え込み、そして勝手に納得した。

「なるほど……! 『大いなる眠り』……それはつまり、精神世界からの世界干渉を行うための儀式ですね!?」

「違う」

「肉体を休ませつつ、アストラル体で敵対組織を壊滅させる……。さすが師匠! 考えのスケールが違う!」

「聞いてないな、こいつ」

カイルの目はキラキラしていた。 師匠への信仰心が強すぎて、私の言葉がすべて「深遠な計画の一部」に変換されてしまうようだ。

「わかりました、師匠! ならば俺は、その『儀式』を邪魔する羽虫どもを排除する『影』となります!」

「……え?」

「表の世界は、あの金髪の令嬢とパン屋の娘に任せましょう。俺は、裏から師匠を守ります。寝室の警備、暗殺者の迎撃、情報収集……お任せください!」

カイルが立ち上がり、胸を叩いた。

「俺がいる限り、師匠の半径1キロ以内に、殺気を持った人間は一歩も入れさせません! 蚊の一匹も通しません!」

蚊の一匹も通さない。 その言葉に、私はピクリと反応した。

昨日の昼寝。 夢の中で蚊に悩まされた。 あれは不快だった。 もし、カイルがそれを防いでくれるなら……。 それに、こいつがいれば、夜中の不審者(王子含む)対策も万全になるかもしれない。

「……静かにできる?」

私は条件を出した。

「もちろんです! 『忍び足』は師匠直伝! 呼吸すら止めます!」

「……枕のふかふか具合を、損なわない?」

「俺は空気になります! 存在を消します!」

「……じゃあ、採用」

私は枕に顔を埋めた。

「ただし、私の前で『師匠』と呼ぶのは禁止。『リリアーナ様』と呼びなさい。それと、私の正体は誰にも言わないこと。……破ったら、破門よ」

「はっ! 承知いたしました、リリアーナ様! この命にかえても!」

カイルは再び深く頭を下げると、 「では、早速警備配置につきます!」 と言って、煙のように姿を消した。 窓が音もなく閉まり、鍵がかかる音がした。

部屋に、再び静寂が戻った。

「……ふぅ」

私は布団を被り直した。 やれやれ。 これでやっと眠れる。

バクの精霊が、心配そうに私の周りを飛んでいる。 大丈夫だよ。 悪夢は去った(というより、手下になった)から。

私は安心して、二度目の、そして本当の意味での深い眠りへと落ちていった。

          ◇

翌朝。

「……おはようございます、お嬢様」

マリナが朝の挨拶に入ってきて、悲鳴を上げそうになるのを堪えていた。

「ど、どうしたの?」

私が目をこすりながら起きると、部屋の様子が「変」だった。

窓の外。 バルコニーの手すりに、見たこともない複雑な結界魔法陣が描かれている。 庭の木々の影には、黒装束の男たちが数名(カイルが呼び寄せた部下たちだろうか)潜んでいる気配がする。 そして、部屋の隅の天井裏から、「異常なし」というハンドサインが一瞬だけ見えた。

「い、いえ……なんか、屋敷の警備の方々が、急に増えたような気がしまして……」

マリナが震えている。 無理もない。 公爵家の私兵よりも遥かに練度の高い、本職の殺し屋たちが警備しているのだから、空気の重さが違う。

「……お父様が心配して増やしたんじゃない?」

私は適当に誤魔化した。

「そ、そうですね! さすが公爵様! お嬢様への愛が深すぎます!」

マリナは無理やり納得したようだ。

着替えて廊下に出ると、そこにはベルタとアリスが待っていた。

「リリアーナ様! おはようございます!」 「枕の調子は……あれっ? なんか、空気が違いますね?」

アリスが鼻をひくつかせた。 彼女の野生の勘は鋭い。

「……誰か、います?」

「気のせいよ」

私は歩き出した。 その背後、天井の梁の上から、カイルの声(念話)が届く。

『おはようございます、リリアーナ様。昨晩は侵入者ゼロ。今朝の紅茶には毒なし。廊下の角の埃も排除済みです』

(……埃まで掃除したの?)

『はい。ハウスダストは安眠の敵ですから』

優秀すぎる。 アリスが枕担当なら、カイルは環境整備担当として完璧だ。

「さあ、今日も学校へ行きますわよ! 期末テストが近いですから、しっかり勉強(睡眠)なさらなくては!」

ベルタが張り切っている。 そうか、テストか。 憂鬱だ。 でも、カイルがいれば、テスト中に背後から答えを囁いてくれるかもしれない。 カンニング? いいえ、情報収集能力の活用です。

こうして、私の最強布陣が完成した。 表の騎士・ベルタ。 癒やしの聖女・アリス。 裏の仕事人・カイル。

「……無敵ね」

私は小さく笑った。 これで、私の引きこもりライフを脅かすものは何もない。

……と、思っていたのだが。 人生とは、そう甘くない。

「リリアーナ・ヴェルデ。……また会ったな」

学園の門をくぐると、そこには包帯だらけの男子生徒が待ち構えていた。 ガルドだ。 剣術大会で腰を砕いた、あの筋肉ダルマ。

彼は、松葉杖をつきながら、私を睨みつけていた。

「復讐か?」

カイルが殺気を放とうとするのを、私は目線で制した。 ここで殺したら騒ぎになる。

「……違う」

ガルドは、真っ赤な顔をして、モジモジしていた。 そして、意を決したように叫んだ。

「俺を……弟子にしてくれぇぇぇ!」

ドゲザァァァ! 松葉杖を放り出し、地面に頭を擦り付けるガルド。

「あの試合の後、考えたんだ! 俺に足りなかったのは『脱力』だと! お前のあの、やる気のない、それでいて全てを見通すような立ち振る舞い……あれこそが、俺が目指すべき武の極致だ!」

「……は?」

「頼む! 師匠と呼ばせてくれ! 俺に『究極の脱力』を教えてくれ!」

またか。 また「師匠」か。 私の周りには、どうしてこうも「教えを請う者」が集まるのか。

「お断りします」

私は即答して通り過ぎようとした。

「諦めねぇぞ! 俺は粘着質なんだ!」

ガルドが地面を這いずって追いかけてくる。 気持ち悪い。 まるでゾンビだ。

「ベルタ、処理して」

「御意! ……あら、ガルド。あなた、私のライバルになりたいの?」

ベルタが仁王立ちする。

「アリス、塩を撒いて」

「はい! 特製の岩塩です!」

アリスが塩を振りかける。

「カイル……は、まだ出番じゃないわね」

私は心の中で呟いた。

騒がしい朝。 でも、不思議と悪い気分ではなかった。 少なくとも、ギロチンの恐怖に怯えていた日々に比べれば、この騒がしさは「平和」の象徴のようなものだから。

「……あくびが出るわ」

私は空を見上げた。 今日もいい天気だ。 授業中、よく眠れそうだ。
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