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第四話 氷の法務官、祝杯に同席する
日曜日。 レイヴンハート公爵家の広大な庭園は、かつてないほどの香ばしい煙と、食欲をそそる匂いに包まれていました。
「さあ、どんどん焼いて! お肉はまだ山のようにあるわよ!」
私はトングを片手に、集まった招待客たちに号令をかけました。 今日の私は、普段の窮屈なコルセットや何層にも重なったドレスを脱ぎ捨て、動きやすいシャツとパンツスタイルです。髪もラフにポニーテールにまとめ、戦闘準備は万端。
「お嬢様、これ……本当に貴族のパーティなのですか?」
侍女のミラが、肉汁の滴る巨大なステーキを網に乗せながら、信じられないものを見る目で呟きます。
「ええ、そうよ。『破棄記念日』は自由の象徴。だから形式張ったマナーなんて必要ないの。ほら、アニエスも楽しそうじゃない?」
視線の先では、親友のアニエスが串焼きを片手に、令嬢たちと談笑しています。 最初は「野外で肉を焼くなんて」と及び腰だった貴族たちも、一度味わえばその開放感の虜になっていました。 堅苦しい社交界では決して許されない、手づかみでの食事、大声での笑い、そして何より、王太子の悪口……いえ、王太子への『率直な意見交換』ができる空間。
そこへ。
「……何だ、この煙幕は。敵襲か?」
煙の向こうから、冷ややかな、しかしどこか困惑した声が響きました。
その場の空気が一瞬で引き締まります。 煙を切り裂くように現れたのは、頭のてっぺんから爪先まで完璧に整えられた官服姿の、ヴァレリウス様でした。
バーベキュー会場にはあまりにも不釣り合いな、その厳格な姿。 周囲の令嬢たちが「きゃあ、氷の法務官様よ」「まさか逮捕しに来たの?」とざわめき始めます。
私はトングを持ったまま、彼のもとへ駆け寄りました。
「ヴァレリウス様! お待ちしておりましたわ! 招待状を受け取ってくださったのですね!」
「……君からの『至急、国家レベルの不正に関する作戦会議を要請する。場所は庭』という手紙を受け取れば、来ないわけにはいかないだろう」
彼は眉間にしわを寄せ、ハンカチで口元を覆いながら周囲を見渡しました。
「それで? 作戦会議というのは、この……肉の儀式のことか?」
「ふふ、これも重要な儀式ですわ。まあ、固いことは言いっこなしです。さあ、こちらへどうぞ! 特等席をご用意しましたから!」
私は半ば強引に、彼をメインテーブルへと案内しました。 彼が座ると、まるでそこだけ王宮の執務室になったかのような緊張感が漂います。 私は彼の目の前に、焼きたての最高級サーロインを乗せた皿をドンと置きました。
「監査料代わりです。どうぞ」
「……私は公務中だ。賄賂は受け取らない」
「賄賂ではありません。補給です。頭脳労働にはタンパク質が必須でしょう?」
ヴァレリウス様は、皿の上の肉と私を交互に見比べ、小さく溜息をつきました。 そして、観念したようにナイフとフォークを手に取ります。 その所作の優雅なことと言ったら! ただ肉を切るだけの動作が、まるで芸術作品のようです。
一口食べた彼は、ほんのわずかに目を見開きました。
「……悪くない」
「でしょう? 我が領地の特産牛ですもの!」
彼が少し毒気を抜かれたのを見て、私は本題に入りました。 先日の神殿からの手紙を、テーブルの上に広げます。
「単刀直入に申し上げます。神殿は、この指輪を回収したがっています。おそらく、証拠隠滅のために」
ヴァレリウス様はナイフを置き、瞬時に仕事の顔に戻りました。 手紙を一読すると、その瞳が鋭く細められます。
「『誓印の再鑑定は神殿の専権事項』か……。法的根拠のない主張だ。だが、神殿法を盾に取られると厄介なのも事実だ」
「どうなさいますか? 私としては、この指輪を渡すつもりはありませんが」
「当然だ。これは重要な証拠物件だ。……私が預かろうと言ったら、君はどうする?」
試すような視線。 私は即答しました。
「お断りします。これは私の指にある限り、私の所有物です。それに、ヴァレリウス様に預けて、もし神殿から圧力がかかってあなたが処分されたら、私が寝覚めが悪いですもの」
「……私が処分される心配をするのか? 自分の身ではなく?」
「ええ。だって私はもう自由ですから、どうとでも逃げられます。でも、あなたは法という鎖に縛られているでしょう?」
ヴァレリウス様は、虚を突かれたような顔をしました。 そして、信じられないものを見るように私を見つめます。
「……君は、本当に理解不能だ」
「よく言われます」
「レオンハルト殿下との婚約があれほど劇的に破綻したのに、なぜそう笑っていられる? 普通は、恋や結婚に絶望するものではないのか」
「絶望? まさか!」
私は笑い飛ばしました。
「今回の件で学んだのは、『契約の不備』であって『恋の無意味さ』ではありませんわ。次はもっと素敵な、心からときめくような恋をするつもりですもの!」
「ときめく……恋?」
ヴァレリウス様が、聞き慣れない単語を口にするかのように首を傾げました。
「ええ。契約書や家柄じゃなく、ただその人の笑顔を見るだけで胸が苦しくなったり、目が合うだけで体温が上がったりするような……そういう、理屈じゃない恋です!」
私が熱弁すると、ヴァレリウス様はポカンとして固まってしまいました。 まるで、未知の言語を聞かされた学者のような顔です。
「……心拍数の上昇や体温の変化は、疾病の兆候か、あるいは精神的動揺による自律神経の乱れだ。それを求めるというのは、論理的ではない」
「もう! だから『氷』なんて呼ばれるんですのよ。恋は論理じゃありません、衝動です!」
「衝動……」
彼は呟き、無意識に手元のグラスに触れました。 その時です。
ふと、彼の視線が私の左手――誓印の指輪に注がれました。
「……少し、失礼する」
彼はそう言うと、テーブル越しに手を伸ばし、私の左手を取りました。 突然のことに、私はビクリと身を強張らせます。 彼の手は白手袋に包まれていましたが、その下にある体温が伝わってくるようで、心臓がトクンと跳ねました。
「じっとしていてくれ。……やはり、光が弱まっている」
彼は私の薬指の指輪を、至近距離で覗き込みました。 長いまつ毛。整った鼻筋。 吐息がかかりそうな距離です。
「誓印の術式が、不安定になっている。神殿側が遠隔で干渉しようとしているのかもしれない」
彼は淡々と分析していますが、私はそれどころではありません。 彼の手が、私の指を優しく、でもしっかりと包み込んでいるのです。 その感触に、顔が熱くなるのを感じました。
「あの、ヴァレリウス様……?」
「……ん?」
彼が顔を上げ、私と目が合いました。 その瞬間。 彼の動きがピタリと止まります。
私の顔が赤いのを見て、彼はハッとしたように手を離しました。 そして、珍しく咳払いをします。
「す、すまない。職務熱心のあまり、配慮を欠いた」
「い、いえ……大丈夫ですわ」
「……君の手は、熱いな」
「お、お肉を焼いていましたから!」
「……そうか。そうだな」
彼は不自然に視線を逸らし、グラスの水を一気に飲み干しました。 その耳が、ほんのりと赤く染まっているのを見て、私はさらに動揺してしまいました。 もしかして、この『氷の法務官』も、照れたりするのでしょうか?
気まずいような、でもくすぐったいような沈黙が流れます。 それを破ったのは、ヴァレリウス様の低い声でした。先ほどまでの動揺を隠すように、冷徹なトーンに戻っています。
「……ルシエル嬢。一つ、重要な情報を伝えよう」
「はい?」
「神殿からの干渉痕だが、特定の『癖』が見つかった」
彼は懐から一枚のメモを取り出し、私に見せました。 そこには、複雑な魔法陣の図形が描かれていましたが、一部が赤くマーキングされています。
「この術式の書き換えパターンは、一般の神官には扱えない高度なものだ。これを行使できるのは、神殿の中でも一握りの高位聖職者に限られる」
「つまり、犯人は神殿の上層部にいると?」
「ああ。そして、この特殊な術式に見覚えがある。……十年前に禁書指定された、古代の『祝福譲渡術式』の一部だ」
「祝福……譲渡?」
「本来、神から個人へ与えられる祝福を、無理やり他者へ付け替える術だ。もしこれが使われているとしたら、狙いは君の婚約破棄ではない」
ヴァレリウス様の瞳が、冷たく、鋭く光りました。
「君の家が持つ『祝福』そのものを、誰かが奪おうとしている」
その言葉に、私は息を呑みました。 単なる嫌がらせだと思っていた婚約破棄が、とんでもない陰謀の一部だったなんて。
「だからこそ、君は笑っていてくれ」
不意に、ヴァレリウス様が言いました。
「え?」
「敵は、君が絶望し、隙を見せるのを待っている。だが、君がこうして規格外に笑い飛ばしている限り、彼らは手が出せない。……君のその笑顔は、最強の防御壁だ」
彼は立ち上がり、整った敬礼を送りました。
「私は一度戻り、この術式の使用記録を洗う。……また会おう、ルシエル嬢。次回の『作戦会議』を楽しみにしている」
そう言い残し、彼は煙の中へと消えていきました。 後に残された私は、自分の胸の鼓動が、先ほどよりも少しだけ早くなっていることに気づいていました。
「……防御壁、ですか」
私は自分の頬に手を当て、呟きました。 なんだか、最強の武器を手に入れたような気分です。
けれど、私たちの知らないところで、事態はさらに悪化しようとしていました。 王太子レオンハルト殿下が、起死回生の『世論工作』に打って出ようとしていたのです。
「さあ、どんどん焼いて! お肉はまだ山のようにあるわよ!」
私はトングを片手に、集まった招待客たちに号令をかけました。 今日の私は、普段の窮屈なコルセットや何層にも重なったドレスを脱ぎ捨て、動きやすいシャツとパンツスタイルです。髪もラフにポニーテールにまとめ、戦闘準備は万端。
「お嬢様、これ……本当に貴族のパーティなのですか?」
侍女のミラが、肉汁の滴る巨大なステーキを網に乗せながら、信じられないものを見る目で呟きます。
「ええ、そうよ。『破棄記念日』は自由の象徴。だから形式張ったマナーなんて必要ないの。ほら、アニエスも楽しそうじゃない?」
視線の先では、親友のアニエスが串焼きを片手に、令嬢たちと談笑しています。 最初は「野外で肉を焼くなんて」と及び腰だった貴族たちも、一度味わえばその開放感の虜になっていました。 堅苦しい社交界では決して許されない、手づかみでの食事、大声での笑い、そして何より、王太子の悪口……いえ、王太子への『率直な意見交換』ができる空間。
そこへ。
「……何だ、この煙幕は。敵襲か?」
煙の向こうから、冷ややかな、しかしどこか困惑した声が響きました。
その場の空気が一瞬で引き締まります。 煙を切り裂くように現れたのは、頭のてっぺんから爪先まで完璧に整えられた官服姿の、ヴァレリウス様でした。
バーベキュー会場にはあまりにも不釣り合いな、その厳格な姿。 周囲の令嬢たちが「きゃあ、氷の法務官様よ」「まさか逮捕しに来たの?」とざわめき始めます。
私はトングを持ったまま、彼のもとへ駆け寄りました。
「ヴァレリウス様! お待ちしておりましたわ! 招待状を受け取ってくださったのですね!」
「……君からの『至急、国家レベルの不正に関する作戦会議を要請する。場所は庭』という手紙を受け取れば、来ないわけにはいかないだろう」
彼は眉間にしわを寄せ、ハンカチで口元を覆いながら周囲を見渡しました。
「それで? 作戦会議というのは、この……肉の儀式のことか?」
「ふふ、これも重要な儀式ですわ。まあ、固いことは言いっこなしです。さあ、こちらへどうぞ! 特等席をご用意しましたから!」
私は半ば強引に、彼をメインテーブルへと案内しました。 彼が座ると、まるでそこだけ王宮の執務室になったかのような緊張感が漂います。 私は彼の目の前に、焼きたての最高級サーロインを乗せた皿をドンと置きました。
「監査料代わりです。どうぞ」
「……私は公務中だ。賄賂は受け取らない」
「賄賂ではありません。補給です。頭脳労働にはタンパク質が必須でしょう?」
ヴァレリウス様は、皿の上の肉と私を交互に見比べ、小さく溜息をつきました。 そして、観念したようにナイフとフォークを手に取ります。 その所作の優雅なことと言ったら! ただ肉を切るだけの動作が、まるで芸術作品のようです。
一口食べた彼は、ほんのわずかに目を見開きました。
「……悪くない」
「でしょう? 我が領地の特産牛ですもの!」
彼が少し毒気を抜かれたのを見て、私は本題に入りました。 先日の神殿からの手紙を、テーブルの上に広げます。
「単刀直入に申し上げます。神殿は、この指輪を回収したがっています。おそらく、証拠隠滅のために」
ヴァレリウス様はナイフを置き、瞬時に仕事の顔に戻りました。 手紙を一読すると、その瞳が鋭く細められます。
「『誓印の再鑑定は神殿の専権事項』か……。法的根拠のない主張だ。だが、神殿法を盾に取られると厄介なのも事実だ」
「どうなさいますか? 私としては、この指輪を渡すつもりはありませんが」
「当然だ。これは重要な証拠物件だ。……私が預かろうと言ったら、君はどうする?」
試すような視線。 私は即答しました。
「お断りします。これは私の指にある限り、私の所有物です。それに、ヴァレリウス様に預けて、もし神殿から圧力がかかってあなたが処分されたら、私が寝覚めが悪いですもの」
「……私が処分される心配をするのか? 自分の身ではなく?」
「ええ。だって私はもう自由ですから、どうとでも逃げられます。でも、あなたは法という鎖に縛られているでしょう?」
ヴァレリウス様は、虚を突かれたような顔をしました。 そして、信じられないものを見るように私を見つめます。
「……君は、本当に理解不能だ」
「よく言われます」
「レオンハルト殿下との婚約があれほど劇的に破綻したのに、なぜそう笑っていられる? 普通は、恋や結婚に絶望するものではないのか」
「絶望? まさか!」
私は笑い飛ばしました。
「今回の件で学んだのは、『契約の不備』であって『恋の無意味さ』ではありませんわ。次はもっと素敵な、心からときめくような恋をするつもりですもの!」
「ときめく……恋?」
ヴァレリウス様が、聞き慣れない単語を口にするかのように首を傾げました。
「ええ。契約書や家柄じゃなく、ただその人の笑顔を見るだけで胸が苦しくなったり、目が合うだけで体温が上がったりするような……そういう、理屈じゃない恋です!」
私が熱弁すると、ヴァレリウス様はポカンとして固まってしまいました。 まるで、未知の言語を聞かされた学者のような顔です。
「……心拍数の上昇や体温の変化は、疾病の兆候か、あるいは精神的動揺による自律神経の乱れだ。それを求めるというのは、論理的ではない」
「もう! だから『氷』なんて呼ばれるんですのよ。恋は論理じゃありません、衝動です!」
「衝動……」
彼は呟き、無意識に手元のグラスに触れました。 その時です。
ふと、彼の視線が私の左手――誓印の指輪に注がれました。
「……少し、失礼する」
彼はそう言うと、テーブル越しに手を伸ばし、私の左手を取りました。 突然のことに、私はビクリと身を強張らせます。 彼の手は白手袋に包まれていましたが、その下にある体温が伝わってくるようで、心臓がトクンと跳ねました。
「じっとしていてくれ。……やはり、光が弱まっている」
彼は私の薬指の指輪を、至近距離で覗き込みました。 長いまつ毛。整った鼻筋。 吐息がかかりそうな距離です。
「誓印の術式が、不安定になっている。神殿側が遠隔で干渉しようとしているのかもしれない」
彼は淡々と分析していますが、私はそれどころではありません。 彼の手が、私の指を優しく、でもしっかりと包み込んでいるのです。 その感触に、顔が熱くなるのを感じました。
「あの、ヴァレリウス様……?」
「……ん?」
彼が顔を上げ、私と目が合いました。 その瞬間。 彼の動きがピタリと止まります。
私の顔が赤いのを見て、彼はハッとしたように手を離しました。 そして、珍しく咳払いをします。
「す、すまない。職務熱心のあまり、配慮を欠いた」
「い、いえ……大丈夫ですわ」
「……君の手は、熱いな」
「お、お肉を焼いていましたから!」
「……そうか。そうだな」
彼は不自然に視線を逸らし、グラスの水を一気に飲み干しました。 その耳が、ほんのりと赤く染まっているのを見て、私はさらに動揺してしまいました。 もしかして、この『氷の法務官』も、照れたりするのでしょうか?
気まずいような、でもくすぐったいような沈黙が流れます。 それを破ったのは、ヴァレリウス様の低い声でした。先ほどまでの動揺を隠すように、冷徹なトーンに戻っています。
「……ルシエル嬢。一つ、重要な情報を伝えよう」
「はい?」
「神殿からの干渉痕だが、特定の『癖』が見つかった」
彼は懐から一枚のメモを取り出し、私に見せました。 そこには、複雑な魔法陣の図形が描かれていましたが、一部が赤くマーキングされています。
「この術式の書き換えパターンは、一般の神官には扱えない高度なものだ。これを行使できるのは、神殿の中でも一握りの高位聖職者に限られる」
「つまり、犯人は神殿の上層部にいると?」
「ああ。そして、この特殊な術式に見覚えがある。……十年前に禁書指定された、古代の『祝福譲渡術式』の一部だ」
「祝福……譲渡?」
「本来、神から個人へ与えられる祝福を、無理やり他者へ付け替える術だ。もしこれが使われているとしたら、狙いは君の婚約破棄ではない」
ヴァレリウス様の瞳が、冷たく、鋭く光りました。
「君の家が持つ『祝福』そのものを、誰かが奪おうとしている」
その言葉に、私は息を呑みました。 単なる嫌がらせだと思っていた婚約破棄が、とんでもない陰謀の一部だったなんて。
「だからこそ、君は笑っていてくれ」
不意に、ヴァレリウス様が言いました。
「え?」
「敵は、君が絶望し、隙を見せるのを待っている。だが、君がこうして規格外に笑い飛ばしている限り、彼らは手が出せない。……君のその笑顔は、最強の防御壁だ」
彼は立ち上がり、整った敬礼を送りました。
「私は一度戻り、この術式の使用記録を洗う。……また会おう、ルシエル嬢。次回の『作戦会議』を楽しみにしている」
そう言い残し、彼は煙の中へと消えていきました。 後に残された私は、自分の胸の鼓動が、先ほどよりも少しだけ早くなっていることに気づいていました。
「……防御壁、ですか」
私は自分の頬に手を当て、呟きました。 なんだか、最強の武器を手に入れたような気分です。
けれど、私たちの知らないところで、事態はさらに悪化しようとしていました。 王太子レオンハルト殿下が、起死回生の『世論工作』に打って出ようとしていたのです。
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